関西学生アメリカンフットボール Div.1 第5節



10月28日(土) 阪急西宮ST 13:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
神戸大学 07710241-4-0
大阪産業大学 000000-5-0
(現地観戦)
 


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10月28日(土) 阪急西宮ST 16:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
近畿大学 000660-5-0
同志社大学 1071330601-4-0
(現地観戦)
 


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10月29日(日) 阪急西宮ST 13:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学 772114495-0-0
甲南大学 7777284-1-0
(現地観戦)
 


 この試合の最終結果は49−28である。リーグ戦星取表には49−28と表示されて残る。だから、例えば5年後にその星取表を見たとき、「大差だな」で、終わってしまう。

「昨日の試合どうだった?」と聞かれれば「49−28」と応える。そして「あっ、そ。やっぱりね」で終わってしまう。「いやいや、それでも凄い試合だった」など聞いてくれる人がどれだけいるだろうか。

「スポーツ新聞その他で結果だけ見て、最終戦だけ観戦すればいい」なんて思っている人がいたら、それは、アメリカンフットボールの楽しみを半分捨ててるようなものです。


 結果が大切なことは当然だが、この試合は何よりも経過が重視されなければならない。

 なぜ、そこで、このプレーをしたか、このフォーメーションを採用したか。関西学院大学の第4節までの試合内容から導き出した甲南大学の策。なにを準備して甲南大学が勝ちに行こうとしたか。

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 スタジアムへ到着したのが12時30分ごろ。両チームが練習していたのだが、フィールドの色どりを見て「そう言えば、これも、赤と青の対決だなぁ」と思ったのは、ウソ偽りのない事実です。甲南大学はホーム用の赤のユニフォーム、関西学院大学はビジター用のホワイトのユニフォームだった。

 そして、先発メンバーの発表。関西学院大学QBに#16尾崎のアナウンス、そしてDL#90石田の名前が呼ばれない。甲南大学はQB#10池垣のアナウンス・・

 公私ともに、異様な雰囲気の試合開始前 だった。

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 甲南大学がコイントスで選択権を獲得して後半行使、関西学院大学リターンで試合が始まった。
 関西学院大学自陣45ヤードからのQB#16尾崎のオフェンスは、第4Dパント。これを甲南大学がパントブロック、そのままエンドゾーン内へ持ちこんでTD、甲南大学が先制した。

 しかし、直後の関西学院大学リターンは#30生島の35ヤードビッグリターンで一気に敵陣へ。ここからRB#2三井、#3大谷の中央オープンランと地上戦を挑む。最後はQB#16尾崎がフェイクからのキープでエンドゾーンへ飛び込んでTD同点と、乱打戦の様子を呈してきた。


 そして、甲南大学最初のオフェンス。
 QB#11仲田に、RBなし・WR5人・TEなしのショットガンフォーメーション。

 第1・2シリーズは距離の出ない横パスが多くてパントとなったが、第3シリーズはQBスクランブルも絡めて自陣40ヤードからのショットガンドライブをTDへと結びつけて14−14の同点とする。

 関西学院大学ディフェンスはパスに難点が有ることは今までの4戦を見れば一目瞭然、甲南大学は徹底的にそこを突くという考えなのだろう。さらにこの日の関西学院大学は守備の要DL#90石田を欠いた。
 QBへのDLプレッシャーがかからず、突然の5レシーバーに対応しきれないLBは後ろへ下がる。結果、QB#11仲田は後半途中まで、かなり自由にパスを投じることが出来た。

 関西学院大学はディフェンスの「バタバタ」がオフェンスへも伝わってしまったか2回連続ファンブルロストと、ベンチ全体が平常心を欠いたような慌てぶり。

 甲南大学は、このチャンスに前半リードして終わりたかったが、不慣れなショットガンにホールディング反則を連発してしまう。#11仲田−#12桜井−#88吉田のスペシャルプレーもエンドゾーン内でDB#21福田にインターセプトされてしまい、リードできずに前半終了した。


 後半は甲南大学オフェンスで再開。再び#21長谷川・#3前田・#87松下・#25湯木・#88吉田の5人レシーバーによるショットガンでTDを奪い、一度はリードした。

 しかし、直後に関西学院大学#2の独走TDラン48ヤードで再び同点となる。
 甲南大学ディフェンスが関西学院大学オフェンスのフェイクの動作に、簡単に引っかかってしまう。さらに、#2三井、#3大谷がタックルポイントをはずすべくターンすると簡単に抜けてしまう。DLLBが倒れながらも腕1本でキャリアを止めるのが精一杯という状況だった。
 さらにOLもしっかりとDLをコントロールしてOT付近にフリーの走路を作り上げていた。

 結局は#2三井の59ヤードTDラン、#30生島の82ヤード一発TDランなど後半6シリーズ中5シリーズでTDを挙げた関西学院大学が勝利した。

 PATキック7本すべて成功させたK#17山路もナイスだった。劣勢気味だった前半から後半の2個目ぐらいまでは、絶対にはずせないキックである。もしはずしたら、攻守ともにもう少し緊張バタバタしていたはず。安定感が出てきた。


 甲南大学ディフェンスと関西学院大学オフェンスの結果がそのまま試合結果につながってしまった。ここの力関係が甲南大学オフェンス対関西学院大学ディフェンスの対決に影響したか、DB#28坂本が再三パスをたたき落とした。また、後半には、DLLBのプレッシャーがQBへかかりだしてインターセプトを誘い出した。


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10月29日(日) 阪急西宮ST 16:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学 3070104-1-0
京都大学 0377175-0-0
(現地観戦)
 


 コイントスで権利を獲得しした京都大学は後半行使を選択して、立命館大学リターンで試合開始した。

 立命館大学は、自陣31ヤードから先発QB#17高田によるオフェンス。最初のプレーこそRB#32野本の中央突破5ヤードとゲインするも、第2DドロップバックにLB#29山下サックマイナス12ヤード、第3DもDLのプレッシャーでマイナス9ヤードと京都大学ディフェンス大健闘の幕開けシーンだった。そして、このディフェンスの気迫プレッシャーが試合最後まで途切れることがなかった。

 京都大学オフェンスはQB#16今西によるIフォーメーション。しかし、最初の2シリーズをすべてファンブロストで喪失する。これは、結局のところパント距離分だけ立命館大学が前進することでもあり、立命館大学3回目の攻撃スタートは敵陣22ヤードとなった。
 しかし京都大学ディフェンスは切れることなく1度のFD更新を許すも、そしてK#48鏑木のFG3点にとどめてオフェンスの復調を待った。

 京都大学は自陣43ヤードからの第4シリーズ。フレックスボーンライクのフォーメーション。左SB#25関根の右モーションにピッチを受けた右HB#31畑の左オープンラン、ディフェンス陣を右サイドに振っての左側フリーの独走45ヤードラン。ディフェンスのスピードを逆手にとった立命館大学ディフェンス攻略の定番でロングゲインとなった。
 もっとも、エンド前13ヤードに到達するが、ここからはさすがにゲインできず、K#5河田のFGによる同点にとどまった。

 立命館大学QB#17高田オフェンスは、京都大学DLLBのプレッシャーにサックロスを避けるので精一杯、パスを投げ捨てるシーンも有ったが、DB#2高本にインターセプトされるとQB#18宮崎に交代となった。
 第2Q最後のシリーズ、QB宮崎によるオフェンスはプレーアクションを絡めて前進も、フォールスタート・イリーガルフォーメーションの反則と、LB#29#51のプレスの前にあえなくパント。結局、前半の立命館大学FD更新回数は5シリーズ中3回(私のメモによる)のみと、封じこまれた。


 後半、京都大学のリターンで試合再開するのだが、リターナー#20山本がスピードで甘いカバーを抜く。そのまま90ヤードを走りきってTD、京都大学が後半開始早々に逆転となった。(京都大学10−3立命館大学)

 さらに、DB#34西村がQB宮崎のパスをインターセプトして掴んだチャンスに、UBへのフェイクを入れてQBカウンター、オプション#25関根右オープンでエンド前15ヤードと、勢いは完全に京都大学にあった。しかし、たたみかけの得点機も第4D残り5ヤード、FGトライしてはずした。

 そして、試合の流れは立命館大学に傾く。

 京都大学ディフェンスがQB#18宮崎のフェイクの動作に対応できなくなってくる。ドロップバックでRBドローかと思えばパスとなって、DLLBのパワーが分散されてしまった。
 立命館大学は、自陣20ヤードからRB#32野本ドロー10ヤード、WR#16西川プレーアクションパス35ヤード、再びプレーアクションTE#96加藤へ30ヤードTDパスと、大技一気で同点となった。

 さらに次のシリーズはフィールド中央から。QB#宮崎によるフェイクにディフェンすがばらばらになる。どうにか第4D1ヤードとなるも、ここで痛恨のディフェンスオフサイド。
 気持ち的にも崩れおちても仕方ないところだったが、京都大学は、粘った。中央ラン2回計3ヤードパス失敗。最後は第4Dはホルダー66ヤードの#48鏑木のFGトライも、失敗に終わる。


 同点のまま第4Q残り約6分?(5分?:ほぼこのくらいの時間。私のメモに残っていない。正式には新聞テレビで確認してください)京都大学27ヤードからの最後のオフェンスシリーズが始まった。

 京都大学は、再びフェイク動作を入れてディフェンスを惑わす。UBフェイクの右TE#4脇田へパス、フレックスボーン右HB#25関根の左オープンに、立命館大学パスインターフェア−。

 それでも、立命館大学には京都大学怒涛のオフェンスを止めるチャンスは、あった。残り時間2分ぐらい。

 京都大学は敵陣35ヤードで第4D残り3ヤード。ここでタイムアウトを獲ってパントフォーメーション。スタンドからはブ−イングもあった。しかし、強烈なブ−イングではない。京都大学を信じてパントフェイクであることを信じての、ブ−イングのフェイク。常識的にはギャンブル。それでもパントフォーメーション体形。

 ここで立命館大学はフェイクに対応すべきだったが、#32秋原へのダイレクトスナップからの中央突破を、簡単に許してしまった。

 敵陣24ヤードFD。敵陣11ヤードFDと連続更新して残り時間は1分を切ってしまった。そして、RB#40山田、#32秋原のランに最後はQBスニ−ク2ヤードで残り時間6秒、試合を決めるTDを奪った。

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 最後のドライブシーンで、京都大学はタイムアウトを獲らず時計を進めるが、立命館大学はタイムアウトを行使しなかった。ズルズル後退していたし、テンポも悪かった。さらに、得点されても時間を残せば、まだ可能性はある。しかし、実際にオフェンスに残った時間はたったの5秒。ショットガン4レシーバーも自陣30ヤードでは、届かなかった。

 QB宮崎のプレーアクションが試合の最初から出ていればとか、第4D、パントフェイクみえみえのシーンにプレッシャーを与えていれば、という思いもある。フレックスボーンからカウンタープレーが、いまだに有効なのが信じられない。


 ここは京都大学ディフェンスの勝利と言えよう。DLLBサックで立命館大学オフェンスのテンポを崩した。そして、それにオフェンスが見事に応えた。
 戦前の京都大学に対する私の想いは、「京都大学、ここは黒星でも仕方ない。少なくともKG戦にまで尾を引くような敗戦だけは避けて欲しい・・・・」というものだった。恥ずかしい限りである。

 「新生」京都大学の次節は関西学院大学戦。  待ってます!!


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