急げ、時間がない!!

Updated, 1998. Jul. 15 at 00:33 JST.




 アメリカンフットボールの試合時間は、日本のほとんどの試合で1Q12分
です。そして4Qあるので試合時間の合計は48分です。でも実際の試合は、
倍以上の2時間30分ぐらいかかります。                

 だからといって時計係がさぼっているわけではありません。ルールに従って
試合時間「48分」を計測している時計を動かしたり止めたり、とても忙しく
重要な仕事をしています。そして、時計が止まることがあるので、実際の試合
時間が長くなるのです。                        

 それでは、いつ時計係の仕事があるかですが、             

時計を止める                             
 1,パス失敗のとき。                        
 2,タイムアウトをとったとき。                   
 3,ランやパスでボールを持った人が、サイドラインの外へ出たとき。  

時計を動かす                            
 プレーが始まったとき。(上記1,2,3で終わった次のプレー開始時) 

 このように、時計が動いたり止まったりといろいろな場合があります。なお
他に、ケガ人退場やペナルティーフラッグなどでも止まりますが、とりあえず
この3個+1個だけを覚えておけば充分です。              

 さて、試合中のほとんどの時間は、時計が動こうが止まろうが、あまり気に
する必要はないのですが、第2Qと第4Qの最後だけは、別です。残り時間に
も充分に注意して観戦して下さい。そうでないと、まわりの観客の大歓声や落
胆の溜息の波に、乗り遅れますよ。                   

 残り2分を切った段階で、応援しているチームがオフェンスをしている、さ
らに、負けているとなると、時間も気にしなければなりません。なぜなら、た
とえエンドゾーンまで5ヤードに到達しても、そこで時間がなくなれば全ての
努力が水の泡となって消え去ります。なにしろそのQが終了すると、休憩時間
になってチャラになったり、試合終了して負けが決まったりしてしまいますか
ら。                                 

 とくに、第4Q「ここでTDすれば逆転」なんていうときは、是が非でも得
点してもらわなければなりません。だから、祈る様な気持ちで、残り時間とフ
ィールドを交互に見ながら、「絶対に点とれよ!!!」の大声援を送ります。

 「残り時間○分○○秒、得点差○点、エンドゾーンまで○○ヤードか。」 
 「ラン主体では時計が動くし〜。」                  
 「パスは、ロングかショートか?WR調子悪いけど、TEでは短いなあ。」
 「タイムアウトはあと○回か。いつ使うんだろう?・・・・。」     
  ・                                
 「あっ!!あんなところでスリップしやがって。あ〜〜、時計が動く。」 


 もちろん、あなたの応援しているチームが小差リードしているディフェンス
チームなら、ここでの失点は許されることではありません。        

 「よし、この△分△△秒、ここを抑えたら○○からの金星いただき!!」 
 「絶対外へ出すなよ。中でタックルして、時計を動かせよ。」      

 「おっと、FDとられた。時間は・・・。ゲッ、まだ1分もある!!」  
 「次は何だ?。ここでTDパスはないよな。でも、とられたら負ける。」 
  ・                                
 「あっ!!ロングパス!!・・・・・・。」              


 フィールドの両チームは、限られた時間内にチームの能力の範囲で、最善の
策を選択実行して、勝利をつかみとろうとしています。また、応援している方
も、この極限状態で繰り広げられるプレー毎に一喜一憂の大歓声を送ります。
これがアメリカンフットボールの醍醐味、『2ミニッツオフェンス』です。 

 





次回のテーマは、『2ミニッツ』です。



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