「アメリカンフットボールは、10ヤード進む毎に新たに攻撃権を獲得、これ を繰り返して相手エンドゾーンにボールを運ぶと得点になります。」 でもこのフレーズ、聞き飽きたかもしれませんね。そこで新しいフレーズは 「前に進めばバンザーイ!!」 です。 進んできた長い道のりを振り返ってみると、そこには広大な陣地が・・・。 そこに家を建てるもよし、ダイコンを植えるもよし、穴を掘れば石油が噴き出 したりして。こうしてアメリカンドリームは、完成に近づいていくのであった ・・・・。 さて、サッカーも、ラグビーも、バスケットボール、ハンドボールも基本的 には前に進んで相手エンドゾーンにボールを運ぶゲームです。そしてボール位 置を境界線として敵と味方に、無理やり分けることはできます。しかし、基本 的にボールが止まらないので、境界線も「直線」ではなく「曲線」になったり で、境界線というものを考えること自体に意味がないことかもしれません。 こう考えると、ボールが毎回毎回止まり境界線のはっきりとしたアメリカン フットボールは、他の団体球技とは少々趣が異なってきます。 陣地を広げるということは相手の陣地が狭くなるということです。もっとも 総資産は100ヤードと決まっています。だから、陣地を広げるといっても、 結局のところどう分割するかということになります。オセロの盤面に白が増え ると黒が減るとか、綱引きで自分のところに引き込むと相手側は短くなるとか で、結局のところ「他人の不幸は自分の幸福」という嫌らしい??現代人にピ ッタリのゲームがアメリカンフットボールです。 さて、前に進むためにどうしたらいいでしょう。 ●人間コツコツと努力を積み重ねることが大切ということで中央ランプレーを 繰り返して2,3ヤードを確実に前進する方法。 ●そんなかったるいことやってられるかということで、疾風ランナーがライン 際をピューっと風を切って12ヤード進む方法。 ●いやいや、もっとラクしようで25ヤードを一気にパスで稼ぐ方法。 ●もう疲れた、動くのもイヤだ、立ってるだけも進む方法ないの?となれば、 奇怪なハットコールで敵ラインを眩惑、反則を誘って5ヤード進む方法。 (ディフェンスにオフサイドの反則) もちろん、ディフェンスで前に進むこともできます。 ●ボールがスナップされた瞬間にLBがスクリメージラインを突破、ボールキ ャリアを仰向けに倒して5ヤード進む方法。(ブリッツ) ●ボールを持っている人へタックルして、ポロッとしたとたんにボールを奪い 取る方法。(ファンブル&ターンオーバー) ●パスとして投げられたボールを誰よりも先にキャッチして奪い取る方法。 (パスインタセプト) これらは全て、境界線上で向かい合って『静から動』で前進する方法です。 敵も味方も「よし!行くぞ」と構えておいて、同時にスタート。まぁよくよく 考えてみれば、万全の体制を整えているところへ突っ込んで行くのだから、『 飛んで火に入る夏の虫』状態になっても仕方がない。それでも、前進して行く のだから、改めて、「肉体を酷使してスゴイ!!」と気付いたりする。 もっとも、そればかりでは本当に体がもたないから、もっとラクに進む方法 ないの??となって、「頭脳」も使うようになってくるのですが。 こんなアメリカンフットボールでも、境界線がはっきりしない瞬間もありま す。それは、キッキングの時です。試合開始や得点後のキックオフ、第4Dパ ントでボールを蹴った瞬間から始まります。 ボールをキャッチしたリターナーの前には、普通は大きな空間ができます。 そしてキャッチした瞬間から、敵・味方の隙間を縫ってエンドゾーンを目指し て走っていきます。 相手チームの準備ができていないと、リターナーはボールを持ったまま、ど んどん走ります。10ヤードなんか「あっ!」という間に、走り抜けて相手が 追い付いたときには、30ヤードも進んでいたなんてこともあります。こうな ると、リターナーの○○君は、チームメイトから手荒い祝福を受けます。 「今まで痛いのガマンして3ヤード進んでたのに。メチャクチャ簡単な方法が あるやんか。」 「エンドゾーンまで40ヤードか。なんか得点できそうな気がしてきた。」 キックオフやパントでのリターンは、もしかしたら、もっとも簡単に前に進 む方法かもしれません。 今まで劣勢だったチームが1回だけビッグリターンをしました。そして、や っとのことでTDして7点ゲット。しかし、またまた劣勢が続く。それでもな んと7−3で勝ってしまいました。 勝因は何だったのでしょうか。ディフェンスのガンバリを挙げる人は多いと 思います。でも、ビッグリターンをした○○君のことを覚えている人は、残念 ながら少ないのでは???? |
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