『遠くへ!』

Updated, 1998. Feb. 24 at 01:18 JST.




 前回、もっとも距離を稼げる方法は、パントリターン・キックオフリターン
かもしれないと言いました。しかし、実際の所、リターンも毎回毎回ロングゲ
イン・ビッグゲインできるほど甘いものではありません。ボールをキャッチし
て、「さあ走ろう」としたら、目の前は、敵一色ということはザラです。普通
は、ボールをキャッチした瞬間に強烈なタックルを受けることになります。 

 さて今回は、パント・キックした側から見た話です。          

 ボールを蹴ったチーム側のベターな状況は、相手に全くリターンされないこ
とです。なぜなら、リターンされることは自分の陣地が減ることだからです。
そこで、相手がボールをキャッチした瞬間に『目の前は壁』状態にしたいので
す。そのために、パントカバーチームが壁を作るまでの時間を稼ぐ必要があり
ます。                                

 そこでキッカーは、滞空時間が長くなるようにボールを蹴ります。ただ、時
間を稼ぐためだけなら、真上に蹴り上げるのが一番です。しかし、確かにリタ
ーナーがボールをキャッチした瞬間に『目の前は壁』ですが。大きな目標であ
る「陣地を稼ぐ」にとっては、無意味なことになります。         

 陣地を稼ぐためには、低い弾道のライナーで蹴るのが最も効果があります。
しかし、距離が遠いのでカバーチームがボール着地地点に到達するまでにかな
りの時間を要します。「さあ。壁を作りに行こう!!」と必死に追いかけます
が、リターナーがボールキャッチした時点で距離半ばとなれば「あーあ。抜か
れてしもた」で、ビッグリターンロングゲインの痛い目に遭うのは必至です。

 一番良いのは、「ボールが着地する直前にカバーチームが到達する距離に蹴
る」です。こうなるとリターナーがボールをキャッチした時点で目の前は壁に
なり、普通は全くリターンできません。                 
 さて、「ボールが着地する直前にカバーチームが到達する距離」は、各チー
ム選手状況によって千差万別です。キッカーの飛距離能力とパントカバーチー
ムの走るスピードのバランス点となります。最良のキッキングチームの条件は

 ・キックの飛距離が長い。                      
 ・カバーチームにスピードがある。                  
 ・キック飛距離とカバーチームのスピードのバランス点距離が長い遠い。 
 ・毎回バランス点に蹴り込むことが出来て、リターンさせない。     

 パントリターン・キックリターンでゲインを許さないとなれば、相手チーム
にとって前に進む方法は通常のオフェンスに限られます。しかし、前回も書い
たように、こっちも万全準備しているので、そう簡単にはゲイン出来ません。
つまり、リターンさせないとなれば、かなりの窮地に追いつめることになりま
す。この時点で、キッキングチームの勝利です。             

 ところで、もう一つ、相手に全くリターンさせない方法があります。   
 キックしたボールがサイドラインの外に出ると、サイドラインを切った地点
からの相手の攻撃となります。だから、「なるべく遠いところでサイドライン
を切るように蹴る」という高度なテクニックを使うことも、時と場合によって
は効果的です。                            

 相手にリターンを許さず、最も遠いところへ追いやって攻撃を開始させるキ
ッキングチームを見かけたら、勝利への貢献度はオフェンスチームと同等以上
です。                                

 





次回のテーマは、『急げ、時間がない!!』です。



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