Ball-On 18Yard 3rd-Down 2

updated, 1997 Jan. 27 at 02:15 JST.



 今回のテーマを易しく日本語表記すると、「ボールは18ヤードの位置にあり、これ
から第3ダウンの攻撃になります。そして、攻撃権更新(ファーストダウンの獲得)す
るまで、あと2ヤード進まなければなりません。」ということになります。なお、読み
方は、数字もそのまま英語読みしてください。                  

 そこで、前回の続きですが、前回はテレビの映像を通して見ているだけでは、ボール
位置がフィールドのどの場所にあるのかよく判からない、どうしたら良いのだろうかと
いう問い掛けをしたところで終わってしまいました。そこで、その解答ですが、もうお
判かりですよね。テレビではなく、現地スタジアムで見ればよいのです。と、ここで終
わるなら前回の末尾に数行付け足せば済んだことです。              

 ところで、スタジアムで観戦した人から、「スタジアムに試合を見に行くと、ボール
が全然見えない。毎回、真ん中でグチャッとなった人の山が出来るだけで、どうなって
いるのか判らないから面白くない。」という話を聞きます。特に西日本社会人には、執
拗なランオフェンスと強力なディフェンスで、タイムコントロールをさせれば日本一と
いうチームがあり、ボールが見えにくいのは事実です。              

 しかし、アメリカンフットボールとは、前回も書いたように、できるだけ前に行こう
とする側と、それを阻止しようとする側との戦いです。そして、位置を特定する道具と
してボールが使われます。つまり、ボールにこのような役目がある以上、なるべく相手
側にボール位置がわからないようにして、前に進もうとするのは当然の成り行きです。

 だから、前に行こうとする側(攻撃チーム=オフェンスチーム)のQBは、RBにボ
ールを渡すフリ(フェイク)をしたり、右へ走ると見せかけて左へ行くようなトリッキ
ーな動きをして、相手(守備チーム=ディフェンスチーム)を撹乱します。ついでに、
見ている観客も撹乱します。したがって、ボールを追っていると、時として完全に見失
うことがあるのは、仕方のないことです。                    

 そこで、もう、ボールを追うのは止めましょう。そして、人の動きだけをを見ていて
下さい。それに慣れてくれば、逆にボールの位置が判るようになります。それでは、ど
の選手の動きを追うかですが、とりあえずは、QBとRBだけで充分です。     

 それでは、練習しましょう。                         

Ball-On 26Yard 1st-Down 10

 QBがボールを受けた。そのまま背を丸くした。おそらくQBがボールを隠し持って
いるんだろう。そのままラインの中に突っ込む可能性が大きそうだ。オーット、突っ込
んだ。人の山の中でQBが埋もれているところは、最初の位置より少し前に進んだとこ
ろだ。ということは、3ヤードぐらい進んだかな?                

Ball-On 23Yard 2nd-Down 7

 QBがボールを受けた。RBがQBにくっついた。ということはボールが渡された可
能性がある。おや?QBも背が丸い。どちらがボールを持っているのだろう?。さっき
は、QBだったから、今度はRBかな?。オーット、RBが右の方へ突っ込んだ。最初
の位置より5ヤード前に行ったところで足を掴まれている倒れている。ということは、
5ヤードの前進?                               

Ball-On 18Yard 3rd-Down 2

 QBがボールを受けた。RBがQBにくっついた。オーット、RBの背が丸くなった
と言うことは、ボールが渡されたかな?。いや、チョット待った。QBの右手にボール
が見えた。オーット、意表を突いたパスだ。TD!!               


 ということで、まず、現地観戦してQBとRBの背番号を頼りに動きに注目しよう。
そして、スタジアム観戦で大体の進んだ距離が判るようになったら、次にテレビ画面に
戻ります。そうすると、拡大されているので、QBのボールの隠し方、RBへのボール
の渡し方(ハンドオフ)などが、よくわかります。こうした基本的な動きをマスターし
たうえで、再びスタジアムに戻ると、人の山の中に埋もれて見えないはずのボールが、
まるで人間が透明かと思えるように、スーッと浮かび上がって見えてきます。こうなる
と、スタジアム観戦はやめられません。全てのプレーに一喜一憂するフットボールフリ
ークの出来上がりです。                            


 さて、最初の『4回で10ヤード進んだら・・』に戻りますが、16ヤード位置から
ファーストダウン10ヤードとして1回目の攻撃が始まったとして話を進めると   

Ball-On 16Yard 1st-Down 10

8ヤード進む

Ball-On 24Yard 2nd-Down 2

2ヤード進む

 この時点で、26ヤード位置にいます。これは最初の16ヤード位置から10ヤード
ちょうどの位置ですから、ここで攻撃権が更新されます。『4回で10ヤード進めば』
は、正確には、『4回以内で10ヤード進めば』で、10ヤード以上になった時点で回
数が1回に戻ります。したがって、審判の「ファーストダウン!!!」の声とともに、
26ヤード位置からファーストダウン10ヤードとして1回目の攻撃が始まります。 

 それでは、その続きを・・・                         

Ball-On 26Yard 1st-Down 10

3ヤード進む

Ball-On 29Yard 2nd-Down 7

5ヤード進む

Ball-On 34Yard 3rd-Down 2

1ヤード進む

Ball-On 35Yard 4th-Down 1

 今までの3回の攻撃で合計9ヤード進みました。しかし、攻撃権の更新(ファースト
ダウンの獲得)まで、まだ1ヤード残っています。ここで攻撃チーム(オフェンスチー
ム)は思案のしどころ?で、次に同様に攻撃するかどうかを考えます。       

 『4回で10ヤード進めば良し。進まなかったら相手に攻撃権が移ります。』   

ということで、もし、1ヤード進まなかったら、その止まった位置から相手の攻撃とな
ります。しかし、これではエンドゾーンに近すぎ危険です。そこで、普通は4回目の攻
撃を放棄してキック(パント)します。パントすると50ヤードぐらいボールが跳んで
いくので、相手の攻撃は自陣30ヤード付近から始まることになります。      

 しかし、点差とか状況によっては4回目の攻撃をすることもあります。しかし、危険
も伴うので、                                 
「さあー、第4ダウン残り1ヤード。ギャンブルです。」             
という緊張の瞬間を向かえます。そして、                    
「センターがスナップしたボールをQBが受けた。オーット、そのまま突っ込む。さあ
10ヤード進んだのか、それとも止まったのか!?。」              
 ここで登場するのが10ヤードチェーンです。が、この続きは、また別の機会に・・

 



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次回のテーマは、『10ヤードチェーンの謎』を予定しています。



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