今回のテーマを易しく日本語表記すると、「ボールは18ヤードの位置にあり、これ から第3ダウンの攻撃になります。そして、攻撃権更新(ファーストダウンの獲得)す るまで、あと2ヤード進まなければなりません。」ということになります。なお、読み 方は、数字もそのまま英語読みしてください。 そこで、前回の続きですが、前回はテレビの映像を通して見ているだけでは、ボール 位置がフィールドのどの場所にあるのかよく判からない、どうしたら良いのだろうかと いう問い掛けをしたところで終わってしまいました。そこで、その解答ですが、もうお 判かりですよね。テレビではなく、現地スタジアムで見ればよいのです。と、ここで終 わるなら前回の末尾に数行付け足せば済んだことです。 ところで、スタジアムで観戦した人から、「スタジアムに試合を見に行くと、ボール が全然見えない。毎回、真ん中でグチャッとなった人の山が出来るだけで、どうなって いるのか判らないから面白くない。」という話を聞きます。特に西日本社会人には、執 拗なランオフェンスと強力なディフェンスで、タイムコントロールをさせれば日本一と いうチームがあり、ボールが見えにくいのは事実です。 しかし、アメリカンフットボールとは、前回も書いたように、できるだけ前に行こう とする側と、それを阻止しようとする側との戦いです。そして、位置を特定する道具と してボールが使われます。つまり、ボールにこのような役目がある以上、なるべく相手 側にボール位置がわからないようにして、前に進もうとするのは当然の成り行きです。 だから、前に行こうとする側(攻撃チーム=オフェンスチーム)のQBは、RBにボ ールを渡すフリ(フェイク)をしたり、右へ走ると見せかけて左へ行くようなトリッキ ーな動きをして、相手(守備チーム=ディフェンスチーム)を撹乱します。ついでに、 見ている観客も撹乱します。したがって、ボールを追っていると、時として完全に見失 うことがあるのは、仕方のないことです。 そこで、もう、ボールを追うのは止めましょう。そして、人の動きだけをを見ていて 下さい。それに慣れてくれば、逆にボールの位置が判るようになります。それでは、ど の選手の動きを追うかですが、とりあえずは、QBとRBだけで充分です。 それでは、練習しましょう。 Ball-On 26Yard 1st-Down 10QBがボールを受けた。そのまま背を丸くした。おそらくQBがボールを隠し持っているんだろう。そのままラインの中に突っ込む可能性が大きそうだ。オーット、突っ込 んだ。人の山の中でQBが埋もれているところは、最初の位置より少し前に進んだとこ ろだ。ということは、3ヤードぐらい進んだかな? Ball-On 23Yard 2nd-Down 7QBがボールを受けた。RBがQBにくっついた。ということはボールが渡された可能性がある。おや?QBも背が丸い。どちらがボールを持っているのだろう?。さっき は、QBだったから、今度はRBかな?。オーット、RBが右の方へ突っ込んだ。最初 の位置より5ヤード前に行ったところで足を掴まれている倒れている。ということは、 5ヤードの前進? Ball-On 18Yard 3rd-Down 2QBがボールを受けた。RBがQBにくっついた。オーット、RBの背が丸くなったと言うことは、ボールが渡されたかな?。いや、チョット待った。QBの右手にボール が見えた。オーット、意表を突いたパスだ。TD!! ということで、まず、現地観戦してQBとRBの背番号を頼りに動きに注目しよう。 そして、スタジアム観戦で大体の進んだ距離が判るようになったら、次にテレビ画面に 戻ります。そうすると、拡大されているので、QBのボールの隠し方、RBへのボール の渡し方(ハンドオフ)などが、よくわかります。こうした基本的な動きをマスターし たうえで、再びスタジアムに戻ると、人の山の中に埋もれて見えないはずのボールが、 まるで人間が透明かと思えるように、スーッと浮かび上がって見えてきます。こうなる と、スタジアム観戦はやめられません。全てのプレーに一喜一憂するフットボールフリ ークの出来上がりです。 さて、最初の『4回で10ヤード進んだら・・』に戻りますが、16ヤード位置から ファーストダウン10ヤードとして1回目の攻撃が始まったとして話を進めると Ball-On 16Yard 1st-Down 108ヤード進むBall-On 24Yard 2nd-Down 22ヤード進むこの時点で、26ヤード位置にいます。これは最初の16ヤード位置から10ヤードちょうどの位置ですから、ここで攻撃権が更新されます。『4回で10ヤード進めば』 は、正確には、『4回以内で10ヤード進めば』で、10ヤード以上になった時点で回 数が1回に戻ります。したがって、審判の「ファーストダウン!!!」の声とともに、 26ヤード位置からファーストダウン10ヤードとして1回目の攻撃が始まります。 それでは、その続きを・・・ Ball-On 26Yard 1st-Down 103ヤード進むBall-On 29Yard 2nd-Down 75ヤード進むBall-On 34Yard 3rd-Down 21ヤード進むBall-On 35Yard 4th-Down 1今までの3回の攻撃で合計9ヤード進みました。しかし、攻撃権の更新(ファーストダウンの獲得)まで、まだ1ヤード残っています。ここで攻撃チーム(オフェンスチー ム)は思案のしどころ?で、次に同様に攻撃するかどうかを考えます。 『4回で10ヤード進めば良し。進まなかったら相手に攻撃権が移ります。』 ということで、もし、1ヤード進まなかったら、その止まった位置から相手の攻撃とな ります。しかし、これではエンドゾーンに近すぎ危険です。そこで、普通は4回目の攻 撃を放棄してキック(パント)します。パントすると50ヤードぐらいボールが跳んで いくので、相手の攻撃は自陣30ヤード付近から始まることになります。 しかし、点差とか状況によっては4回目の攻撃をすることもあります。しかし、危険 も伴うので、 「さあー、第4ダウン残り1ヤード。ギャンブルです。」 という緊張の瞬間を向かえます。そして、 「センターがスナップしたボールをQBが受けた。オーット、そのまま突っ込む。さあ 10ヤード進んだのか、それとも止まったのか!?。」 ここで登場するのが10ヤードチェーンです。が、この続きは、また別の機会に・・ |
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