最近は、アメリカンフットボールのテレビ中継も増えて、多くの人が基本的なルール を知るようになってきています。しかし、以前は毎回のように、テレビ中継の中で簡単 なルール説明が行なわれていました。 「ルールがよく判らないという人がいますが、そんなに難しくはないんですよね。簡単 に言ってしまえば陣取りゲームのようなもので、4回の攻撃で10ヤード進めばいいん ですよ。そうすれば新たな攻撃権が与えられ、もし、10ヤード進まなければ相手に攻 撃権が移るんです。つまり、野球は3回のアウトでチェンジですが、アメリカンフット ボールは4回でチェンジと思えばいいんですよ。」 というフレーズだったように思います。これが、今回のテーマです。 さて、私はこのような表現方法自体を、どうこう言おうとしているのではない。デフ ォルメした表現としては正しいだろうし、全くの初心者に対する導入編とするならばこ れ以外の表現は見当たらないだろうも思っている。ただ、テレビ画面の中で、この様な 表現をされても少々困る、ということをこれから説明していきます。 アメリカンフットボールでは、今のプレーで何ヤード進んだのか、FD(ファースト ダウン)更新まで、どれだけ距離が残っているのか、あと何ヤード進めばTDなのかと いうことを常に考えていなければならない。もちろん、テレビ中継でもアナウンサー解 説者が、 「今のは○○ヤード進みました。FDまで、残り△△ヤードです。」 と言うが、必ずしも毎回ではない。プレーと関係ない話をしていることもある。そこで 次に頼りにするのが、画面下のテロップ表示だ。だが、これは次の攻守がセットされる まで表示されない。つまり、今のプレーでいくら進んだかは、次のプレー開始まで判ら ない。それでは面白くないので、結局、今の実際のプレーが何ヤード進んだかを映像か ら読み取らざるをえないのである。 ところが、日本のアメリカンフットボール中継では、ボールキャリアのアップが多す ぎる。画面をヘルメットと上半身で埋め尽くされては、どこまで進んだのか知る方法が 全くない。NHK−BS等で見ることの出来る本場の中継では、プレー中はフィールド に散らばった全てのプレーヤーをカバーした映像が流れる。そして、プレー終了後にス ローでボールキャリアのアップが映されるので、ボール位置をしっかりと認識すること が可能だ。だが、日本の場合、ほとんどがキャリアのアップだけなので、中継映像から ボール位置を認識することは、ほとんど不可能な場合が多い。おかげで、フィールドの 中央なのか、レッドゾーンなのか判らないままプレーが進む。 |
そして、ある時、なんの前触れもなく 「さあ、大変です。エンドゾーンまで残り12ヤードになりました。」 と、言われるから拍子抜けするのである。つまり、『4回で10ヤード進んだら・・』 の部分が判らないのではなくて、テレビ中継の画面からでは、フィールドのどの位置に 居るかが判らないというのが本質ではないだろうか。ゴツゴツぶつかり合っている場面 だけに終始していて、突然、 「TD!!6点が入りました。」 と、言われても、 「なんや?それ!!」 と突っ込みたくもなる。これが、アメリカンフットボールを判りにくくしている一つの 原因のような気がする。 そこで、どうすれば良いかというのが本論の予定だったのですが、少々感情的になり すぎたため、前置きが長くなってしまいました。そこで続きは次回ということで、ほん の少しだけお待ちください。 |
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