●私の好きな靴ブランド


★ジョンロブ・パリ

私は、靴好きでありながら、英国靴にはあまりいい印象を持ってはいませんでした。
英国靴としては皆が一押しする、エドワードグリーンの靴(リンク)があまりにも傷みやすかったからです。
それで、英国育ちのフランス資本のジョンロブ・パリも、買ったことはありませんでしたし、興味もわきませんでした。

しかしながら、プレーンな黒(コードヴァンに限らず)の内羽根式ストレートチップが欲しくなって、いろいろ物色していました。
内羽根式ですとJ.M.ウェストン、オールデンはあまりにもオーソドックスすぎるので、他のメーカも含めて洗練された雰囲気の靴はないかと考えていました。
そんな気分が強かったちょうどいいタイミングでパリに旅行に行ったのですが、ふとシャンゼリゼ近くのフランソワ1er通りのジョンロブに入りました。
何も飾りのないプレーンなタイプを探していたにもかかわらず、横1列にメダリオンが入ってはいますがエレガントで鋭い光沢を放つ靴が、私の目を引き付けました。
試着したところ、慣れているJ.M.ウェストン、オールデン程ではないにしろ、納得のいく履き心地でした。
そして、買ってしまいました。
それが、ジョンロブ・パリの代表作である、ストレートチップの「フィリップ」です。
さらには、シングルモンクの「マッタ」と、2000年ビンテージモデルのダブルモンク・U−チップを、買ってしまいました。

後で知ったのですが、この「フィリップ」はジョンロブの最高峰で、日本価格が140,000円です。
ちなみに、パリではシューツリー付きで4850フランですので、靴そのものは6万円弱で買える計算になります。
(J.M.ウェストン程ではないにしろ、内外価格差が大きいですネ)

(ジョンロブ・パリの代表作、通称「フィリップ」:2000.7.購入)

これでも、あまり光らせないようにしたつもりです。
つま先のみを純正シューワックスを使って、それ以外は純正デリケートクリームのみ使用。



●何一つ妥協していない完璧な芸術品

このフィリップは、カーフとは思えないような革の滑らかさといい、革のしなやかさといい、芸術品と言ってもいいような靴と思います。
しかも、左右の革質の差も全くなく、同じ牛の固体からの革で1足造ったのではないかとすら感じさせます。
細部の縫製がしっかりしているのはもちろん、目に見えないソールの芯(コルク?)まで、一切妥協しないでほとんどフルハンドメイドで造ったのではないでしょうか?
しかも、踵の部分の縫い合わせが全くない1枚革なので、後ろ姿もスッキリとして美しいです。
私の持っている靴で、踵の部分の縫い合わせが全くない靴は、フィリップのみです。
ちなみに、ジョンロブ・パリでも、フィリップ以外の定番ではモンクストラップ(通称「マッタ」)のみが縫い合わせが全くないそうです。
履き心地は、まだ慣らしの段階ですので断言は出来ませんが、これからよくなりそうな雰囲気を漂わせています。
耐久性は今後の経過を見ないとわかりませんので、本当に私が気に入るかはまだ先の判断となります。
実は、ジョンロブ・パリはこの1足しかありませんが、今後の靴の状況をみながら2足目を買うか決めようと考えています。

(縫い合わせが全くなく美しい踵部分)