イタリアで1980年に発表された、フィアットのベーシックカーです。
当時フィアットには126と127がありましたが、その中間を埋める新世代でFFの実用性の高いクルマを、ということで、すべての設計をイタルデザインのジウジアーロに依頼しました。
当時は、現代の2CVと呼ばれ、多様にアレンジできるリアシートやフロントのハンモックシートなど、ジウジアーロは内装もかなり腕を揮っています。
パンダは、デビュー当初、127のエンジンを積んだ45と、126のエンジンを積んだイタリア国内向けの30の2モデルがありました。この数字は、エンジンの馬力を示し、ちょっと前までのフィアット車のネーミングにもこれがついたモデルがありました。(ウーノ70SXなど)
1986年にマイナーチェンジ後45はなくなり、1000CLとか排気量を示すネーミングになり、同時にハンモックシートが一般的なシートに変わりました。4x4がデビューしたのも、この年前後です。
その後、CVTを使ったオートマのセレクタがデビューしましたが、近年残念ながら日本への正規輸入はなくなりました。しかしながら、まだまだパンダは生産しているようで、並行輸入で新車を手に入れることができるようです。
パンダは随分以前から気になって、欲しかったクルマです。ジムニー(JA11C)を買うときも、これにするか、パンダ(4x4)にするのか、悩んだし、その後も、他の店で45を見つけましたが、かなり高いお値段で、諦めたこともあります。
2001年7月に、いつものように、カー雑誌カーセンサーを立ち読みしていたところ、このパンダ45が(割と安い値段で)出ているのを見つけました。場所は、千葉県市川市のアレーゼZAG市川さんで、比較的自宅から近かったため、どんなものなのか様子を見に行ったら、いつの間にか契約して、帰ってきてしまいました(笑)。
…1986年製、青緑、55万円、検2年付き、カーステ付きという条件でした。
アレーゼZAG市川で決めたのは、車両本体価格が(他のパンダに比べても)安かったのと、見積もり時点で余計な費用(納車費用とか、わけの分からない項目の費用)が入っていなかったので、良心的なお店であると判断したためです。一人パンダをお持ちの店員さんもおりました。
合計金額は、70万円ほどでした。
このパンダは、外装はサビがあちこち出て、ぶつけた跡もありましたが、エンジンはすぐ掛かり、内装は非常にきれいでした。1オーナ車で、前のオーナは家族4人でのファミリーカーとして使っていたとのことで、以前は、どんな人が運転していたかが、分かっていると安心できます。タバコも吸っていなかったようで、室内の匂いもほとんどありませんでした。
メンテは、パンダのプロのAUTOPANDA
S.p.A.さんに出していたそうで、AUTOPANDA S.p.A.さんからは、手放すんだったら、自分のところにして欲しかったと、言ったとか言わないとか。(^^)
ZAGグループというのは、私は今まで知らなかったのですが、インターネットでは、評判の良いグループで、その意味でも安心できました。
今回の車検は、車検付き販売だったので、アレーゼZAG市川さんにお任せしました。実際整備されたのは、ZAGグループのフォードZAG一之江店です。こちらの整備も評判が良く、確かに直接話を伺っても誠意が感じられました。
また、さらに近くには、LADAや126でお世話になった、A.TRUCCOさんもありますので、特に整備に関しては、心配はしていません。
エンジンは素直に反応し、高回転まで気持ち良く拭けあがります。2CVやスバル360は高回転が苦手ですし、126やLADAはエミッションコントロールのため、アクセルレスポンスがいまいちなのです。それに比較しても段違いに良いし、キャブレターも良いと思います。後期型インジェクションモデルになったパンダでもキャブに改造するという人もいるくらいです。
比較的軽目な質量と大パワー(うちのクルマのなかでは)のため、加速も良いです。
その割には、エンジン音が静かなのが意外な点でした。
クラッチはつなぎやすく、半クラの短い126と違ってシフトに神経を使いません。ちょっとシフトの入りがかっちりしていないのが、弱点と言えるかもしれません。全速シンクロなのも操作しやすい点です。
室内は、他のクルマより圧倒的に広く、ハンモックシートも座り心地抜群です。
三角窓も付いています(このモデルまで)ので、夏でも涼しく運転できます。
サスペンションは、リアがリーフスプリング(板バネ)ですが、意外にも柔らかく、乗った中では、最優秀かもしれません。このサスペンションも後期型のΩサスペンションよりも信頼性が高いらしいです。