レビュー 『SONY 3Dヘッドマウントディスプレイ HMZ-T1』
Review:2011/11/11 発売:2011/11/11 販売:SONY

さぁきました、3DヘッドマウントディスプレイHMZ-T1様!

発表時点でその高スペックにガツーンと来て即ポチ、
一回も試遊しないで今日が初体験、さてその実力たるや。

ホワイト部分にはパールが入ってる感じなので、思ったよりも安っぽさは無い。

さて、まずはこのヘッドレストを調整するわけだが、
これはなかなか手間がかかる。
というのは、このHMD、ピントがきっちり合うスイートスポットはかなり狭い。
きっちりと筐体が固定される位置を探して試行錯誤、これにはけっこう時間を取られた。
要は筐体と目線がきっちりと平行になる位置を探せばいいのだが、
バンドの長さ調節が単にはめ込みをずらすだけの仕組みなので、かなり面倒w
このへんのコストは徹底的に省いてるねw

ただ、一回位置関係が決まってしまえばあとは耳脇のロックボタンで脱着は自由になる。
額のパッドと後頭部のバンドでの固定はけっこう安定感がある。ちょっとしたことでずれるけどねw

本機の価格を考えると、この固定システムはしょっぱいながらかなり良く練られてるんではなかろうか。
これだけシビアなピント位置を、これだけ簡便に脱着できるように作るのは
想像以上に難しいと思われ。強度も見た目以上にありそうだし、ちょっと感心。

ちなみに、本機は「遠くの画面を見ている」ことを眼に要求するので、
視力が悪いとピントは全く合いません。メガネなりコンタクトなり必須。
私はメガネ着用で装着しているが、額のパッドで本体と眼球にはわりとスペースが確保されるので、
メガネの使用は全く問題が無い。
ただしメガネ使用の際は、付属の二種のパッドのうち、初期状態の薄い方ではなく
分厚い方のパッドに交換したほうが楽。
また、私はメガネで矯正後の視力が0.7なのだが、それだとちょっとピンボケ気味になる感じ。もうちょい視力が欲しいかな。
あと、どうしても「レンズが一枚増える」ことでピント合わせがよりシビアになるので、
やっぱり裸眼なりコンタクトで使いたいね、これはw
コントクト作るかなぁ…w

本体下部右側にはメニュースイッチが存在。
本機は装着しちゃうと周囲はほぼ見えなくなるが、メニュースイッチはその状態でも
違和感なく操作可能。このへんの操作性はかなり良好。
ちなみに左側のパーツは着脱式ライトシールド、これがあると
外からの光はかなりシャット可能。
ただしこのパーツ、けっこう外れやすいので、
メガネ使用者はこれが外れないように装着するのはかなりキビシイw
部屋を暗くすればいらないパーツではあるが、使用するならテープか何かで止めちゃった方が
精神安定上よろしいかと。

 

さてやっとこさ装着して映像を観てみたわけだが、

この3D感はスゲェ!

とりあえずDT2を観てみたのだが、
左右干渉の無い3D映像がここまで強烈とは思わなかった。
立体映像、てな感じではなく、初音ミクのフィギュアが眼前で踊っているという感じ。

ミニチュア感は、こちら IMAX:Deep Sea 3Dもスバラシイ!
目の前に実在の魚のフィギュアが存在しているかのような感覚がシャレ抜きで味わえる。

いやほんと、左右独立ディスプレイで観る3D映像は素晴らしいの一言。
もうこの方式以外では3Dを観る気がしないw

ちなみに、スクリーンの見え方は、自分の感覚だと
「2mほど前に、幅2mくらいのスクリーンが存在している」くらいの感じかなぁ。
そこまでむちゃくちゃに大きなスクリーンサイズを感じるわけではないが、
並の家庭用TVよりはかなり大きく見えると思われ。
さらに、3D感がきちんとした映像を観ると、奥行きと飛び出しがかなり強烈なので
画面サイズ以上に広大な空間を感じる。この感覚は他の機械だとちょっと味わえない。

画質は有機ELだけあって発色や黒の黒さがカンペキ。
ただ、やっぱりハーフHDはちょっと物足りないかな。ゲームをやるとドット感をちょっと感じる。
SONY機らしく画質調整機能は豊富に揃ってるので、好みの絵は作りやすい。
応答遅延もゼロじゃないんだろうけど、気にするレベルではないんじゃないかな。
とりあえず、音ゲーのDT2で普通に押して普通にCOOLが取れるので、自分的には遅延ナシw

 

いちおうサラウンドヘッドホンは付いているのだが、さすがに音はイマイチw
使い物にならんとまでは言わないけど、
ココは素直にアンプから別途スピーカー出力が吉。
自分はいまPS3使用だが、音声設定をHDMI/光出力同時設定に変えれば
本機と外部スピーカーの併用は問題なし。
ヘッドホンのイヤーパッドはけっこう柔軟に位置調整ができるので、
耳を外に出すのも問題ナシ。

 

このマシン、いままでのヘッドマウントディスプレイとはかなり別次元。
特に3Dに関しては他の民生機はぶっちぎりでおいてけぼり。
まぁ、2Dで使うぶんにはムリしてコレを使う理由は無いけれどw
プロジェクター等ほど大画面には見えないしね。
しかし、有機ELの「黒は完全に黒」の特性を活かして「外枠」が全く邪魔にならないので、
装着中はかなりの没入感有り。映画鑑賞にはかなりイイ。

反面、ピント位置がシビアなのでかなりキツ目に装着をしないといけないので、
2時間〜3時間の装着しっぱなしはけっこうキツいかもねぇ。まだ試してないけど。
装着中は外部が見えないので、飲食もちょっとキツイ。
ライトシールドが無い状態なら下側はちょこっと見えるので、
ストローでもあれば飲み物はいけるかなw

この「外部が見えない」のがネックになるので、
本機はPS3との相性がものすごくイイ。なにせ、ゲーム用コントローラーは
手元が見えなくても何の問題もなく使えるからね。
あとはPSホームボタンからツイッターの書き込みでもできるようになると言う事無いんだがw

フルHDほしいなー、とかはやっぱり思っちゃうが、
第一世代機としてはかなりの完成度の高さじゃないだろうか。
使っててこんなにドキドキしたガジェットは久々だよ、ほんとw
現時点ではかなりの品薄で入手困難ではあるが、
3D映像好きなら何がなんでも押さえるべき。この3D映像はほんとにスゴイ。

あとは3Dの映像ソースがもうちょっと揃うといいかなー。
現状では選択肢がやっぱり物足りない。
アバター3Dふつうに売ってよー、アレは3D映像的には評判イイんだよねw

やっぱSONYの製品は面白いわ。


レビューTOPに戻る