「花蘇芳」
「改築が決まり、庭の八重桜は今年が最後、花見にいらしてください。」
友人からのお誘いに、江戸川区の「平井」に出かけました。
4月中旬、気持ちの良いお天気の日曜日です。
初めて訪ねる場所なので、物珍しく、ちょっとした旅行気分です。
改築が決まった友人のご実家は10年前までお蕎麦屋さんをされていたそうです。
案内状を頼りに探し当て、中に入ってみると、
テーブルのないがらんとした空間。お蕎麦屋さんらしく入って右奥には小上がりがあります。
人の気配がする奥に声をかけ、「こちらにどうぞ」と案内されたのは裏庭でした。
縁側では近所の人が数人集まりお茶を飲みながら、
「春が来る度ここでのんびり八重桜を眺めるのよ」
「今年で最後の花見になりますね。」
友人は忙しそうにお茶を出しておもてなしをしています。
私達も縁側に腰を掛けて中庭の見事な八重桜を眺めました。染井吉野の旬は過ぎ、4月中旬は八重桜の季節です。
主役の八重桜の隣に、気になる木がありました。
花の付き方が奇妙な花蘇芳。
幹に直接花が咲いていて
「赤紫色の亀の甲束子」がくっついている様に見えます。
珍しいので、記念撮影もしました。
この庭は改築のため年内には取り壊しになるそうです。
庭の木々はそれぞれに良い里親が見つかればと思います。
<後日談です>
数ヵ月後、友人から電話があり、
「花蘇芳を引き取ってくれるところありませんか?」
と、、急に言われても、、、、。
運良く、以前住んでた恵比寿3丁目に造園業の若者が見つかり
木を引き取ってくれる里親も見つかりました。次の春、亀の甲束子の様な花を付けた写真が届きました。
花蘇芳 2011年4月
青味がかったピンクです。
花蘇芳 2011年4月
幹に直接花がたくさん付いていています。
花蘇芳 2011年6月4日
葉はハートの形
花蘇芳 2011年7月23日
鞘に入った豆がなりました。