タンパク質・アミノ酸 |
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アンギオテシン変換酵素
阻害ペプチド |
■牛乳、肉類、魚介類、穀物などの食品中のタンパク質が体内の消化酵素によって分解されてできるペプ
チドで、血圧を下げる作用をもっています。
体内には血圧を上昇させる物質がいくつかありますが、アンギオテンシンUはその作用が大変強い物質
です。アンギオテンシンUはアンギオテンシンTにアンギオテンシン変換酵素が作用して作られるのです
が、この酵素は、同時に、血圧を下げる作用をもつブラジキニンという物質を分解し、血圧降下作用を抑制
します。ということは、つまり、アンギオテンシン変換酵素自体に強力な血圧上昇作用があると考えられる
わけです。 食品中のタンパク質に含まれるペプチドは、このアンギオテンシン変換酵素の働きを阻害す
ることで、血圧降下に働きます。牛乳のカゼイン由来のカゼインドデカペプチドやガラクトトリペプチドの降圧 効果が注目されています。 |
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エスリロポエチン |
■牛乳など、哺乳類の乳に含まれる糖タンパク質成分です。赤血球系の細胞の分化を促進するので、赤血
球を増加させるホルモンと考えられています。体内では主に腎臓で合成され、造血に働いています。栄養
状態に影響を受けやすいことがわかっていますから、貧血気味の人は牛乳の摂取を心がけると良いでしょ
う。
★造血作用
エリスロポエチンは赤血球を作り出す細胞の分化を促進し、赤血球を増やします。貧血状態になると、エリ
スロポエチンの血中濃度は上昇し、造血作用が活発になりますが、赤血球の数が正常の場合は、逆にそ
の濃度は低くなります。エリスロポエチンが赤血球の数をコントロールしていることが明らかで、貧血の予
防、改善に効果を発揮ます。
★上手に摂取するには
低タンパク食を続けるとエリスロポエチンの血中濃度が減り、造血能力が低下することが、動物実験で報
告されています。エリスロポエチンの働きをよくするためには、血液細胞を作るタンパク質を併せて充分
に摂る事が必要です。
■エリスロポエチンが多く含まれている食品
○牛乳 ○やぎ乳
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CPPカゼインホスホペプチド |
■ペプチドとはタンパク質が消化液によって分解され、アミノ酸になる途中で生じるものを指します。CPPも
その一つで、牛乳タンパクの主成分であるカゼインが膵臓で分泌されるトリプシンという消化酵素によって
分解されて生じるペプチドです。カルシウムや鉄などのミネラル類を溶けやすくして吸収率を高める働きを
します。
★動脈硬化の予防に有効
カゼインが体内で分解されると、様々な生理機能をもったペプチドが生まれます。その一つであるCPP
は、カルシウムを溶けやすくして吸収を助けます。カルシウムが不足してくると、不足を補おうとして骨から
解けでたカルシウムが血管の中にたまり、動脈硬化の一因となります。脳血管に生じた動脈硬化は、脳
梗塞の引き金となります。カルシウムは日本人に不足している栄養成分ですから、CPPの働きは大変重
要です。
★カルシウムの吸収率を高める
腸内でのカルシウムの吸収を促進し、カルシウム不足が原因で起こる骨粗しょう症の予防、改善に有効
です。
★CPPの作用
カルシウム、鉄などのミネラル類を溶けやすくする。乳製品がカルシウムの供給源としてすぐれているの
は、CPPの働きによるものです。
■上手に摂取するには
小魚や青菜に比べて乳製品がカルシウムの供給源として優れているのは、CPPが吸収率を高めてくれ
るからです。牛乳にはCPPのほか、CPP同様にカルシウムの吸収を促進する乳糖やビタミンDも含まれ
ています。牛乳を飲むと下痢する人は、乳糖を消化できないためですから、乳糖をあらかじめ分解してあ
る特別な牛乳を利用すると良いでしょう。牛乳が苦手な人はチーズを食べると良いでしょう。
■CPPを含む食品
●牛乳・乳製品 ●CPP添加食品
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リジン |
■必須アミノ酸です。体をつくるタンパク質の組成に不可欠で、タンパク質中2〜10%を含めています。
体の組織の修復や成長に関わるほか、抗体、ホルモン、酵素の合成などにも関与します。
リジンはブドウ糖の代謝や肝機能の増強に働きますから、不足すると、疲れがひどく集中力がなくなり
ます。目が充血したり、めまい、吐き気、貧血になるなどの症状がでることもあります。また、肝機能が低
下すると血中に飽和脂肪やコレステロールが増えやすくなります。
一般に、高齢の男性は若い人よりリジンを多く摂取する必要があります。単純疱疹(ヘルペス。唇や性器
のまわりにできる)のでている人もリジンを補給することで症状が改善されます。
リジンは、食品のタンパク質の中で最も制限アミノ酸(含有量が基準値に満たないもの)になりやすく、米
や小麦、とうもろこしなど穀物のタンパク質には特に不足しています。通常の食事をしていれば、過度に
不足することはありませんが、穀類だけを多く摂るような食生活では欠乏がみられます。肉や魚、卵など
の良質タンパク質を加えたバランスのよい食事を心がけて下さい。
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カゼイン |
■牛乳タンパクの約80%を含める成分です。単一物質ではなく、4種のカゼインの複合体で、大変栄養価
の 高い良質のタンパク質です。
カゼインは体内で分解されると各種のペプチドになりますが、これらのペプチドはカルシウムの吸収を促
進させたり、腸の蠕動運動を抑制する作用をもっています。また、回腸(十二指腸、空腸とともに小腸を構
成する消化管)平滑筋を収縮させる作用をもっていたり、免疫応答を増強させる働きをするものがありま
す。カゼインにはこのような機能性ペプチドを産出する素材としての役割が多大です。
★精神を鎮痛させる
カゼインが神経症によいのは、カゼインがアミノ酸に分解される途中で、各種のオピオイドペプチドが生
じるが、これらのペプチドには、精神の鎮静作用があります。オピオイドペプチドは、肉体的な痛みや精神
的な苦痛を癒し、神経症の改善に働きます。また、カゼイン由来のCPP(カゼインホスホペプチド)は、カル
シウムの吸収もよくするので、鎮静効果を高めます。
★消化器の機能を調節する
カゼインは体内で各種のペプチドに分解されて、様々な働きをします。消化管の機能調整、腸の蠕動抑制
のほか、カルシウムの吸収を促進する、免疫活性を高めるなどの効果もあって、体の土台作りに役立ちま
す。
★高血圧症を予防、改善する
カゼインを充分に摂ると血圧の上昇が抑制され、逆に不足すると高血圧から脳卒中へ移行する割合が高く
なることが報告されています。カゼインには体内でカルシウムの吸収を促進する作用があり、血圧を下げ、
高血圧を予防します。
★上手に摂取するには
牛乳に含まれるタンパク質の約8割がカゼイン。牛乳・乳製品を毎日欠かさず摂るようにしましょう。脂肪や
コレステロールが気になる人は低脂肪タイプを。
■カゼインを多く含む食品
●牛乳・乳製品
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グリシニン |
■「畑の肉」といわれるように、大豆には良質タンパク質が豊富ですが、そのタンパク質の約50%を含める
成分です。大豆タンパクを摂取すると、血清コレステロール濃度と血中トリグリセリド濃度の低下が起きる
事がわかっています。また、大豆タンパクが消化・分解されてできる、分子量が5000以上のものは胆汁
酸塩と結合しやすく、胆汁酸の合成やコレステロールの排泄が促進されます。
肉や卵は効率よく良質タンパク質が摂取できる食品ですが、動物性食品を多く摂ると、コレステロールや
中性脂肪の増加が心配です。多めに食べても体によい大豆タンパクを利用しましょう。
★コレステロール値をさげる、高脂血症に良い
グリシニンは大豆のタンパク質中の50%近くを含める成分です。植物性の大豆タンパクは肉や魚など動
物性のタンパク質に劣らない良質のタンパク質で、動物性タンパク質に比べてはるかに低コレステロール
です。大豆は食物繊維が多いことからも、中性脂肪やコレステロールの値を下げる事はわかっています。
★慢性腎炎によい
動物実験ですが、牛乳タンパクであるカゼインを大豆タンパクに置き換えることによって、慢性腎炎の進行
が緩やかになることが報告されています。グリシニンは、この大豆タンパクの約50%を含める成分です。
過剰に摂取することは控えなくてはいけませんが、グリシニンには血清コレステロールを低下させる作用
もあり、効果が期待されます。
★尿タンパクの量を低下させる、ネフローゼ症候群によい
大豆タンパクのグリシニンには血清コレステロールの低下作用があり、高コレステロールになるネフロー
ゼ症候群ではこれらの効果が期待されます。さらに、作用のしくみはあきらかではありませんが、ネフロー
ゼ症候群では、大豆タンパクの摂取によって尿タンパクの量が効果的に低下したという報告もあります。
★上手に摂取するには
グリシニンは大豆タンパク質の50%近くを含める成分で、カルシウムやマグネシウムによって凝固、沈
殿しますが、これを利用した食品が豆腐。さらに凍結・乾燥させたものが高野豆腐です。
納豆、湯葉、きな粉といった大豆製品からも摂取できます。大豆はタンパク質の利用効率でみても、肉や
魚、卵などに次ぐ良質のタンパク質で、しかもサポニンや食物繊維も含むため、コレステロール低下食品
としてネフローゼ患者にはおすすめの食品です。
■グリシニンを多く含む食品
●大豆 ●大豆製品 ●大豆タンパク商品(ソーセージ・かまぼこ・ハンバーグ・シューマイ
・がんもどき等) |
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グルタミン酸 |
■昆布などの海藻類やうま味調味料の成分として含まれているアミノ酸。
脳の機能を活性化し、知能を高める事で知られています。ほかに、精神分裂症やボケの治療にも効果を
上げています。ただし、長期の大量摂取によって、不眠、幻覚などの症状が出ることが報告されていま
す。
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グルテンペプチド |
■グルテンは穀類に多く含まれる各種タンパク質の総称。通常は小麦グルテンのことをいいます。小麦粉を
こねて水洗いすると灰褐色で粘っこい物質が得られますが、これがグルテンで、このグルテンを加水分解
して出来たペプチド(構造的に小さなタンパク質)がグルテンペプチド(別名エクソルフィン)です。ペプチド
にも種類があり、グルテンペプチドは、オピオイドペプチドというモルヒネのような鎮痛作用をもつ十数種の
ペプチドの集合体です。
鎮痛作用のほか、血圧の低下、胃液の分泌など、様々な有効な作用を担っています。また、食事の量を
増加させる作用もあり、やせすぎの人の症状改善に効果を発揮します。食品から得られる安全性の高い
生理活性物質として医薬品への応用が期待されます。
★食事の摂取量をふやす
食事の摂取量を増加させる作用があるので、やせすぎの人の症状改善に用いられています。鎮痛作用、
血圧低下、 呼吸抑制、胃液の分泌抑制、腸の蠕動抑制、食後の血中インスリンの増加など、様々な作
用を持つ成分です。小麦粉jのタンパク質であるグルテンに含まれます。
★上手に摂取するには
小麦粉に多く含まれる成分ですから、小麦粉を使った食品を積極的に摂ります。ご飯は食べにくくても、麺
類や麩ならのどを通りやすいので、献立に活用しましょう。スパゲティーやマカロニなどのパスタ類も、グ
ルテンペプチドを豊富に含んでいます。
■グルテンペプチドを含む食品
●小麦粉 ●パン ●麺類 ●小麦粉を使用した加工食品
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コラーゲン |
■動物の関節など、結合組織に多く含まれるタンパク質の一つで、加熱するとゲル化(凝固)します。食物
繊維の仲間でもあります。体を構成するタンパク質の30〜40%を含め、身体の形成や機能の正常化に
不可欠です。また、繊維芽細胞や軟骨細胞などの特殊な細胞でしかつくることができない物質です。
化粧品などに動物の結合組織から抽出されたコラーゲンが使われていますが、コラーゲンを含む食品を
摂取することで、体内での効果も期待できます。
コラーゲンは、細胞や組織をつなぎ、機能の活性を促し、皮膚や骨、目の老化を防止します。また、血管
に弾力を与えて丈夫にする、血小板と反応して出血を早く止めるなどの作用ももっています。さらに、がん
細胞に対する免疫強化に役立つこともわかってきました。
★肌を若々しく保つ作用がある
コラーゲンは、細胞や組織を結合させる機能をもつタンパク質の一つで、体の形成や機能の正常化に必
要不可欠な物質です。皮膚組織のうち、水分を除く70%がコラーゲンであり、酸素や栄養を皮膚に供給
し、老廃物を取り除くための重要な役割を果たしています。
コラーゲンが不足すると、皮膚の水分量が減り、みずみずしさが失われるとともに、老化が進行します。
コラーゲンを多く含む食品を積極的に摂る事で、肌のはりが回復し、老化を防ぐ事ができます。そのため、
動物の結合組織から抽出されたコラーゲンは、美容液やクリームなどの化粧品にも使用されています。
★老化防止に効果を発揮
コラーゲンは動物の体の中の結合組織に含まれるタンパク質の一つで、皮膚や目の健康を保つほか、
関節の病気や骨粗しょう症などの予防、さらに老化防止、がん予防にも効果があるとされています。
コラーゲンは年をとるとともに硬くなり、体内で作られる量も減少していきます。不足すると、肌のはりが
なくなる、白髪や脱毛がふえる。骨が弱くなる、血管の弾力性が失われるなどの障害があらわれ、高齢
者にとっては病気や老化の進行を早める原因になります。
★ガンに対する免疫機能を強める
動物実験ですが、コラーゲンは免疫機能を強化し、ガン細胞に対して効果のある事が報告されており、
がん予防に期待がかかります。
★上手に摂取するには
コラーゲンは鶏の手羽、ガラ、レバーのほか、ふかひれ、なまこ、豚足、貝類など中華料理によく使われ
る素材に多く含まれています。水に溶けやすく、煮込むとゼラチンになります。ゼラチンはコラーゲンを手
軽に摂取できるさいりょうの食品で、板状や粉状の物が市販されているので、これらを利用すると便利で
す。コラーゲンは水に溶けるので、よく煮込んで煮汁も一緒に食べるか、冷やして煮こごりにして食べる
と効率よくとれます。あくや脂をすくいとってもコラーゲンを捨てることにはなりません。腎不全や肝硬変な
ど、タンパク質を制限する必要のある人は、摂り過ぎに注意。また、体内でのコラーゲン合成能力をアップ
させるために、ビタミンC、鉄分を同時に摂る事をお薦めします。
■コラーゲンを多く含む食品
●鶏手羽・ガラ・胸肉・砂肝・レバー ●牛すじ ●豚ひき肉・豚足・スペアリブ ●マトン
●かれい・えび・貝類・ふかひれ
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シスチン |
■牛肉、羊肉、牛乳、さけ、オートミール、小麦粉などに含まれる含硫アミノ酸の一つです。
体内では、ブドウ糖の代謝に関わるほか、傷のなおりを促進します。また、顕著な解毒作用が認められて
いますがこれは、代謝されるとイオウを出して他の物質と反応するからです。銅などの有毒金属や、喫煙、
飲酒によって生じる活性酸素を排除します。また、治療を目的に必要量を摂取すれば、X線や放射線の害
を防ぐ事がわかってきました。
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レクチン |
■豆類とジャガイモなど、一部の野菜に多く含まれています。レクチンには赤血球を固まらせる作用があ
ります。そのため、植物以外のものからレクチンと同様の物質が発見される以前は、植物性赤血球凝集
素と呼ばれていました。体を構成する細胞を包んでいる細胞膜の表面には、糖の複合体である糖タンパ
ク質や糖脂質があり、レクチンはこれらと特異的に結びついて、この細胞を活性化させます。糖の複合体
に作用し、それを凝集、沈殿させる働きをするのです。その結果、細胞に付着した有害な細菌などの繁
殖を抑制します。また、レクチンの作用を受けた細胞は、リンホカインや免疫ブロブリンを作り出し、細胞
を分化させて免疫機能を高めます。レクチンには免疫系を増強、活性化する作用があるわけですが、あ
る種のレクチンには有害な微生物を排除し、がん細胞の増殖を抑制する働きがあることが明らかになっ
ています。
★免疫系を増強する
レクチンは、豆類などに含まれているタンパク質です。リンパ球の表面にある糖タンパク質を特異的に結
びつき、活性化させます。活性化されたリンパ球は、種々のリンホカインを作り出す、リンパ球を分化させ
る、免疫グロブリンを作る、などによって免疫機能を強化します。
★免疫を活性化する、レクチンは肺炎によい
レクチンは、免疫によって作られた抗体と同じような働きをする物質で、細胞膜の表面にある糖タンパク質
や糖脂質と特異的に結びつくことの出来るタンパク質です。糖の複合体に作用してそれを凝集・沈殿さ
せ、 その結果、体内に入ってくる細菌などの異物にダメージを与えて撃退します。
★上手に摂取するには
レクチンは豆類やジャガイモに多く含まれるので、これらの食品を多く摂るようにします。食欲がなくての
どを通りにくい時には、インゲン豆やジャガイモのポタージュなど汁気の多い料理や、マッシュポテト、豆
腐料理などにして。
■レクチンを多く含む食品
●豆類 ●じゃがいも
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タウリン |
■貝類、いか、たこ、魚の血合いに多く含まれるアミノ酸の一種です。肉類にはごく微量しかありません。
タウリンには交感神経抑制作用があるため、食塩由来の高血圧を改善します。従って高血圧が原因の脳
卒中、心臓病、肝臓病の予防に効果があります。また、タウリンには心臓から出て行く血液の量を増やし
たり、心筋の収縮力を高めてうっ血性心不全を防ぐ働きがあり、心不全の治療に医薬品として用いられて
います。肝臓にも有効で、胆汁酸の分泌を促進する、肝細胞の再生を促進する、細胞膜を安定化するな
どの作用があります。胆汁酸はコレステロールの排泄を促しますから、体内のコレステロールを減らし、
コレステロールが原因の胆石症を防ぐ事が出来ます。このほか、タウリンには気道の収縮を抑制する作
用があり、気管支ぜんそくにも効果があります。タウリンはキチン・キトサンなどと同じように、全身の機能
を高める事によって、病気に対する抵抗力を増します。過剰症も特にありませんから、様々な病気や症状
の改善と予防に、タウリンの豊富な食品をおおいにt利用するとよいでしょう。
★血圧やコレステロール値を下げる
タウリンには交感神経抑制作用があり、食塩によって引き起こされる高血圧を改善する事が明らかで
す。つまり、高血圧が誘因となる虚血性心疾患の予防、治療が有効となります。また、胆汁酸の分泌を
促進する作用も見逃せません。 胆汁酸はコレステロールを排出しますので、動脈硬化を予防し、心臓病にもよいということになります。
★心臓の機能を強化する
心臓から拍出される血液の量を増加させ、心筋の収縮力を高めて、うっ血性心不全を予防、改善させる事
が報告されています。
★コレステロールを減らし、血栓を防ぐ
タウリンは肝臓で胆汁酸の分泌促進し、肝臓の機能を高めます。胆汁酸にはコレステロールを排泄させる
働きがあるので、血中コレステロールを下げ、血栓を防ぐ効果が認められています。従って血栓が原因で
起こる動脈硬化症には有効です。
★血糖値を下げる
タウリンには、血圧やコレステロールの低下、肝機能や新機能の強化などの作用のほか、膵臓からインス
リンの分泌を促進し、血糖値を下げる効果が期待できます。
★肝臓の機能を強化する
タウリンは魚肉中に多い含硫アミノ酸の一種で、肝臓の機能を強化するのに有効です。かんぞうの障害時
に過酸化脂質ができるのを抑制したり、胆汁分泌促進作用などにより、肝機能異常を改善します。慢性肝
炎で対症療法として用いられる肝庇護剤にもタウリンが使われています。
★胆石の形成を抑制する
タウリンは、血中コレステロール値を下げ、胆石形成を抑制するように働くという報告があり、胆石のリスク
を軽減する効果が期待されます。含硫アミノ酸のメチオニンにも、同様の効果が報告されています。
★気道の収縮を抑制する
ぜんそくは、何らかの刺激によって気管支と気道が収縮し、狭くなる為に発作が起こります。ぜんそく患者
は気管支が非常に敏感なため、普通の人には何でもない刺激に対しても、敏感に反応します。タウリンに
はこの気道の収縮を抑制効果が認められています。
★上手に摂取するには
タウリンは貝類やいか、たこ、魚の血合いなどに多く、肉類にはごくわずかしか含まれていません。痛風の
人でないかぎり、摂りすぎの心配はありません。タウリンを多く含む魚介類は、かってはコレステロールが
多い食品として敬遠されていまし たが、その後コレステロール含有量が修正され、しかも、タウリンがコ
レステロールを低下させるので、過剰摂取を気にする必要はないとされています。
■タウリンを多く含む食品
●さざえ ●やりいか ●とこぶし ●帆立貝 ●まぐろ(血合い) ●たこ ●たい ●ずわいがに
●あさり ●あじ |
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トリプトファン |
■必須アミノ酸の一つで、牛乳から発見されました。さまざまな食品のタンパク質に微量ながら含まれてい
ます。 トリプトファンは脳で、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムとともに、セロトニンという、鎮痛、催
眠、精神安定などの作用を持つ神経伝達物質をつくります。また、脳に刺激を与える伝達物質のドーパミ
ンやノルアドレナリンの合成にも関わっています。
アメリカではトリプルファンをうつ病や不眠症の治療に利用しようと研究が進み、効果が期待できるとされ
ますが、長期の使用は肝臓の脂肪に変化を起こす事も判明しています。
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βーカモゾルフィン |
■昔から、母乳を飲むと赤ちゃんはよく眠るといわれます。このことから、母乳のなかには精神を安定させる
物質が含まれているのではないかと研究され、β-カゾモルフィンが認識されました。
β-カモゾルフィンは鎮痛作用のあるオピオイドペプチドの仲間で、ミルクはオピオイドペプチドの宝庫とい
えます。牛乳を飲むことだけで、どの程度の薬理効果があるのか、また、これらのペプチドが腸管からどの
くらい吸収され神経系に達するのかなど、詳しい事はわかっていませんが、β-カモゾルフィンには、次の
ような生理作用のある事が実験などによって認められています。
脳内投与により、鎮痛作用をあらわし、苦痛を緩和する。経口投与により、食後の血中インスリン濃度を
上昇させる。また、食物の腸管滞在時間を長くするので消化・吸収効率を上げるなどです。 副作用はありあませんから、眠れなかったり、イライラする時などに利用するとよいでしょう。
★消化吸収を促進する
食べ物の腸管通過時間を延ばして消化吸収を良くする作用があります。ほかに、インスリンを増やして
血糖値の上昇を防ぐ、精神を安定させる、免疫力を高めるといった効果が認められています。
母乳やミルクを飲んだ乳児がすやすやと眠るのは、このβ-カモゾルフィンの効果によるものと考えられ
ており、精神的にもゆったりとさせて吸収を高める効果が期待できます。
★上手に摂取するには
牛乳のタンパク質に含まれる成分ですから、つとめて牛乳、乳製品を摂るようにします。
■β-カモゾルフィンを多く含む食品
●牛乳・乳製品
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メチオニン |
■必須アミノ酸の一つで、イオウを含む含硫アミノ酸です。アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの血中
濃度を低下させる作用があります。ふだん、体内でヒスタミンは非活性ですが、けがをしたり、薬や食品に
反応すると活性化して血管を拡張させ、かゆみや痛みを引き起こします。ひどい場合はアレルギー症状
になるのですが、メチオニンはこのヒスタミンの作用を防ぎます。
また、メチオニンは抑うつ症状に抗うつ剤として即効性があるとされ、分裂病の症状を改善する場合もあ
ります。不足すると、尿を作る機能が低下し、むくみがあらわれます。また、動物実験では、血管壁への
コレステロールの沈着、動脈硬化、抜け毛が見られたと報告されています。
★抗脂肪肝作用がある
肝臓の細胞をはじめ、肝臓内で各種の代謝に活躍する酵素も、脂肪を肝臓から運びだすリポタンパクも、
すべて タンパク質でできているため、高タンパク食は肝臓病食の基本です。
人の体のタンパク質に不可欠な必須アミノ酸の一つであるメチオニンは、肝臓の健康のために重要であ
り、抗脂肪肝作用や肝臓の解毒作用を高める働きもあります。
★上手に摂取するには
必須アミノ酸のどれか一つが不足すると、そのレベルまでしか働きません。良質のタンパク質を含む肉、
魚、卵、牛乳、豆腐などの食品を組み合わせて、バランスよく摂りましょう。
■メチオニンを多く含む食品
●牛乳 ●レバー ●小麦全粒粉
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ラクトフェリン |
■母乳や牛乳など、哺乳動物の乳や唾液、涙などの分泌液に含まれる、抗菌作用のある糖タンパク質で
す。乳児が感染症などの病気にかかるのを防いでいます。体内で、微生物は鉄と結び付く事で増殖する
のですが、ラクトフェリンが先に結びつくため、有害な微生物は鉄を利用出来ず、増殖を阻害されるわけ
です。ラクトフェリンは大腸菌の増殖は抑制し、有用なビフィズス菌をふやします。さらに炎症を抑え、免疫
を増強する働きがあります。
★抗菌・免疫増強・炎症抑制作用
ラクトフェリンは胆のう炎、胆管炎によい。 ラクトフェリンは鉄と結びつく性質により抗菌作用を発揮しま
す。微生物の増殖に必要な鉄と結びつくので、微生物が利用できなくなります。さらに、白血球のうち好
中球の数を保ち、免疫機能を増強します。炎症部位では、炎症抑制も認められています。
★炎症を抑える
肺炎は肺組織に炎症を起こす病気ですが、ラクトフェリンには炎症を抑える働きがあります。また、抗菌
作用も認められています。体内で細菌などの微生物が成長するためには鉄が必要ですが、ラクトフェリン
には鉄と結合する性質があるため、微生物を鉄を利用できなくなります。
★上手に摂取するには
牛乳や乳製品で摂ります。牛乳をそのままでなくても、チーズやヨーグルト、アイスクリームなどの加工品
でもよい。
■ラクトフェリンを含む食品
●牛乳・乳製品
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ラミニン |
■アミノ酸の一種。昆布やわかめなどの褐藻類に含まれ、血圧降下剤のように血圧を下げる作用が明らか
にされています。ただ、この作用は一時的なもので、昆布一片を摂ったくらいでは、血圧を低下させるには
量が不足しているとも報告されてます。ほかに、動脈硬化を防ぐ作用がある事も認められています。
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ロイシン |
■必須アミノ酸の一つで、1日の必要量が必須アミノ酸中最大です。しかし、肉類や乳製品をはじめとして、
い ろいろな食品に含まれていますから、不足することは、まずありません。
おもな作用は肝機能増強です。過剰に摂取すると、ほかのアミノ酸(イソロイシン、バリン)とのバランスを
崩し、免疫力を低下させます。
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