イースII ANCIENT Ys VANISHED THE FINAL CHAPTER

1988年、ARPG、日本ファルコム

○ストーリー(イ−スエンディングより)

朝日が昇ろうとしていた。 空は次第に明るみを増し、
塔の輪郭が浮かび上がってくる。
解き放たれたように鳥が鳴き始め、
魔物の姿は潮の引くがごとく消えていく。
アドルの心は、旅を終えた充実感に満ちていた。
すべてがやすらぎに満ちていた。
その中で彼は、長きに続いたイースの歴史を眺めている。
本に書かれてあったことが次々と現れては消えていき、
やがて女神の姿が浮かんできた。
その顔はおぼろげだったが、アドルは不思議と
その二人を良く知っているような気がした。
アドルが静まりかえった地上を見おろすと、
そこにはジェバの家がひっそりとたっていた。
フィーナの記憶は、もう戻ったろうか?
地上に帰ったら、真っ先に彼女に
これまでの出来事を話してやろうと思った。
どこからともなく眩い光があふれ出し、アドルを包んでいく。
まるで、その光は、彼を祝福しているかのようであった。

そして、アドルの新しい旅が始まる・・・・・・

○内容、感想

8ビットパソコン時代の最高傑作と言っても過言ではない作品です。
「優しさ」をテーマにした「イース」の続きであり、「優しさから、感動へ」というコピーが示すとおり感動的な作品でした。
ストーリー展開、絶妙な難易度、変化に富んだ世界、美しいグラフィック、FM音源を極限まで駆使したサウンド。そのどれもが当時、最高の出来でした。
ストーリーはイースの中心部「サルモンの神殿」を目指しながら進んで行きます。一本道ではありますが、やらされている感じは無く。自分の意志で進んでいるように感じます。
難易度も少し悩ませてくれる、ちょうど良い物でした。ただサルモンの神殿の広さとマップの複雑には苦労させられました。
BGMは曲として素晴らしいだけでなく、その使われてるシーンに合っていたので、さらに印象に残っています。私が特に好きなのは以下の3ヶ所です。
まず、始めの方のシーンで、「イースの本」を女神像に返すシーンで流れる「REST IN PEACE」。この曲は「イース」のラストシーン、ダルク=ファクトを倒し、最後のイースの本「ファクトの章」を読むときに流れている曲です。この曲を聞いたときにイース1,2の繋がりを実感しました。
次は、サルモンの神殿内の「鐘つき堂」です。5回鐘が鳴る前に最上階にたどり着かないと「マリア」が殺されてしまう。という手に汗握るシーンにぴったりと合った、緊張感のある曲でした。途中で鳴る鐘の音も良い音でした。
そして、一番好きなのは、ラスボスの前のシーンです。サルモンの神殿最深部で捕らえられた2人の女神を前にしたアドル。そこに「そうはいかねえぜ!!魔物さんよ!!」という声とともに「ドギ」「ルタ=ジェンマ」が助けにやってくるシーンで流れる「DON'T GO SO SMOOTHLY」にはしびれました。それまではメロディの無い、機械音のようなBGMが流れていて、上記の台詞とともにBGMが切り替わり、勇ましい曲になります。その瞬間がとても印象深いです。で、その後、「銀のハーモニカ」を渡されたアドルが吹く「FEENA」も感動的でした。
当然、それ以外のシーンで流れるBGMも素晴らしいものでした。

そして、エンディングも感動的でした。これほど物語に感動させられたゲームはこの「イースII」以前にはありませんでしたし、これ以降の作品でもそうそうお目にかかれる物では無いと思います。黒真珠を封印するために石像なるフィーナ、夕日をバックにイースを見上げるアドル、2人の心にはどんな思いが駆けめぐっていたのでしょうか・・・

さて、私がプレイしたのはFM77AV版でした。このAV版はオープニングとエンディングが専用に作り直されていて、256色で描かれた美しいグラフィックを見ることが出来ました。特に多重スクロールの雲の中を浮かぶイースが美しかったです。
また、オープニングの長さが88版より少し短く(内容は同じ)、BGMの終端にきちんとあったタイミングで終わるようになっていてかっこよくなっていました。
88版より遅い発売でしたが、待つ甲斐のある素晴らしい出来でした。

↓パッケージです。

パッケージ表 パッケージ裏

○ゲーム画面

 スタート地点
 ラスボス、ダームとの戦闘

 オープニングの1シーン、雲に浮かぶイース
 
  感動的なエンディングのシーン。
 
 
  

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