HYDLIDE3

1987年、ARPG、T&ESOFT

○ストーリー

 悪魔のようなエビルクリスタルが砕け散って以来、人々は怪物に襲われる心配もなくなり、平和に暮らしていきました。その間に攻撃的な魔法の呪文は、その必要を失い、人々の記憶から忘れられていきました。反面、生活に役立つような魔法の呪文は、人々の生活そのものの中に溶け込んでいったのです。
 この地、フェアリーランドは人間と妖精とが共存する美しい世界でした。しかし、人々の生活が豊かになるにつれて、妖精たちの姿はだんだんと見られなくなってしまいました。そう、まるで人間だけの世界のようになってしまったのです。
 そんなある夜、地響きとともに巨大な火柱が立ち上りました。そして、何事もなかったように、その夜は過ぎていったのですが・・・。
 翌日、フェアリーランドに不思議なとびらが出現していました。このとびらは、中を通った人をどこか遠くへ飛ばしてしまうのです。それ以外にも、フェアリーランドに地割れが出現するなど、天変地異が起こるはずのないこの地では、絶対に考えられなかったような事態が次々と起こり始めました。
 これを重くみた修道僧たちは、原因の究明を一人の若者に命じたのです。自らの世界を守るために冒険に旅立つ若者、それがあなたなのです。

○内容、感想

ハイドライドシリーズの完結編です。今までの2作品もグラフィックは綺麗でしたが、この3ではより美しくなり、視点もトップビューに近くなり、キャラクターの頭身もリアルになりました。そのため、見た目はかなり変わっています。
BGMもあまり派手さはありませんが透き通った感じの良い曲が多かったと思います。
また、攻撃方法も体当たりするだけから、スペースキーを叩いて、攻撃する方法に変わりました。飛び道具もあり、よりアクションの要素が高まりました。
世界も、200階建てのハーベルの塔、天空の町、宇宙船など、前作までに比べて、かなりのひろがりのあるものになりました。
宇宙船や最後のダンジョンなどはかなりSFっぽいというか機械っぽい感じで、ふとレイドックの背景を思い起こさせるような感じがあります。
そして、この作品の特徴とも言えるのが、重さの概念と時間の概念だと思います。
他にも重さや時間のあるRPGはありますが、これほどシビアなものは無いと思います。
まず、時間に関しては、昼には食事をとらないと、体力が減るし、夜もきちんと寝ないと弱っていきます。
重さに関しては、敵を倒して行く内に小銭が貯まって動けなくなるとか(両替機なんてアイテムがありましたからね。)、良い剣を見つけたが持ってみたら動けなかったとか言うことがありました。
経験値稼ぎ、お金稼ぎ、ダンジョンマップもかなり歯ごたえのある難易度でした。
「I」,「II」ではエンディングはとても簡素なものでしたが、この「3」は結構な長さのある感動的なものになっていました。
「言ったでしょ?不思議が当然、フェアリーランドってね。」
という台詞は印象に残るものでした。
さて、ハイドライドシリーズはどれも好きなのですが、あえて順序をつけるなら「I、II、3」の順になります。(チャレアベでもこんなことをやってましたね。)
なんで、「3」が一番下かというと、グラフィックにほのぼのした感じが無くなってしまった(「3」のグラフィックが嫌いなわけではないです。)のと、草原でじっとしていても体力が回復しなくなってしまったのが主な原因です。
ちょっと文句を書いてしまいましたが、十分に楽しませてもらいましたし、この「3」はハイドライドシリーズを締めくくるにふさわしいものだったことは間違いないと思います。

↓パッケージです。(このパッケージ写真は来栖さんに提供していただきました。)
パッケージ

○画面写真

MSX2でかなりがんばっている画面
200階建てのハーベルの塔

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