1990年、SHT+RPG、MICRO CABIN
・エピソード(Xak Iより)
それは聖歴753年のある日のことでした。
森の泉に水をくみに出かけた私は、泉のほとりでモンスターに襲われ、大ケガをしてしまいました。
その時にやってきたのが、ラトク・カートその人でした。
彼はあたりにいたモンスターを蹴散らすと、私に声をかけてくれました。
「君、もう大丈夫だよ。あぁ、こんなにケガをして。よし、背中に乗りなさい。」
それから、病院までの間は夢の中にいるようでした。でも、私を病院に預けると彼は風のように去って行ったのです。
「使命があるんだ。」と言って。
それからの活躍はみなさんご存じの通りです。王家の聖域に向かった彼は、幾多の試練を乗り越えて、妖魔バドゥーを倒しました。
そして、あの日から彼は私の心の一部に、いいえ、すべてになったのです。
・インターミッション(フレイの決心)
そう、あの日はラトクが帰ってきてから数日が過ぎていました。
「ラトクのために何かをしたい。」という思いでいっぱいになった私は、エンドラさんの所へ相談に行ったのです。エンドラさんは、私が魔法使いとしての才能に恵まれていることを教えてくれました。そして、魔法都市ミルセイアののの魔法学校(マジック・アカデミー)への入学を薦めてくれたのです。これはつらい選択でした。なぜなら、ラトクのために入学するということは、同時にラトクと離れなければならないということでしたから。
でも、私は決めました。”前向きに進め”と父に教えられてきたのですから・・・。
それから、ひと月の後、私は魔法学校に向けて旅立ったのです。
・インターミッション(修行の日々)
学校では、たくさんの友達もできて楽しく過ごしました。
ただ、ラトクと会えないのがさみしくもありましたけど。
毎日の授業も楽しく、先生方も良い人ばかりでした。中でも若手No.1のミル魔導士のはなしには、ことかきません。例えば、テレポートの魔法を教えているときのことです。
ミルは(ミルは先生と呼ばれるのがはずかしいそうなので、みんなミルって呼んでいます。)「じゃあ、今からあの建物の上にテレポートしますから。」と言ってテレポートしたのに、現れたのは隣の建物だったのです。「ごめんなさい。イメージしそこねたみたいですね。」と、まあこんな調子です。でも、魔力はダントツにあるんですよ。
そして、3年の月日が流れていきました。
・プロローグ(フレイの旅立ち)
魔法学校を卒業し、フェアレスの町に帰り着いた私を待っていたもの、それは一通の手紙でした。
私を残して旅に出たラトク・カート。
その事実を知ってショックを受けたのは言うまでもありません。でも、そんな私をエンドラさんとエリスが励ましてくれました。
エリス「フレイ、ラトクを追いなさい。あなたはラトクに会いたいんでしょ。」
エンドラ「あなたの力を信じなさい。どんなことも出来るはずです。」
2人の励ましを受けて、私は心を決めました。私はラトクに会いたい、そのための力もある。だから、追いかけて共に旅をするんだ。そう心に決めると。急に体が軽くなりました。
そして、私は旅だったのです、冒険の旅へと。
この作品はマイクロキャビンのアクションRPG「Xak」シリーズの外伝にあたるもので、シリーズを通してのヒロイン”フレイ”(本名フレイア・シェルバーン)の冒険を題材にしたRPG風縦スクロールシューティングです。スクウェアの「キングスナイト」やT&Eの「アンデットライン」と同じ様な感じのゲームですが町もあり、買い物などもできるのでRPG色が少し強くなっています。
装備(杖、楯)を替えると攻撃や防御力が変わります。また、スクロールを使うと派手な魔法を使うことが出来ます。
Xakシリーズなのでマイクロキャビンが誇る「VRシステム」を搭載していて、普通のハーフトップビューのゲームよりは立体感を感じることが出来ます。でもこのゲームの場合はキャラの頭身が低いので他のXakシリーズほどの価値は感じません。
内容としては主人公が女の子だけあって(ギャルゲーか?)、ほのぼのとした雰囲気で敵キャラもギャグっぽいものもあり、明るく楽しい感じになっています。が、ゲームの難易度はXakシリーズだけあってそれなりに高くできています。
MSX2以降版とターボR専用版があります。ターボR版は動作速度が速いのとデモシーンでしゃべるのが売りでした。MSX2でやると動作速度が遅くて辛いです。
↓パッケージです。ターボR版はピンク、MSX2版は青いパッケージでした。
町のシーン、ここで買い物などが出来る。
戦闘中。顔の表情で体力を表現