デゼニランド

1984年、ADV、ハドソンソフト

○ストーリー概略

埼玉県知事である岡田ダメ男は、かねてより宿敵千葉県の目玉、東洋一の巨大遊園地を大いに意識していた。彼は千葉、埼玉の争いにピリオドを打つため、世界一の遊園地を建設する計画をたてた。それが県知事から国会議員という栄光の道への第一歩であると彼は確信した。
そこで彼は建設予定地の大事主である「三月伸一」氏に土地を提供するように依頼したが、いくら金を積んでも三月氏は首を縦に振らなかった。
業を煮やした岡田は殺し屋を雇い、三月氏を自殺に見せかけて始末した。
こうして100万平方メートルの土地は岡田の計画通り巨大遊園地「デゼニランド」に利用された。埼玉県の誇りであるデゼニランドは大人気を博し、千葉県民、東京都民を始め、誰も埼玉をダサイとは言わなくなった。
岡田はもうけた金でデゼニランドの隣にホテル「エンペラー埼玉」を建てようと工事を始めたところ、江戸時代のものと思われる箱が出土した。その箱には三月家い代々伝わる「三月磨臼」と呼ばれる純金の臼のありかを示す地図が納められていた。岡田は、さっそく三月磨臼を掘り出しデゼニランド内に隠した。
だが、その岡田も三月氏暗殺を依頼した殺し屋に殺される。三月氏は死の前に殺し屋に三月磨臼を手に入れたものを殺すように依頼していたのだった。
その後、この殺し屋をはじめ、ウワサを聞いた多くの人間が三月磨臼を求めデゼニランドに入ったが、岡田のワナにはまり、誰ひとり生きて返っては来なかった。果たしてあなたは「三月磨臼」を探し出すことができるか、それとも、他の人と同じ運命をたどるのか。

○内容

デゼニランド内の5つのパビリオン(瀬戸内海の海賊、ジャングルクローズ、ホラマンション、スペースリバー、梅下館)をまわり、三月磨臼を見つけだし、無事に脱出するのがこのゲームの目的です。

デゼニランドは、今は絶滅してしまったコマンド入力方式(しかも英語のみ)のアドベンチャーゲームです。
 コマンド入力方式とは行動をする際に自分で単語をキーボードから入力するものです。大抵は「動詞+名詞+使用アイテム」と言った感じで入力しました。(例 鍵でドアを開ける OPEN DOOR KEY)
今ならコマンドを一覧から選択する「コマンド選択方式」か画面内をカーソルで示して表示されたコマンドを選択する「カーソル指定方式」(勝手に命名)や、それの複合型ですが、当時のパソコン用アドベンチャーゲームではコマンド入力方式がメインでした。新しい画面に出ると、まずは「LOOK」と入力して何があるか見ます。すると「ツクエ(TABLE)ト エ(PICTURE)ガアリマス ドウシマスカ?」などと表示されるので、「MOVE PICTURE」の様に思いついた行動をしてみます。「キャビネット(CABINET)ガ デテキマシタ」というように変化があれば成功です。対応していない行動、例えば「EAT TABLE」なんてすると。「ソレハデキマセン」とか「TABLE ヲ EAT デキマセン」などと素っ気ない返事が返ってきます。そこで単語探しという作業が発生するわけです。この単語探しが楽しさと苦しさの紙一重のところにあり、対応単語の多さがそのゲームの評価の一部にもなります。
 当時小学生だった私は和英辞書で単語を調べながら遊んでいました。かなり難易度が高く結局クリアーするのには1年以上かかったと思います。なんといってもデゼニランドに入るのに1ヶ月くらい悩んだはずです。
何をすればいいかを考えるだけでも難しいのに、所々に受け付ける単語(動詞)の少ない部分があり、それがよけいに難易度を上げていました。(やった人は、あぁあそこだなと思うでしょう。そうホラマンションのあそこです。)
今だったらクソゲー呼ばわりされてしまいそうな内容な気もしますが、当時パソコンでゲームをしていた人のほとんどがやったことがあるのではないかと思われるこのゲームは紛れもなく名作だと私は思います。

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↓パッケージです。「アドベンチャーもBASICからマシン語の時代へ」「かつてない114画面展開」などのコピーが泣かせます。しかしこの人達は誰なのでしょう?

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