DEATH BRINGER

1988年、RPG、日本テレネット

○ストーリー

神々の黄昏
遥かなる昔、神々は人間と共に地上に暮らし、に飛びとはその偉大な力の恩恵を受けて平和に暮らしていたと言われている。神々の操る偉大な魔法は魔物達を遠ざけ、嵐をしずめ、およそすべての厄災から人間の生活を守ってくれていた。人々は神に感謝しながら自らの生活を謳歌し、神々自身もこの平穏の時が永久に続くものと信じて疑わなかった。
 破局は突然に訪れた。一人の邪悪な神が自らが最高神であると宣言し、他の神々に服従を求めて戦いを挑んだのである。混沌の時代が訪れた。神々は調和を失い、邪神に追従する者、新たに最高神の座を求める者が現れて凄惨な戦いが繰り広げられた。魔物や人間も例外ではなく、次々と戦いの渦に巻き込まれていった。
 永遠かとも思われた戦いが終わったとき、邪神をはじめ、多くの神々が滅び去ってしまった。後に残されたものは傷つき疲れた神と、戦乱の爪痕に喘ぐ人間達だけであった。わずかに残った神々は、自分たちの力が再びこの世界を崩壊に導くことを恐れ、この世界を去ることを決意する。そして、この世界を去るにあたって、人間がこれから自分たちの力だけで生きていけるよう、魔法の力を分け与えた。やがて、神々が一人、また一人と遥かな地へと去り、人間の時代が始まったのだ。

人間の時代
悠久の時を経て人間達は繁栄の時代を迎えていた。人々は集まって国家を築き、豊かな暮らしは文化を芽生えさせていた。魔物達は荒野に身を隠し、ときたま起こる戦いも騎士の名誉の元に行われ、この繁栄の時代を揺るがせるものではなかった。
 しかし、魔法だけは時代に取り残されたように、発展する気配すら見せなかった。人々は、神がその力を人間に与えなかったからだと考え、より偉大な魔法を求めることは神の意に逆らうことだと信じていた。けれど、一部の魔法使い達は、偉大な魔法の魅力に取り付かれ、日夜魔法の研究にはげみ、神々の遺跡を求めて辺境の地を探求し続けた。そして時代は流れた。

混沌の兆し
 神々が遥かな地へ去ってしまったと伝えられる時から3800年の後、この世界に再び混沌の時代が訪れようとしていた。何処からともなく現れた謎の一団が村々を襲い始めたのである。そして、その影はひっそりと、しかし着実に主人公のまわりにも忍び寄っていてのである!

○内容、感想

 日本テレネット5周年記念作品として制作された、RPGです。日本テレネットというとキャラクターやデモを前面に押し出した感じのゲームが多いですが、この「デスブリンガー」はそうではなく、純粋に内容で勝負したものになっています。
 まず、移動シーンは3Dで、街の中、森、洞窟、神殿等が3Dで綺麗に描かれています。時間の概念もあり、時間に合わせて明るさも変化し、臨場感を高めています。
戦闘シーンはトップビューの2Dになっています。「ファンタジアン」や「サバッシュ」などのようです。(例えが古いかな?)2Dの画面にすることによって、武器の射程距離や魔法の有効範囲が視覚的に分かるようになっているのが良いです。
 そして、このゲームの特徴であり、私が気に入っているのが技能システムです。武器の使用や魔法に関してはそれぞれの種類用に技能が用意されていて、その技能を修得していないと武器や魔法が使えませんし、武器や魔法を使って技能を高めていくことによって効果が強くなっていきます。武器では、剣、細身剣、両手用剣、小型弓など、魔法では風系、火系、土系、水系、精神系、自然系、生死系のようになっています。
収得できる技能はキャラクターのINTに左右されるので、なんでも覚えられるわけではないし、仲間にした時点で持っている技能があるので、パーティー全体でバランス良くなるように考えなければならず、それが楽しさになっています。私がした失敗は、最後に主人公が使う武器は両手用剣なのですが、それまで全く使っていなかったので、それを手に入れた時点では攻撃力がとても弱く鍛えるのに苦労したというものです。
 このゲームはPC98、X68000用が発売されました。(後にメガCD用も発売されたが無視)、当時PC98からX68000への移植というと解像度もそのままで16色のCGというベタ移植が多かったのですが、これはきちんとグラフィックが描き直されていて、X68000らしい美しいグラフィックでした。PC98では目の下にクマのあった主人公の顔も少し格好良くなっています。
 音楽も雰囲気のあるなかなか良いものでした。特にOPデモと森のBGMが気に入っています。
 世間での評価はいまいちのようですが、私はかなり好きな作品です。欠点を挙げるとすればちょっと動作が遅いのと、毒とマヒの効果が逆というバグがあったことでしょうか。

↓パッケージです。
パッケージ表 パッケージ裏

○画面写真

画面1移動画面。敵が見える。
画面2戦闘画面。トップビューです。

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