書 名 | 出 版 社 | 書 評 |
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雲 の 墓 標 |
新 潮 社 | 戦争をテーマとした、著者三作目の長編小説。海軍予備学生の日記様式を採っている。著者は大正9年生まれであり、太平洋戦争終了時は25歳位だった筈。この本を読んでいる私は昭和17年生まれで、終戦時まだ3歳である。その年齢差は22歳あるが、私の少年期頃までは、生活のさまざまな面に「戦争の影」が色濃く残っており、この本を読んで違和感を覚えることがほとんどない。しかし、現在の若い人がこの本を読んだ時どうなのか感想を聞いてみたいと思う。 |
80/01/15 | ||
220 | ||
山 本 五 十 六 (上巻・下巻) |
新 潮 社 | 日独同盟・日米開戦に反対し、しかもなお義務に殉じた第二次世界大戦の日本の英雄を描いた。この辺の事情は、幕末、越後長岡藩の家老河井継之助が、開明思想を持ち、幕藩体制の崩壊を見通していながら、長岡藩士として官軍と戦った事を彷彿とさせる。いずれも、その進退の鮮やかさに共通点を見いだせるのである。現在、我が国の政・官・財界の指導者にこのような人物を求めるのは、至難の業と言うに近い実状であろう。なお、山本五十六の心情を最もよく理解していた中の一人が、米内光政である。米内光政についても本著者の作品があるので、興味を持たれたら一読を奨めたい。 |
86/11/30 | ||