1. 高分子膜とは?
     燃料電池で、電気が発生する部分が【膜−電極接合体】である。特殊な高分子膜に白金系触媒を塗布した電極が張り合わせてある。コストダウンには、膜の量産化、白金系触媒の使用量削減などが検討されている。最近になって、ナノテクノロジー(極微小物質制御技術)の進歩により、燃料電池の実用化に弾みが付いてきている。ソニーが開発した固体電解質膜(炭素系のナノ材料[フラーレン]を使用)は、従来の膜では必ず必要とされた「水分」が不要となり、燃料電池の寒冷地での使用に道を開く画期的な技術として評価されている。また、日立製作所では、[炭化水素系ポリマー]を材料に使用し、「従来の膜と比較して、50分の1のコスト」で製造できる目途をつけたといわれている。さらに、NECでは、電極にナノテク(カーボンナノホーン)を活用し、高価な白金触媒の使用量を減らす技術を開発、2005年の商品化を目指している。

  2. セパレーターとは?
     燃料電池の本体は【スタック】と呼ばれ、多数の【発電ユニット】を積層して必要な発電能力を持たせている。発電ユニットは、化学反応を引き起こして電気を発生させる【膜−電極接合体】と、これを両側から挟み込んで支持する【セパレーター】で構成されている。セパレーターには水素や酸素を供給するための流路が作られている。流路の切削加工にコストがかかるため、切削加工を省略できる製法の開発が進んでいる。
  

この頁の記述にあたり、「日経エコロジー 2002/9月号」の記事を参考にさせて頂きました。
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