野鳥のヒナ

ヒナを拾わないで!ヒナを誘拐しないで!
まだ飛べない野鳥のヒナ鳥を見かけたとき、可愛いと感じ、
その小さな命を助けたいと思うことがあると思います。
でも、ちょっと待ってください。
その小さな命を助けたいという優しい気持ちが、アダとなる場合が多いのです。
巣立ち=巣から飛んで出る=自由に飛べるようになってる
と思ってはいませんか?
ツバメは、確かにそうです。
巣から出ることは、すでに大空を飛べること。
でも、このイメージを他の野鳥に当てはめることは出来ないのです。
ほとんど飛べない状態でも巣から出て一生懸命に親のあとを付いて
飛ぼうとする、その努力こそが野鳥として成長するのに必要な努力でもあるのです。
まだ飛ぶ力が十分についてない巣立ち直後の野鳥のヒナが
地面に落ちているのを見つけた時どのような対応をすることが正しいのかを
知っていただきたいと思います。
◆巣立ち直後のヒナはあまり動かずじっとしていることが多いのです。
人がヒナの近くにいると親鳥はヒナのところにやって来られません。
ヒナのためを思えばこそ、なるべく早くその場を立ち去ってあげましょう。
可愛いとか可哀想と思って、ヒナに手を出さないでね。
親子を引き離すことは「誘拐」になるのです。
◆野鳥のヒナは、羽が生え揃ってくると飛ぶ力がまだ十分とは言えなくても
すぐに巣立つことが多く、うまく飛べずに地面に落ちている子もいるのですが、
怪我や病気でなければ、親鳥の給餌で体力が付き、親鳥の後をついて行こうと
ヒナ自身が努力することによって飛べるようになっていくのです。
◆でも、猫やカラスが心配なことがありますよね。
そのときは、ヒナを近くの茂みの中に置いたり、近くの小枝に止まらせてあげてください。
親鳥は姿が見えなくても、必ずヒナに注意をはらっています。
姿が見えなくてもヒナと鳴き声を交わすことでヒナのいる場所が分かるのです。

人が手でさわったことでヒナを放棄することはありませんので心配は要りません。
◆人がヒナを育てる場合には、たくさんの虫を与え続け適切な給餌が出来れば、
見た目の身体的には大きく育てられることもありますが、
どうしても栄養不足になりがちで丈夫に育たないことが多いのです。
親が与える自然の食餌に勝るものはありません。
◆巣立ち後は親鳥と過ごすわずかな期間で野生で生きていく術を学びます。
「どのようにして餌を得るか」「食べられるものは何か」「どのようにして我が身を守るか」
などを親から教えてもらってひとり立ち出来るようになるのです。
その親鳥から教育されるわずかな期間を人の手で奪ってしまうと、
ヒナは自然の中で生きていけなくなることが多いのです。
これからお子さんの学校での行き帰りの途中などで
ヒナを見かけることが増えると思いますが、ヒナを持ち帰らないように、
それは「誘拐」であることを、お子さんへもお話くださるようお願いいたします。
ヒナが、明らかに怪我をしていたり、病気に罹っているときは
各都道府県鳥獣担当機関に連絡してください。
相談して指示をあおぐようになさってくださいね。
数少ない希少種のヒナが落ちている可能性もあるとのことですからね。

羽が生えていない裸のヒナが落ちていたときは、近くに巣があるはずです。
可能であれば巣にそっと戻してあげてくださると良いかなぁと思います。
どうしても、ご自分で保護世話をなさることになった場合の参考となるHPです
すずめっ子クラブ
野生動物救護獣医師協会
日本鳥類保護連盟
また「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」によって、
保護のために飼育する場合にも許可が必要であることをご承知おき下さい。
こちらも読んでみてくださいね。
北海道札幌の自然「雛を拾わないで!、それは誘拐になる」
[戻る]
photo by 七ツ森