読めぅ「ミユタン」第7章〜みどりのとうきょう5月 作:Kenichi Waga
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日曜日。腰をあげてミユタンは
目を覚ました。
チチチとまたなるあの目覚し時計を
いぎなりはだぎづげで、一日は始まる。

ホットケーキに野菜。
ハンバーグ。いわゆるブランチ。
うまさがあった。
うまさが水の中いわゆる汁気で
もってミユタンは、溶けていた。

狂った果実。間違えそうな予感。
天気はまさにそういった感をかもしだす。

街さ出て30分。
プラプラするミユタンは
いわゆる、「はらへった」になったので、
一瞬意識が遠くなり、気づくと、もう
何かを注文して席に座っていた。
目の前には、そう、、ハンバーガーやら
ポテト、コーラ、そしてアップルパイなる
はやりもん食べ物の陳列であった。

ひとたびそれら全てをたいらげると、
決まってミユタンは店のウィンドウを
通り越してアーケードの方に流し目を
していた。気分はまさに峠はこして
あとは、下り坂。片手にはエビアン。

さっそうと今はやりのキャリアウーマンの
ように店を出た。道に迷ったのだろうか、
2分ほどして、立っていたら、
小学生の時の同級生がこえがけしてきた。
彼女の名前はミミ。同じクラスには3度ほど
なったはずだ。私は良く覚えている。
地方で育ったミユタンにはミミが
オアシスのようにも見えた。その瞬間、
5月の牛がミユタンのからだを
直撃するようなネクストがあった。

「あなたペンションに興味ありませんか?」

まさに「廃」。これがそこの空気をあらわすには
ぴったりの言葉であった。
みちがえるような思いで
ミユタンは彼女にこうささやいた
「ミミでしょ?」

ミミ。彼女は、逃げ場を失ったチーターの
ような顔で、その場をゆっくりとした
足どりで去っていった。
あたり一面まさに東京色でした。
汗も出た。


読めぅ「ミユタン」第7章〜緑の東京5月
6月価格1120円 Miyuki Studio秋号連載掲載交渉中 
C)2000 Kenichi Waga、 Licenced By Kentan Records Japan

次回予告
読じ登る「ミユタン」第8章〜アパート暮らし

あなたの無断複製、商品化は、一部メディアが
報道していました。
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