読んでよぃ「ミユタン」哀愁章

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まさに黄色。そんな感じだ。
8月。せみがこえ出してる夏。
「あたしは、見えてきた感じがする。」
そう思っては、また荷造りをするのである。
いじり倒したあの歯磨きブラシや、
まだ見ぬ未来への切符。そう。
明日は、とうとうミシガン。いわゆる
俗に言う「RYUUGAKU」だ。近年はこれが
はやっているらしい。さして、流行りに便乗
して、「あたしもあたしも」なんてがらじゃない。
これはミユタンの興味本位なのだ。

夜。寮暮らしなので、何も言えないが、
ひとりでお別れパーティなるものを企画してみた。
ぼやぼやとたたずむ ろうそく。
甘さだけがいちじるしく目立ち、なにかこう
しんみりさせてくれないケーキ。
そとからなだれこむ、夕日と、しわがれて老人声
3人。買い物の帰りだろう。なにか
あしたのミシガンとまったく違う空気、
匂い、音なり感、響き、TVからの若者的アト。
それらもいわゆる「楽しみギャップ」でもあり、
血がうずうずと2度くらい上昇しているのも
自身でも、わかってた。空港を走ったり
、手にはティケット等をやはりきどり感たっぷり
(それは外には見せずに)持ち歩いて、
いわゆる「空港」という、あまり行かない
そして、画一された場所。特別だよね。
そんな場所をひらりひらりと行動している
自身ミユタンは、新鮮感をからだ全部で
味わえることを知っている。

よる10じ。寝れない。布団をからだ全体に
安眠スタイルの格好をしても、だめなのだ。
寝れる寝れると暗示をかけてみたが
これもよくなかった。よけいに起きてしまうのであった。
やはりKOKOROの中は「不安」のみ
なのであった。しかし、「期待感」
もあるはずなのに。世の中どうもうまく行かない。

シーン。1枚1枚出てくる。
よくあるテレビなどの海外の素敵思い出編
や、あたたかい人達の親切心。それらが
「あんのか?」等と思い、これ以外に
何も想像はできないほど、ミユタンの
心臓からすこし右あたりが痛い。

* * * * *(チャタレイ効果)

あたたかな露。葉っぱ臭。
ミユタンは、やはりなんなく支度は
前日に全て終わらせていたので、なにも
トラブルらしきトラブルはなかった。
重いスーツケースを持ち、これからの
旅の門出は万全だ。そして出発。
玄関。自室をチラ見した。「朝の部屋」という
感が一帯ただよっていた。これから出発というのに
なんだ、この疲労感は。おそらく
変化を拒絶しているのだろう。
いますぐ、ダダダーと全てを放り出して
コタツにはいって、ぬくぬくしたい気持ちだった。
でも、できなかった。

まぶしい黄色のスーツケース。
行くしかなかった。


読んでよぃ「ミユタン」哀愁章〜海外留学ミシガン湖さ…
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Licensed By Kentan Records.
(C)2000 Kenichi Waga
無断複製、それ販売、お金がっぽは、
あなたの先祖が見ています。


次回予告:
 読んでぇ「ミユタン」革新章〜海外留学ミシガン湖だっちゃ。
 掲載検討中。
 
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