| Warped Devotion |
| 2B |
| Enchantment |
| Whenever a permanent is returned to a player's hand, that player discards a card from his or her hand. |
カウンターやコントロール奪取と並び、青が古来より得意とする能力の1つに、バウンスがある。「手札に戻す」という独特の能力だ。その多くがインスタントスピードで、相手の計算を狂わせるだけの力がある。
バウンスが最大の効果を発揮できるかどうかは、相手のデッキに依存する。例えば、相手がメインフェイズの開始直後に、全てのマナを使って1つのパーマネントを場に出したとする。もしそれをバウンスした場合、そのバウンス呪文はTime Walk+Mana Shortとも言えるような、非常に高い効果を生み出す。そのターン、相手にできることといえば、既出のパーマネントの能力を起動したり、クリーチャーで攻撃したりすることに限られることになる。一方、相手が有り余るマナの一部を使って小さなパーマネントを場に出したような場合は、バウンスの効果はかなり小さくなる。具体的に言うと、速攻型のデッキに対しては効果が高く、ゆっくりとした環境制御型のデッキに対しては効果が薄いという傾向がある。勢いメタゲームによる影響がかなり大きいため、バウンス呪文の立場は常に微妙なものになっている。
バウンスの最大の欠点は、単独では根本的な解決になりづらい、ということだ。戻されたパーマネントは早ければそのターンにも場に戻って来る。1つのパーマネントが勝敗の鍵を握っているような場合−−−相手のCoPが場から消えれば勝利が確定する・・・こういう場面は古来より見かけるものだ−−−等、その瞬間だけでも効果のある局面はあるが、そうでないことのほうが多いのが現実だ。すでに優位が確立されているか、その間に優位を確立できなければ、本当にただの時間稼ぎに終わってしまう。
このため、大抵の場合、バウンスには補完手段が用意される。これには、カウンター呪文と手札破壊呪文がよく用いられる。これらを用いれば、バウンスしたカードが再び場に戻ってくるのを防ぐことができる。
ところが、この方法にも問題はある。一部の例外を除いて、通常はバウンスを行うと手札を1枚消費する。こちらの手札喪失1に対して、相手はパーマネントのバウンス1。ここまではほぼ対等に近い取り引きだ。しかし、さらにカウンター呪文、手札破壊呪文まで使うと、こちらの手札喪失2、相手はパーマネント(現在は手札)喪失1となり、2対1の取り引きになってしまう。カードアドバンテージを著しく喪失することになるのだ。確かに2枚のカードを使ってでも墓場に落としたいカードは存在するだろうが、相手のデッキがそういうカードばかりで構成されることはあり得ない。一応、Stuporのような2枚以上の手札を奪う呪文を使えば少しは補えるが、そうすると今度は本来Stuporのほうに期待されている「手札を2枚奪う」効果のほうが薄れてしまうという問題が出てくる。おそらく、最も実用性の高い補完は、Lobotomyになるだろう。
やはりバウンス呪文は、単体のカード能力だけで考えると、汎用性と奇襲性がある代わりにいささか頼りない。だからこそ、歩のカードによる補完が重要だし、他の能力を兼ね備えたバウンスカードが強力なのだ。あのMan-o'-Warがなぜみなに愛された−−−そして忌み嫌われた−−−のか、考えてみればよくわかるはずだ。
2000年10月、Invasionがカードプールに追加され、Recoilいうカードが登場した。これは、青のバウンスと黒の手札破壊を融合させて、カードアドバンテージに対するバウンス呪文の欠点を克服した、素晴らしいカードだ。パーマネントを手札に戻し、さらに手札を1枚捨てさせる。こちらは手札喪失1、相手はパーマネントのバウンスが1、手札喪失が1。勿論、手札がなければバウンスされたカードを失うため、手札破壊重視のデッキで使えば、除去呪文としてすらも機能する。これは、明らかに互角以上の取り引きだ。コストも1UBと十分に実用的だし、欠点らしい欠点もない(強いて挙げるならば、プロテクションに引っかかりやすくなることくらいだろう)ため、バウンス呪文としても、そしてInvasion全体の中でもかなり強力なカードだ。
さらに、Planeshiftがカードプールに加わると、全てのバウンスカードをRecoilに変えてしまう、とんでもないカードが現れた。それが、Warped Devotionだ。色こそ違う−−−これが青だったら大変だ−−−ものの、コストは2Bと色拘束が弱いため、青黒デッキに組み入れるのは容易だし、さらにはバウンス呪文に先駆けて場に出すことも可能な安さでもある。自分にも適用されてしまうという点以外には、ほとんど非の打ち所がない。さらに付け加えるならば、このカードはなんとアンコモンなのである。
Warped Devotionによって支えられたバウンスカードは、ほとんど詐欺のような働きをする。Unsummonはわずか1マナの対クリーチャー専用Recoilに、Boomerangは2マナのRecoilになる。Stand/Deliverは黒マナのいらないRecoilで、Repulseはキャントリップつき対クリーチャー専用Recoilだ。そして元祖Recoilに至っては、バウンスの後に2枚のカードを奪う恐るべき呪文となる。さらにHibernationやWash Out、Distorting Wakeのように複数枚のパーマネントをバウンスする呪文は、まさしくマスデストラクション級の破壊力を持つのだ。
これだけでもWarped Devotionの効果は絶大だが、バウンスを引き起こすパーマネントと組み合わせることによって、相手にとってさらに深刻な状況を生み出せる。Overburdenはクリーチャーデッキの動きを極端に遅いものにし、Sunken Hopeはゆっくりと相手の場と手札の両方を侵食していく。Squee, Goblin Nabobを捨て出したWaterfront Bouncerは時間を稼ぎつづけ、Tradewind Riderが満を持して動き出したとき、相手は絶望して溜息をつく。
勿論、いかにWarped Devotionによってバウンスが強化されたとは言っても、それだけでデュエルに勝つことはできない。その他に勝利手段を用意しておかなければならない。これには、大型クリーチャーの召喚が最も相応しいだろう。バウンスの支援によって、大型クリーチャーが場を制圧し相手を打ち倒すのに必要な時間は十分に稼げる。
序盤はマナを拘束する形でバウンスを使って−−−この段階では、Warped Devotionが出ていないからといって手札を惜しんではいけない−−−相手の計画を狂わせ、隙を見つけてWarped Devotionを場に出す。そして、バウンスで相手のパーマネントと手札の両方を牽制しながら、大型クリーチャーを場に投入する。そして、最後は大型クリーチャーの攻撃を通すためにバウンスを使う。以下のデッキはそのような例である。
バウンスは不安定で、それだけで勝てるほど強力ではない。だが、適切なタイミングで使われたバウンスは、デュエルの流れに大きな影響を与える。典型的なサポートタイプのカードである。プレイングの妙を味わうのに、これほど面白いものもないのではないだろうか。
| デッキの一例 |
| "Brainshaker" |
| 4 Warped Devotion |
| 2 Thrashing Wumpus |
| 4 Phyrexian Scuta |
| 3 Nightscape Familiar |
| 3 Chilling Apparition |
| 3 Waterfront Bouncer |
| 4 Boomerang |
| 2 Stand/Deliver |
| 4 Recoil |
| 2 Repulse |
| 1 Wash Out |
| 2 Lobotomy |
| 4 Dark Ritual |
| 4 Underground River |
| 7 Swamp |
| 11 Island |