究極の高精度反射望遠鏡(ニュートン式・・・フーコー式の変形?)
2011/3/2
ニュートン式反射望遠鏡は斜鏡陰やその支持棒による回折光の影響で分解能が落下がりますが、これを次の方法で最小限に抑えた反射望遠鏡です。形式はフーコーの反射望遠鏡の変形になるのでしょうか。いつか試しに作ってみたいと思っていたものでした。
斜鏡の短径が主鏡の1/8以下ならほとんど無害であるということなので、短径30ミリ(1/10径以下)で作ります。しかしこれでは筒外に焦点を結ばないので接眼部にリレーレンズを入れ筒外に焦点を引き出します。写真にかすかに見えています。
また、スパイダーによる回折光を避けるため、支持棒は2枚の円弧状に作ります。
初めに円弧スパイダーで例の十字の光ぼうがでなくなることを確かめ、次にリレーレンズで焦点を引き出し現物あわせで筒外焦点位置を確認し工作を始めました。
斜鏡支持部は径31mmのアルミ丸棒を旋盤加工しスパイダー取り付けボルト部分をフライスでカットしねじ山が31mmより出ないように作りました
円弧状スパイダーは使用中斜鏡が傾いたり中心位置が動く心配があったのでアルミずん胴鍋から切り出した剛性のあるもので作りました。
板厚が3mmと厚いのが気になりますが、十分な剛性がありまったく動かないようです。
斜鏡の調整はリレーレンズを外して調整しています。
ベニヤ板は斜鏡の中心調整用に作りましたが、一度合わせると動かないようです。
リレーレンズはニコンのX1?(これに期待したのですが)で工作しましたが期待した結果が得られず同焦点の径50mmアクロマートで自作しました。
紙筒にいれ寸法・見え具合を確認後、アルミ丸棒の旋盤加工で再度作り直しました。レンズは凸面を向き合わせにしてセルごと入れています。
完成テスト中のものです。円弧スパイダーとリレーレンズが見えます
どんな風に見えるのか
高精度32cmF4.8の前部交換式で作りました。鏡筒は20cmほど長くなったので、その分すこし扱いにくくなります。
接眼部を水平にして見ると正立像になります。地上を見るには具合いいのですが、星見にはやや不便です(慣れていないのですね)
シリウスを見ましたがスパイダーの射出光は確かにでません。星像の劣化がなければこのスパイダーは他にも使えそうです。
2012/5・・・・ そこそこ見えてますが、リレーレンズの精度が悪く、当初の予想の精度は出せず現在休止中です。
吉田正太郎先生の新版反射望遠鏡光学入門をヒントに工作してみたものですが、何分理論にうといもので気になることばかりです。
円弧スパイダーは、直線の回折光はださないが光ぼうを分散しコントラスト落とすという話もあります。また、3mmと厚くなったスバイダーの影響はどうなのかという問題
斜鏡(1/8λとして購入)が焦点近くの配置となりましたが、これに耐える斜鏡の精度に問題はないのか・・大丈夫のような気もするが
リレーレンズにどのような条件が必要なのかよく解らず、ロンキーの直線性のいいもので構成したがこれでいいのかどうか・・・
リレーレンズによる色収差がかすかにでる問題もあるようだ
(残念ながら気になるほどではないがこれだけは確認)
問題点課題
パイプがなくて、アルミムク材から削りだしました
斜鏡芯だし用円盤
円弧スパイダー