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医神アスクレピオス

音楽と弓そして太陽の神として知られるアポロンですが、かつて、カラスのでたらめな報告を真に受け、妻コロニスをあやまって射殺してしまいました。この時コロニスとの間にはアスクレピオスという子供が出来ていました。そのためアポロンはこの幼子をペリオン山の洞窟に住むという馬人ケイローンのもとにあずけ、教育を頼みました。

ケイローンは様々な学問をアスクレピオスに授けましたが、とりわけ医術について熱心に教えたので、彼はたちまちのうちにギリシア第一の医者と仰がれるほどになりました。

彼は、かのイアソンのアルゴー遠征隊にも加わって勇士たちの傷を治し、死んで行く人たちを助け、ついには死者をもよみがえらせることまで始めました。これを見て驚いた冥府の王プルトーンは、冥府の国に死者が一人もこなくなっては大変なことになると、大神ゼウスに訴えました。

大神ゼウスもこのままでは天地の常道が乱れてしまうとし、やむなく雷光を投げアスクレピオスを撃ち殺し、その身を天に上げ星座としたと伝えられています。