猟師オリオンは「この世に自分ほど強いものはない、どんな獣といえど、自分のこの棍棒にはかなうまい」と常日頃から豪語していました。これを伝え聞いた女神ヘラは何とうぬぼれた男だとカンカンに怒っていまいた。
ある日オリオンがのっしのっしと道を歩いていると突然足に痛みを感じました。足元を見てみると、一匹のさそりに足を刺されていたのです。さすがの勇士オリオンもさそりの猛毒には勝てず、たちまち全身の毒が回りあっけなく死んでしまいました。
その後、このさそりは、オリオンを刺し殺した功績により女神ヘラによって天にあげられ、黄道十二星座の一つになったと伝えられています。一方オリオンのほうも彼に好意を寄せていた女神アルテミスの願いにより天にあげられました。しかし、オリオンは今でもこのさそりを恐れつづけ、さそりが東の空に昇り始めると急いで西の地に隠れ、さそりが西の地へ沈むのを見てから、東から昇っているといわれています。