[ ペーパーマリッジ ]
ShowCase


私が「これ以上泣いたことないんじゃないの?」というくらい泣いた「ビューティフル・サンデイ」から1年。またちひろが戻ってきてくれました。三枝ちひろは、木下ちひろに名前を変えて。って、結婚してるし!暗幕に「ShowCase」の文字が出るとそれだけで心が穏やかになる。(でも今回 生演奏がなかった。ちょっと残念。)ああ、これからまた見れるんだなあ・・・と思うと既に 幸せだった。

ところで。どうしてちひろはホ○に縁があるんだ?そんな簡単に 出会うものかなぁ?あれって「ビューティフル・サンデイ」の後だよね?あ、そうか。後だからか。 後だからちひろはちゃんと総ちゃんを偏見の目で見ずに理解することができたのか。ちゃんとその人の中身を理解してあげれたんだ。ああ、なるほど。今わかった。わかったら感動した。(←ばか) うう、ちひろ素敵じゃ。
今回旗島さんが出てたんだけど、彼女はああいう役の方が似合うと思った。 鴻上さんの芝居に出る時、いつもぴりぴりした役だったような気が。あとは奇をてらった役とかね。 だから今回はすごい自然体で、すごいかわいかった。やっぱりスタイルいいし。
ところで木野花さんと浅野さん初見。2人ともすごく良い味出してるー!木野さんは演出家ってイメージだったので役者としてはどうなんだろう?と思っていたけど、何か、さすが「ちひろの母」だわ・・・。まぁ役柄ってのはあると思うんだけども。でもすごい良かったー。もう今回の主役はお母さんじゃ!?ってくらい、素敵だったわ、亀子。

相変わらずとても泣ける芝居だった。後半1時間くらいなんてもう泣きっぱなしで、ただただ泣き笑いで涙頬を流れっぱなしでもうどうしていいのかわかりませんでした。何で自分がこんなにも泣いてるのかわからないんだけど、何だろう、舞台の上の人が皆愛しくてしょうがなかった。前回「ビューティフル・サンデイ」同様ちょっと特殊な集団の中に、かなり普遍的な問題が含まれているから胸を打つのかもしれない。前回は「恋愛」。今回は「結婚」「家族」。皆一生懸命で、皆が皆誰かを思っている。幸せになりたくて、幸せになってほしくて、ただそれだけ。それでもどこかですれ違って、やっぱり完全に理解することなんてできなくて、そこから生じるせつなさ。もうどこで涙が最初に流れたかなんて全然思い出せませんが、とりあえずちひろが総ちゃんに向かって「嘘つき!」と叫ぶところや、お母さんとのやりとりとか何だろう、もうダメだ。後半全部泣いてたからどこで泣いてたかなんて思い出せねぇ。
それにしても長野さんの声ってすごいよなあ・・・と思わずにはいられない。あの人の声は私のツボに確実にクリーンヒットするんだな。あの人が涙ながらに叫ぶともう私はKOされたも同然。泣くなって言わないで頼むから泣かせてって感じでダーダー泣き。嗚咽を我慢するのが精一杯。

結果的に最後は全員が幸せになるんだけど、それはそれですごいとても良いラストに思える。ふと思ったけど、「ビューティフル・サンデイ」の時は秋彦とヒロ(総ちゃんの彼氏の名前が「ヒロアキ」だったので、一瞬ヒロを思い浮かべてしまった。)は幸せになるんだよね。でも、よくよく考えたらちひろって特別幸せにもなってなかったような。前に一歩踏み出せたって意味での幸せはつかんだと思うけど、彼女自身の幸福はつかんでなかったような・・・。だから、今回やっと彼女は総ちゃんに巡り会えたんだろうなぁ・・・。「ビューティフル・サンデイ」の時も思ったけど、「誰かを思うこと」「誰かに思われること」ってのはとても素敵なことだよね。この芝居のシリーズは私にそんなことを改めて思わせてくれる。

私がどうしても忘れられない悲しいなぁと思うシーンは、お母さんがちひろに向かって言う言葉。「私にあんたの気持ちがわからないように、あんたに私の気持ちはわからないわよ。」から始まる告白というか、呟き。家に1人で、1人で味気ない食事作って1人でTV見て、1日誰とも会話しなかったりしてただぼーっと過ごす。これを、死んでゆくための時間と言わずに何ていうの・・・?ってやつ。あれを聞いていて、私がとても胸が痛かった。そして、ただ自分の母を思った。私の母だったらそんな状況になった時どうするだろう。どう思うだろう。ただ、母の意見が聞きたかった。だから、私は家に帰ってから母とそのことをずっと話していた。気づいたら久々に何時間も母とじっくりと会話した。

この芝居は見る人の立場、年齢によって何通りもの見方ができる芝居だと思う。それはとても良質な芝居の証だと思えるし、またこういう芝居に出会えたことはとても嬉しく思える。私も、これからどんなに回り道をしても、私を思ってくれる人に、私が思っている人にあんな素敵な笑顔ができるような毎日を過ごしたい。そしてそんな笑顔をしてもらえるような関係を築きたい。そう思えた芝居。

また私にとって、とても大切な芝居に出会えることができました。

(7/13 19:00 紀伊国屋ホール)

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