ビューティフル・サンディ
(2月9日19時 六本木俳優座劇場1階5列11番にて観劇)


感動!!

劇場に足を運んで芝居を見て、こんなに泣いたの初めてですー。何で泣いているのかがわからないんですよね。たとえば、「パンドラの鐘」を見て私はぼろぼろ家で泣いていたのですが、それはわかるんですよ。ああ、これが悲しいって。ところが、この芝居に関してはまったく分からない。気づいたら頬を涙が伝っている。唇かみしめて、こらえないとどんどん溢れ出しちゃうよってくらい。

とにかく最高にかわいい!長野里美。大好き。あんな35歳に私もなりたい。素敵すぎる。スリッパはいてパタパタ歩くシーンなんて、本当にかわいいっ。小須田さんの演技は落ちついていて最高ですね、やっぱり。上手。でも、大ヒットは堺雅人演じるヒロでしょう。あんなに愛しいゲイの役がやれるのは彼くらいじゃないの?ってくらいに、心を奪われてしまった。実際にヒロみたいな人がいたら、もう絶対に友達になりたい。

「真実なんてどうでもいい。俺はあいつが傷つかなければそれでいいんだ」
って、確か秋彦はヒロのことについてちひろに言いますよね。それって、ものすごく素直な気持ちだと思うんです。私が大好きな第三舞台の「天使は瞳を閉じて」の中に、同じく小須田さん演じた太郎ちゃんが里美さん演じたケイにこんなセリフを言います。「できない人はたくさんいる。だから、自分の現実は、見たくない。」そしてケイが言います。「真実だから売れないと、そうあなたは私に告げる。」つまり、真実って必ずしもやさしいものじゃないじゃないですか。むしろつらい現実の方が多い。だからこそ、秋彦はそんなつらい現実からヒロを守りたかった。それがどんなに盲目的な事でも、逆にヒロを傷つける結果になっていたとしても、ヒロを守りたかったんですよね。そんな言葉をさらっと芝居の中に当たり前のように盛り込まれているわけでしょ?自分に投影して、泣くなって言う方が無理だよ。3人がそれぞれどこかですれ違って、それぞれ悩みを持っていて、それぞれ打ち明けられなくて・・・。

ヒロが秋彦に「好きだからだよっ!」と叫ぶシーンではどばーって泣きました。でも、そのあとのちひろがコンペイトウを投げるシーンはさらに泣いてしまいました。ちひろの悲しみは同じ女性としてすごくよく分かる。分かるからこそ、2人が気になるちひろの気持ちがよくわかる。わかるからこそ、涙が止まらなくて。素直になれば良かったことなのに。そんなの生きていれば誰だって経験する思い。そんなのが皆重なることだって、そんなのよくある話。そんなよくある話をまとめたこの芝居は、心をわしづかみにされたように響く。だけど、やさしい。自分の痛いところを、やさしくなでてくれる。

「どうか頑張って!!」
って言われている気持ちは全然ないんだけど、芝居を見終わったあと、肩の力をふぅーっと抜いて「頑張ろうかなぁー」って空を見上げている私がいるみたいだった。結局自分をどうにかできるのは自分次第。自分を精一杯愛せなければ、誰かを愛することだって恐いし、上手にできない。自分から逃げてたらどうにもならないから、あの3人のように、私も頑張ってみようかなって、そんな気持ちになったのです。

ヒロがエイズで。でも、彼を見ていたら抱きしめてあげたくなった。どうか病気に負けないで。どうか、生きていて。芝居の中の役でしかないヒロに対して、私は今も思っている。

「星が降っても別れない」
そう言って銀紙の星を降らせたラストシーン、とめどない涙が溢れてきましたが、最高に素敵なラストシーンでした。

この芝居への感想は「好き」というより、「愛している」というか、「愛しい」という感情に似ている。


(2月14日19時 六本木俳優座劇場1階A列14番にて観劇)

と、当日券で危なく立見になろうとは・・・。かろうじてぎりぎりで座れたけれど、ひょえーって感じ。みんな立見になっても帰ろうとしないし。もちろん、そんな私も当然帰る気は全然なかったけど。

んで、もうずーっと泣きっぱなしでした。本当にささいな会話にも泣いてました。私の涙はこの後どれくらい残っているの?ってくらいに・・・。でも、周りを見たらほとんどの人が泣いていた。前回私は「唇かみしめてこらえないと溢れ出しちゃうよ」って書きましたが、今回の私は唇かみしめるとか、もうとにかくこらえるといった行為がすべて不可能でした。もう泣いて泣いて、泣きながら3人のやりとりに笑って・・・。

私、どうしてこの芝居にこんなに泣くのかなぁ。何がそんなに私に涙を流させるのだろう?悲しいの?つらいの?何かあったの?って、何もわからないのに、どうしてこんなにも私は今も泣きたいのだろう。だけどね、少しも悲しい涙じゃないのはどうしてだろう。あんなに泣いたのに、とっても心が温かいのはどうしてなんだろう・・・??

「悩みに大きいも小さいもないだろう」
「あんたは嫌な奴なんかじゃない。幸せになりたいだけだ。幸せになりたい人間が、他人の幸せをうらやむのは当然だろう。」

みたいなセリフ。小須田さんが淡々とまた言うから・・・。

人生でこんなにも感動した芝居ってあったかなぁ。あったのかもしれない。わからない。でも、私は今も涙が止まりそうにありません。

ラストシーン、本当に綺麗だね。本当に良かったね。この先私は、きっとたくさんの芝居を見るのだろうな。それでも、私はこの芝居に出会えた感動を絶対に忘れない。忘れないんだ。

今でも私はこの芝居を思い出すと胸が熱くなります。まだ3月だと言うのに、私にとって今年最高の芝居かもしれません。いえ、きっとそうなのでしょう。何よりも愛しい芝居です。この芝居が私に与えた影響は本当に大きくて、この頃の私には本当に必要な芝居でした。これから先、いつかこの芝居の再演を見たとき、この芝居がビデオ化されてビデオを見たとき、私はこの頃の自分を思い出すのです。そうして、その頃の私と、その芝居をまた見ている頃の私を思い比べて、私はきっとまた涙を流すのです。きっと今回とは少し違う、それでもやはり温かい涙を。

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