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ウーマン・イン・ブラック PARCO劇場で芝居を見るとアンケートに「PARCOで見た良いお芝居は」みたいな質問が
ある。そこに毎回必ず「ウーマン・イン・ブラック99年版」と書いてきた。そんなたかが
私のアンケートには何の力もなかったかもしれんけど、それでも再演と聞いた時の喜びは
大きかったもんですよ。「待ってました!!」みたいな。 基本的に何も変わってない気がした、4年前と。変わっているといえば、演技くらいで。
で、変わったなぁーって漠然とだけど思ったのは2点。1点はヤングキップス。4年前は
実際に演じている俳優同様、話の流れはわかっているけどその役が持つ心情というか
悲しみとかそういう根本を理解しきってはいない、みたいなそんな感じ。でも、今回は
ヤングキップスが持つ悲しみと恐怖が痛いほど伝わってきて、胸が何度もつまった。今回3回
見に行かせてもらったけど、特に3回目の大楽。息子の死を伝える終盤の声のトーンとか、
間とか、涙のあととかたまらなかった。見ていてつらかった。だから、ヤングキップスを
演じている役者・・・という設定を忘れてキップスそのものと感じて、だから将来この
かっちょえーヤングキップスもああいう風になるのだなと斎藤さんを何度も
見てしまった。(失礼極まりない) 4年前は斎藤さんとも結びつけず、何ていうか漠然と
そこにある話を見てた気がする。4年経って、話がより深く掘り下げられていた気がする。
演出とかじゃなくて、単に演技で。 でも、あえて違う誰かのヤングキップスで次は見たいんだけどさ。上川さん以外で。 この話のすごいところは、ネタばらしされて恐怖の正体も全部さらけ出しても、そこに 不気味なほどに残っている恐怖だと思うんだよね。見れば見るほど恐くなくなるっていう 「びっくり系恐怖」じゃないんだよね。見れば見るほど「気持ち悪さ」とか「不気味さ」が 増していく気がする。ここであの女が現れるってわかってるのに、女が現れた時の嫌な感じ は例えば3回見たなら3回目が1番強い。これはすごいことだとやっぱり思う。 シンプルな演出がやっぱりいいよね。ろうそくの灯りだけで進む舞台ってそうはないよね。 ろうそくに照らし出された影の不気味さとか、役者の息遣いとか、そういうのですら演出の1つ で、改めてすごいなーって思うのですよ。あのシーンとしたろうそくとか懐中電灯のシーンで 携帯鳴らした人がいたらどういう目で周りから見られるのかしら。(いなかったけど、ふと 思いついた) 最悪だよな、考えてみただけでも・・・。 この芝居がずっとウエストエンドで上演されてるってのもわかる気がする。日本でも
いろんな組み合わせで何年も続けてほしい芝居です。そしてまた、いつか数年後にでも
上川さんに出てほしいな。 ただ、黒い女が「日本人」だったことを知ってショックは隠せない。 (10/25 19:00, 11/15 19:00, 11/20 19:00 PARCO劇場) |