身毒丸


初身毒丸。 初生藤原竜也。初生白石加代子。初生蜷川演出。うわーい、初めてづくしー。話題の舞台は ぜひ見ておきたいってんで頑張って大江戸ロケットの頃にチケット予約しました。9月かよ、 おい。

ひっさびさに鳥肌立つ芝居見ました。わけもなく涙出そうになったのも久しぶりでした。 何ていうか、もう理由なんてない。「おもしろかった」とか「好き」とかそういうんでもなくて、 うーんと「震えた」ってそんな感じ。それもとにかく主役2人に。(後の人は正直どーでもいい) 藤原君の透明感ある身毒丸に、どー考えても普通身毒丸みたいな美少年と恋に落ちるには最も 遠い位置にいそうな白石加代子さん(←失礼ですね、ごめんなさい)演じた撫子。この2人の迫力は すさまじいもんがありました。この2人だけのシーンが好きだったなぁ。

とにかく全て抽象的で、心象風景みたいなもんばっかりでした。簡単に言えば「意味不明」。 話の内容わかりにくい。「家族」「母」「愛」そんなもんがキーワード?んー、寺山作品難しい。 私の理解力がないだけかもしれんけど。
でも亡き母親のことがあって撫子を母と認められなく、むしろ女として意識してしまいその思いが どうにもならなくて壊れてしまった身毒丸の一連の心の葛藤というか動きというかそんなもんに すさまじく心奪われました。藤原君上手だね。壊れに壊れて義理の弟せんさくを襲うシーンでは びっくりした。あれってせんさくを殺しちゃうってこと?でもあれ、絶対殺す前に犯してるよね。 藤原君がせんさくの足持ち上げて内ももにキスした時にはびっくり しましたさ。何かすさまじくエロかった。怪しい魅力全開の人ですな。
白石加代子さんは恐かった。本当に恐かった。途中身毒丸への思いやら何やらで鬼になるシーンが あるけど、本当に鬼にしか見えなかった。髪振り乱して顔「くわぁーっ!!」ってやった時 のあの迫力。夜道であれやられたら素で泣くな。最初の身毒丸と撫子の出会いのシーン、お面を 取った白石さんがにっこり(私の目には「にやっ」)笑って身毒丸と目が合って、身毒丸が体強張らせる シーンがありましたが。あれは多分身毒丸は既に撫子という女性を女と意識してしまった・・・って ことなんじゃないかと思うけど、私にはどー考えても大蛇に睨まれた人としか思えませんでしたがな。
しかし白石さん上手だよなぁ。ああいう恐い女やらせたら右に出る者は絶対にいないだろう。

あの白石さんが恍惚の表情で藤原君に後ろから抱き付いてるシーンとかなんて写真で見ると まさにオカルトなんだけど(←失礼極まりない)、実際舞台で見てた時は本当に美しいと思ったです。 義母と息子という関係ではなくて男と女になりたくてでもなれなくてすれ違っていく2人のやり取りは すごかったし、そのため鬼になっちゃう撫子もすごかったし壊れてしまった身毒丸もすごかった。 あーもう何書いても結局「すごかった」しか出てこなさそうな。でも本当すごかったんだよ。 美しかった。舞台も、主役2人も。(とてもそう思ってるようには思えない文章ですが) 全てが 重なって1つの美しい空間ができあがってたと思う。あの舞台を生で見られて良かったと、本当に 思うのよ。

最後色んな意味でボロボロになってそうした果てで再会した2人。何も2人を拒むものがなく ただの男と女として人ごみの中に消えていく・・・。その時のあの「お母さん、もう1度僕を 妊娠してください」という身毒丸の叫びにもー鳥肌で鳥肌で。わけもなく泣きそうになるし。 抱き合う2人がキレイだったのよ、本当キレイだったの、しみじみ。あのシーンがとにかく最高 大好き。もう、何度でも見たい。

でもあの蜷川演出メジャーの後ろの扉が開くとそこは現実の世界(舞台関係ないいわゆる日常)が 見えるってのは嫌だったんだけど。カスパーでも見たけどあの演出。今回はbunkamuraの駐車場。 あの2人が連れ添って歩いて駐車場に消えていくんだけど・・・。その必要性が全然わからん。 何で駐車場だよ。車並んでるし(←当たり前)。 渋谷のような人ごみの中にただの恋人同士として消えていくって そういう意図なんだろうか。どっちにしてもあれで私は一瞬冷めた。

それでも多分、2002年今まで見た芝居の中で今のところNo.1な芝居です。 とにかく素晴らしかった。
劇場出て真っ先にDVD買ってしまいました。

(3/22 19:00 シアターコクーン)

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