[
カスパー ] STUDIOコクーンプロジェクト
美容院に行った時、美容師さんもカスパーを見に行った事が判明。「道に迷って途中から入ったんで、話が全然わからなかったー」と彼女は言っていたので私はこう答えておいた。「大丈夫、最初から見た私もわからなかったんで」
今まで見た芝居の中で最もわからなかった芝居でしたね。全然わかんねぇ。とりあえず、カスパーというのは実在の人物らしいです。17歳まで地下に幽閉されていて、言葉も喋れず歩き方も知らない。そんな彼に言葉を教えて、動きを教えて、それなのに最期は謎の男に暗殺されてしまう人物らしいです。保村大和さんはそのカスパーを演じたわけなんですが。
最初の演出はすごかったですね。青い空の幕が舞台を覆ってるんですが、それが照明によって姿を変えていくんですよ。で、それが無くなったかと思ったら、客席の頭の上には保村さんが!!すごいギリギリまで降りてきたりしながら、くるくる回って舞台上に降りるんですよね。体柔らかいなぁ。身体能力すごいなぁ、とわけわかんないこと感心してしまいましたよ。あれ見ると、何か他の芝居の宙吊りは大したことないんじゃないか?ってくらい宙吊りになってるしくるくる回ってるしあんな観客至近距離で、あんな小さい小屋で。いやー、あれはすごかった。びっくりした。
「僕はかつて他の誰かが誰かであったような誰かになりたい」 でしたっけ?保村さんが最初に喋るセリフ。っていうか最初の数十分、このセリフしか言ってないんですが。何か状況説明みたいなナレーションがあってそれを無視して保村さんは喋る喋る。この1つのセリフを。呪文のように喋るもんだから何だか頭クラクラしてきた。でも叫んだり呟いたりしながら言うんで、思わず見入ってしまった。上手だなぁ、この人。と、思ったらどこからかおじちゃん、おばちゃん達登場。ボロボロの格好で現れたかと思ったら泣きながら本をひきちぎって捨てて歩き回る。あ、舞台が本棚と本に囲まれてる部屋って感じなんですよ。おじちゃん達は泣きながら本を破り捨てる。椅子や机にしがみついて泣いている。ナレーションはマイペースに何か意味不明なことを喋り続ける。保村さんは何か一生懸命動きながら(ほら、カスパーは動けないので)「僕はかつて・・・」のセリフを言い続ける。わからん。全然わからん。本当にわからん。まったくもってわからん。と、思っていると眠くなってきた。どうやら脳が理解不能と決定を下したらしい。さすがにこの芝居で眠るの我慢するのも嫌だなぁと思い、保村さんには悪いけど今回は寝るよ。そう決意した。
実際保村さんのヴィジュアルもどうも私好みではない。大きな帽子にふくらみまくった髪の毛。この時点でいけてないのに赤いジャケットに黒いズボン。いくら好きでもこれはいけてないだろうー、と思っていたのだよ。で、まぁウトウトしてきてたらカスパーが成長してまして、そして着替えを始めたんですね。帽子を取ったら実はあのふくらんだ髪の毛は帽子の飾りだったという私の淡い期待は打ち砕かれたんですが、その後!!そのふくらんだ(←しつこい)髪の毛を無造作に後ろで束ねたんですよ!きゅっと束ねたんです!オールバック!うわあああああああああああああああああ、かっちょええええええええええええええ!!!!!!!赤いジャケットじゃなくて黒いジャケットに着替えてロッキンチェアーに座る保村カスパー。眠気吹っ飛んだよ!目、見開いたよ!うわうわわ、かっこいいよ、それはもうやばいくらいにかっこいいよ、お店にいそうだよ(←おい)!!そんなお店行ったことないけど、こんな格好の保村さんに「いらっしゃいませ」って言われたら即死しそうだよ!!(←落ち着け)
そんな私の興奮をさます為かのように、おじちゃん達はとっくの昔にいなくなってたのだが代わりに若い兄ちゃん達が現れました。若い兄ちゃん達は、比較的美形さんを集めたかと思われます。ベタです。白いシャツに真っ赤な口紅!・・・あのー、演出さん。何を望んでいらっしゃるんでしょう、何を連想してほしいんでしょう・・・?さすがに落ち着いた。っていうかひいた。ロッキンチェアーの後ろのソファーにカスパー分身@若い兄ちゃん達。その前に黒ずくめで一点を見つめる保村さん。何かねぇ。保村さんが何かやばい店のオーナーのように思えたさ。あんた後ろの兄ちゃん達で稼いでるだろう、とでもいうような感じ。 ちなみにここまで意味不明さは続きます。わけわかりません。あげくセリフすらなくなって何か象徴的なシーンが続きます。そして気づきました。これは保村大和プロモーションビデオならぬプロモーション芝居だ!と。そんな考えを裏打ちするかのように、場面転換後流暢に喋れるようになったカスパーが再び客席上から登場するんですよ。髪形は当然オールバック。しかも今度は黒いロングコートですよ!もうこのヴィジュアル見れただけでも満足ですってくらいかっこいいし!そして何ていうの!?不適な笑みのまま私達の頭上を通り過ぎて行くんです、ああもう何て素敵な!!とどめで歌まで歌っちゃうし!!もうこれはプロモーション芝居だろう!誰が何と言おうとそうだろう!!そうか、だから保村さんが主演なのか!こんだけ役者いても1人芝居のように思えるのはそういうことか!!こんだけ難解でも全然眠くないのはこういうことか!(私だけですか?) 演出の狙いはここにあったか!!うきゃーーーーーーーーーーーーーー!!
と、あまりの保村さんのかっこよさに自分を見失いそうになってたらまたも私の興奮をカスパー分身兄ちゃん達がさましてくれました。白いシャツに文字がいっぱい書いてあったのを、こすって消してるんですよ。絡み合うように。もう1度書きましょうか?「絡み合うように」。美形+白いシャツ+赤い口紅+絡み合う=?演出の狙いにまたもひきました。思わず冷静に戻ったよ。サンキュー。
やがてその白いシャツは赤い血に染まっていき、カスパーも歌か演説の最後に何か発言した後我に帰るんですよね。「俺は何を言った?」って冷静になるというか。で、分身達が保村さんの服を脱がして髪の毛もほどいて(今度はOK!)血で染めていくんです。で、分身が消えて本棚が倒れ劇場の外へ保村さんが出てお終いお終い。いつのまにかカスパーは暗殺されてました。ふぅ、全然わかんねえ。
わかったのは保村さんが非常にかっこよく色気もある役者さんだということですかね。上手でした。セリフの意味はわかんなくても、保村さんの語る言葉に力はありました。見た目も演技もあんだけ保村さんを満喫できれば、保村さん好きとしては満足ってもんです。ええ。芝居としたら思い切り好みじゃないこともわかったけどね。 で、カーテンコールでぼとぼと降ってきたような落ちてきたようなあの花は何でしょう?最後の最後まで意味がわからんかったぜ。
(10/30 19:00 ベニサン・ピット)
|