おじいちゃんの夏


もうびっくり!たらちりさん、びっくりよ!!びっくり させてくれたわ、小沢真珠。もー、何ていうんですか。本当驚き。驚いたわ、心底。 ヘタすぎ。あえて赤字で書いてしかも連発したく なるほどヘタ。「天保12年〜」の沢口さんが上手に思えてきた。あそこまで強烈だと何か ある意味清清しくさえ思えてくるね。全然怒りがわかないんだわ。彼女が演じると気のせいか シーンと静まり返ってしまうような「痛い」「冷たい」空気の流れる劇場。思わず心の中で 「頑張れ♪真珠♪」と能天気に応援してしまいたくなるほどの演技だったよ。いやー、あの小沢さんに あの役をやらせたG2はチャレンジャーだね。人間チャレンジ精神大事だものね。失敗してると 思うけどさ。応援してても清清しくさえ思えても、それは明らかに強烈過ぎて感覚が麻痺した だけだから。2度見たいとは思わないし、もう出なくていいよとさえ思うのだが。何ていうか、 ねぇ、うん。あっぱれ。

と書きつつ、実は何で小沢さんに腹が立たないのか理由はわかってたりする。それは、小沢さんの あの演技でさえ「いんでねぇの?」と思わせてしまうほど強烈な怒りの対象が別にあるから。

あの両親、むかつくんですけど(怒)。

あいつら(←あいつら呼ばわり)何!?しかも特に母親!すっげぇ むかつくんですけど。嫌悪感と敵意むき出しなんですけど、私。全然笑えないんですけど。
オヤジ!リストラされたら家族養わないといけないんだからもっと真剣に職探せよ!しかも 借金あんだからもっと必死になれよ!!
母親!世間知らずとかそういうレベル超えてるよ!借金作ったのあんたなんだよ!子供あてにして 返済させるなよ!反省しろよ!最後まで反省なしかよ!!!ていうか、何あのおじいちゃんに家を 売ること納得させるシーン。「おじいちゃんのせいでクイズ番組出れなくなったんだから、責任は ちゃんと取ってもらわないと・・・」って、あのセリフ。誰が作った借金 なんだと(怒)。武藤さんが「お母さん、それ違うよ」って言ってくれたのが救い。 よく言ってくれたとたらちりさん感動。だがな(激怒)。それに対してあの母親は、爽やか〜な 笑顔で「それとこれとは違う問題よ♪」って!!客席から笑い起きてるし。いやね。笑うなって 思わない。G2だってあそこきっと笑わせようとしてるシーンなんだと思う。でもね。でもですね。 笑えないし。笑いたくないし。笑いってよりむしろ殺意生じたし(激怒)。

結局最後まであの両親はああだったし。反省ゼロだし。借金返済だって頑張って返したわけでも 何でもなく、おばあちゃんが大事にしていた皿売ってラッキー♪って返してるだけだし。てか、 おばあちゃんの宝物見事に売りさばいてるし。むしろあの皿をポケットマネーにしないでちゃんと 借金返済にあてた太宰の方が良い奴に思えてしまった。暴力団良い奴じゃん!とか思っちゃったよ。 渡世人悪い人いなーいとか妙な考え持っちゃったよ。自分の手汚してまで、組長のきれいごと理念を 守ろうとしてるなんて良い奴じゃん。しかも最後、危篤状態のおじいちゃんをちゃんと一緒に 見守っちゃってるじゃん。良い奴だよ、太宰良い奴なんだよ。それに比べてあの両親は(激怒)。

以下ちょっと話それるかもしれませんが、私は祖母と同居してます。祖母は既にぼけちゃって ます。ですのでぼけてしまった老人と一緒に暮らす、まして専業主婦でボケ老人をずっと見て いなくちゃいけない心労は想像することができます。そして自分の親ではなく相手の親だった場合、 愛情を無償で注ぐことができるかどうか、それは一概に理想論だけで語るべきではないとも 思います。憎しみや嫌悪が生じてしまうのも人間だと思います。ですから、正直あんな両親みたいな 一家は少なくないとも思っています。だからリアリティあって嫌だった。あの両親に共感したり、 あの両親でさえマシだと思える人もいるでしょう。でも。私の両親の場合母親の母というのも 大きいのかもしれませんが、私の両親や親戚は寝たきりになり何も理解していない目も開けない 祖母を「1人の人間」としてちゃんと接しています。私の目から見ても、彼らは献身的に自分の 時間を犠牲にして祖母に愛情溢れる態度で接しています。それがほめてほしいとかじゃなくて、そうやって ちゃんと老人を1人の個として扱う人たちを間近に見てると、あの実の父親であるおじいちゃんを 「金づる」「物」としか認識していなさそうなあの両親に対してものすごい嫌悪感が生じるのです。 あれもまた人間の一面かもしれないけど、あの小須田さん演じたおじいちゃんを自分の祖母と 照らし合わせてしまい、見ていてとてもつらかった。
ボケがなおったらなおったで知識を(お金の為に)あてにされ、その権利を失う(=お金が手に 入らない)とわかったら手のひら返したように皆に邪険にされて。あのおじいちゃん見ていて つらかった。かわいそうだった。あの両親が許せなかった。ぼけてないだけに、どれだけ つらい光景なんだろうと思うときつかった。だからこそ、最後の最後、死んで最愛のおばあちゃんに 「待たせたな」と再会するシーンでは泣けた。ようやくつらい現実から解放されたんだねって。 ゆっくり休んでねって。

だいたいあの両親は、「あゆみは私達にとって大事な子供なんです!」って・・・。いや、 大事にしてくれ。大事に思ってくれ。それはそうだ。だけどね。自分の親も大事にしようよ(涙)。 今更ラストになってあんなこと言われても「だからなんだよ」と言いたくなってしまう。あーもう ダメだ。あの両親本当ダメだ。むかつく。あゆみちゃんはかわいそうだけど、本当あの両親1度 破産しとけ。地獄見ておけ。むかつく。

花火のシーンはじーんと来たなぁー。後から香る線香花火の匂いがまた「夏だなぁ」って 思わせてくれてしみじみしました。
あと役者さんは1名抜かして上手でしたね。さらに2名は今後も恐らく今回の役のために嫌いな ままだと思いますけど。小須田さんと武藤さんは最高でした。宮吉さんも良かったー。

しっかし、これって「ファミリー」向けな芝居でしょ?いいのか?こんなん子供に見せて・・・。 ていうか、この芝居何が言いたいのか全然わかんねぇ。「甘い話には気をつけよう」「両親・子供を 大事にしよう」「お金を借りる時には契約内容に気をつけよう」「いざという時のために目利きに なっておこう」「渡世人の世界もいろいろなのよ」「リストラはつらいね」「友達関係は 大事にね」「子供を愛していない 親はいない(←これか?)」全然わかりません。
ただ、この芝居を見てあの両親に嫌悪感感じるのは自分が「大人」だからかもしれません。子供の 視線から見たらもっと違うものに見えてると思います。と、思ったりもしましたがやっぱり 「ファミリー」向けの芝居じゃないだろうーと突っ込みたい。

(8/27 19:00 青山円形劇場)

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