彦馬がゆく
HIKOMA,THE HERO


前評判がめちゃくちゃ高かった「彦馬」、見るのがとにかく楽しみでしょうがなかった のだけども風邪をひいてしまい最悪の観劇体調。前日38度の高熱だし体は痛いし劇場に何とか たどり着いたはいいけど直前までリタイアを考え、友人に辛かったら途中で消えることを告げ 何とか見始める。・・・おいおい。気づいたら芝居終わってたよ!3時間半笑って最後は ほろっと来てたよ!リタイア?最悪の観劇体調?すんません、あまりにも芝居がおもしろくて そんなことすっかり忘れてました。えへへ。

「恋愛戯曲」を見た時は「?」とどっちかっていうと不満気味だった筒井道隆さんですが、 今回はもうはまり役!?金之介似合ってたー。私はこの芝居初見なんで前の人のイメージを 知らないってのも良かったのかもしれませんが。ホンワカしたイメージが私の持つ金之介と ぴったりでした。お兄さんの伊原さんがやった陽一郎はおもしろかったけど私はちょっと しつこくてうんざりでした。都合よいところはおもしろかったですけどね。単に具合悪かったので 金之介のホンワカさを無意識に求めていたのかもしれませんが。
松重さん好きなんで見れて良かったんですが、竜馬を演じたってのもあるのか最初は何か かわいらしい竜馬だなぁ(身長でかいけど)と思ってましたけど・・・。後半は・・・。んー。 竜馬が出てくる芝居やドラマで「坂本竜馬って嫌な奴」って思ったの初めてです。ごめんなさい。 そう思わせる展開だったし松重さんの演技力もあるから益々そう思えたのかもしれないし そう思うことが芝居の思うツボなんでしょうけど・・・。というかあの時代だからしょうがないの かもしれないけど、どの時代にだって人の心はあるわけだから平気で小豆ちゃんの心を踏みにじった 竜馬を私はやっぱり許せませんでした。基本的に竜馬は好きな人物なんでそれもまたショック だったりして・・・。

梶原さんの桂小五郎最高!!あんなに笑ったの久々でした。耐え切れず拍手して笑って しまったよ。「人生で最も楽しかった瞬間」だっけ?あの梶原さんが「ぶぅわぁっはっはっは」って な感じで笑い出すのがもう楽しくて。カメラの前に桂小五郎が立つだけでそれが来るのわかって るのに、それでもおかしくておかしくてひたすら笑ってたなぁ。梶原さんはカーテンコールでも おいしいところ持ってったしね。小日向さんで終わると思ってたから、まさか梶原さんが着替えて もう1度出てくるとは思いませんでした。最高。もう桂小五郎ラヴ。ある意味最強のキャラだな。
阿南さんの近藤勇はもうたまらん。威厳あってかっこよかったんだけど、とにかくせつなくて 胸しめつけられる近藤勇でした。特に近藤の最期現れる時なんて・・・。追われてる身なのに 「武士が笑うのは己の最期の時だけ」だっけ?だから写真撮りに来る近藤も素敵だったけど、 その近藤をカメラで撮る彦馬もかっこよかった。とにかくあの近藤勇はめちゃくちゃかっこ よかった。
大倉さんは大倉さんだったね。やっぱりどこ行ってもあの人はあの人だ。

酒井美紀さん演じた小豆ちゃんは・・・。もう。最初は気が強くてでもどっかかわいい!って 感じだったけど、竜馬がおりょうさんと結婚したってのを知ってからはとにかく健気で見ていて 痛々しかった。金之介が家を出ようと思うってのを彦馬が得意気に話した後爆発してからは 本当見ていてつらかったんだけど、(ちなみにこの時の彦馬の「言わなきゃ良かったね」みたいな 一言は見事にツボりました。吹き出して死ぬかと思った)もーとにかく最後のあの靴でしょ・・・。 あれにはやられた。「坂本さんのことはもう吹っ切れた!もう全然大丈夫!」と全然大丈夫じゃ なさそうに連発してたけど大丈夫じゃないのは誰の目に見ても明らか。だけどあの靴はそれでも やられた。崩れ落ちそうな家に靴を取りに戻って、転んで靴が転がったのを必死に拾って思わず 抱きしめてしまう・・・。あれを見た時もうだめだった。せつなすぎ。あれだけでいろんな心情が 伝わってきちゃって、あの瞬間本当に竜馬を憎んでしまった。友達は泣いてたなぁ。私はギリギリ 泣かなかったけど、思い出してもこみ上げてくるものはありますね。
そんなせつないシーンあるけど全般的にホンワカしたイメージだったのはもう彦馬演じた小日向 さんにつきるでしょ!最高。彦馬のイメージにぴったりだったし、あのどこか気の抜けた感じが とにかく最高だったなぁ。「ハニムーン」の話をあの小さなところで聞いてる時とか(あれいつから 入ってたんだ?)とにかく雰囲気がぴったりすぎて最高でした。救われました。

カメラという機械(今では珍しくも何ともないけど)の前で繰り広げられるドラマと、幕末という ある種特殊な時代をあわせた芝居・・・三谷さん天才!少なくとも私にはそう思えるほど完璧な 芝居だったなー。話も演出もキャスティングも全てにおいて文句ないです。あんなにあっという間 だった3時間半って久々。笑いつかれて最後はほろっと来てそして彦馬に心救われホンワカしたら 桂小五郎に最後全て持っていかれたそんな芝居でした。家が崩れたのも迫力あったね。

とにかくこの芝居を見れて本当に良かった。元気なかったけど元気もらったし。お芝居って 良いもんだと改めて認識した、そんな観劇でした。最高でした。ありがとう。

(1/25 19:00 PARCO劇場)

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