十字架
阿佐ヶ谷スパイダース


まず芝居内容と全く関係ない所から話を始めさせてください。私は「良い男」好きです。観劇におけるその芝居の中での「良い男」度ってのは私にはすさまじく重要です。もちろん「良い男」が出てなくても女優だけでも良い芝居は良い。ただそこに「良い男」というポイントプラスがあるとそれはもう評価としてはでっかいプラスポイントになるわけです。演技の上手な俳優さんとかそういう意味でもないです。見た目的に私の中でヒットすればもうそれは「良い男」。私は2枚目が好きです。(私の好きな俳優さんを2枚目と思うかどうかは個人の主観ということで) だからどんなに演技が上手でも私の中の「良い男」基準にひっかからなければ、私の中の「女」は刺激されません。(くどいようですが芝居の感想とは別です) 具体例を出せば「阿修羅城」の染さまダントツに、「野獣郎」その他の堤さん、「天保」の池田成志さん、上川さん(ある意味無条件)、そしてやっぱり「朝日91」とか「贋作・罪と罰」での筧さんですね。「抱きつきてー!!!」と思うくらい私の中の「女」は刺激されまくってたのです。他にもいっぱいあるけどとりあえず。
そういう観点からすると、今回阿佐スパの芝居に出てた人の中で見る前から私を刺激する「良い男」はいませんでした。(くどいようですが私の個人主観で) 三上さんはとてもとても演技が上手で安心して見ていられるし好きなんですが、私の中の「女」が刺激されたことは1度もありません。多分見た目的に違うのだと思います。(くどいよう(以下略))

ですが。
今回この芝居の三上さんを見て私はとにかく「抱かれたい」と思ってしまった。(書いてて恥ずかしいずら) もー「抱きつきたい」じゃなくて「抱かれたい」ですよ、どうっすかこれ。初めてですよ、こんな感想。何が私をヒットしまくってたのかはわかんないけど、とにかく愛しくて三上さんに恋した2時間?でした。あの白いシャツがいけなかったのだろうか。おっさんくさいのに(ごめんなさい)すさまじく愛しかった。いい、三上さん、いい。いきなり私の中での「良い男」ランキング初登場上位ボーンって感じ。

以上を踏まえて、芝居の感想。
個人的には「日本の女」の方が好きだなぁ。今回もダークでBLACKで長塚節はいたるところにあったと思うし中山さんおいしかったし伊達さんは良い男だし(でもヒットせず)長塚さんおいしいところ持ってくし。何より千葉雅子さんが良かった。(三上さんは言わずもがな) でも中だるみー。何か知らんけど中だるみー。多分席が悪かったのも関係するのかな。すごい前の席だったのはいいのだけれど端っこの方で、首が痛かったのだ。2回バルコニーあたりを見上げた時とか、反対側(家が反対側にあったので・・・)を見てた時とか。つらかった。
でもやっぱりすごい笑ったけどね。カブトムシ出てきた日にゃどーしよーかと思いましたよ。卑怯な反則技使うよなーって。カブトムシが反抗的になってくのもすごい好き。話としては問題提起なのか社会の黒い部分だけピックアップして「後は適当に考えてね」って感じなのか洞察力のない私にはわかりませんが、それでも最後はインパクトあったなー。愛する三上さん(単純な私)の最期も良かった。「ああああ、死なないでぇぇぇぇぇぇ」って感じ。その後オロオロして許しを求める長塚さんが、十字架に貼り付けられたキリストの格好するんだけどさ。クリスチャンという設定(実生活でもそうだとか?)の千葉さんが長塚さん叩いて「何やってんのよ、あんたぁ!!」の一言で終わる。この一言で終わらせるのが結構インパクト強かった。まさにそーだよなーって感じの一言で、いろんな意味にも取れるしで千葉さんナイス。考えた長塚さんナイス。
悪いことしてると後で痛い目にあうぞっていういわゆる道徳物でなく、悪い奴でもずる賢く要領良ければひょいひょい世の中渡っていけるもんよ、っていうまさに現代っていうのを象徴した伊達さんの設定もナイス。気に入らないけどね。

前回「日本の女」にもすごい好きなセリフがいっぱいあって、「このど素人―!」とか「先生が学校を出ても先生だと思うなよ!」とか好きだったのですが、今回もすごいツボにはまったセリフがありました。
「人を愛するってのはなぁ、どう愛されるかじゃなくてどう人を愛するかってことなんだよ!!」(by三上さん) こんな感じのセリフですが、これだけでも良い言葉では確かにあるんだけどその直後の舎弟の彼(役名も役者名も忘れました)の「何でいきなり割とピュアなんすか」っていう切り返しにやられました。そーきたかー!!って感じで。そう返すか、すげぇこのセンス。しかも三上さんが「あ、そう?ピュアだった?」といきなりまたボケボケモードに戻るところがたまらなく好きです。ああ、このやり取りだけでももう1度聞きたい・・・。

でもまぁ、この芝居って結局三上さんが言った「人を愛するってことはどう愛されるかじゃなくてどう人を愛するか」ってことを言いたかったのかもしれませんね。わかんないけど、皆愛されるというよりむしろ強烈に誰かを愛してたと思うから。

(3/17 13:00 東京グローブ座)

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