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アテルイ 待ちに待った芝居。ジューダス・プリーストが流れてきた瞬間「ついに、ついにこの時が!」と
それだけで感動して震えた。客電が落ちて芝居が始まったとわかった瞬間、涙がこみ上げそうに
なるなんて久々の体験でした。いやー、本当待ちわびた瞬間だったよ。演舞場に入っただけで
ドキドキしたもんな。ついに、ついに!みたいな。 芝居としては新感線テイスト薄め。歌最初の1曲目だけ。ダンスもそれだけ。ギャグ控えめ。
出門が笑いを取ろうとするおちゃらけ男だったのに対し、
アテルイは終始2枚目のかっこいい役でしたね。真面目というか。その分堤さんが笑いを取る間抜けな
一面を見せてくれてたし、まぁ何より橋本じゅんさんがのびのびと笑いを取りたい放題持ってってた
のでいいのではないでしょうか。アテルイの最初、烏帽子の名前をすっかり忘れてる所とか笑えた
しね。 2幕、とにかく私はアテルイに感情移入しちゃって大変だったのよ。捉えられ、裏切られ、 帝に対して復讐の鬼になって帝の兵を次々と斬っていくシーン、あのシーンのアテルイが何か 泣いてるように思えてね。アホっぽい解釈だけど。でもね、そう思えて仕方なかったの。 蝦夷のことを考えて蝦夷の為に生きて蝦夷の為に死ぬ覚悟もしてたのに、裏切られ仲間は目の前で 殺されて。斬りながら泣いてるんだと思ってた。つらいだろうなぁって思いながら見てた。 だから田村麻呂に斬られた時、ようやく肩の荷が降りたみたいな安堵感を私が感じてしまった。 もうだめっすね。何が何でもアテルイ視線でした。 鈴鹿と烏帽子の関係がちょっとわかりにくかったけど、とにかく烏帽子。何が何でも烏帽子。 かっこよすぎるでしょ、最高。殺陣に関して染さまも堤さんもすごかった。烏帽子もかっこよかった。 水野さんは正直もっとすごいのかと思ってたので「あれ?」って感じ。ただまだ初日で体が 慣れてないんだと思ったので、今後もっとすごくなると期待。いや、田村麻呂とアテルイの戦いも 非常にかっこよかったんだけど、アテルイと烏帽子(=神)の最後のシーンが1番好き。とにかく 好き。あのシーンだけでも何度も見たい!!烏帽子のかっこよさに心底しびれたよ・・・。西牟田 さん、すげー。天保といい、今むちゃくちゃのりにのってません?かっこいいよぅ。 あとはもーアテルイのヴィジュアルですか。何でこうも私のツボをヒットするかな。舞うように
殺陣をする染さま。その度にふわっと広がるスカート。いやーーーーーー(崩壊)!!!!!! とにかく初日でこの完成度なら私は大満足!まだあと2回ほど見る予定なので(可能であれば もっとチケット取るぜ。でも今のところ完売で不可能だぜ)その後の変化が楽しみー!!私の 感想も今後どう変化するでしょうね。とにかく今はアテルイが。あと烏帽子。この2人に強烈に 心奪われました。待ってて良かった。そう心底思えた5日の夜でした。・・・新橋演舞場に 住みたいよぅ。毎日見たいぜ。 とりあえずじゅんさんの「あ!雨戸閉めた?」で素笑いをしてしまい、扇子で笑いを隠す 植本さんに、うつむいて何とかこらえてる堤さんが非常に印象的でした。じゅんさんは、今回も 出番のわりには卑怯な役だったと思います。強烈に印象残ってるし。いい! (8/5 18:30 新橋演舞場) 最終週の土曜日のソワレと、千秋楽と2回見てきました。阿修羅城の楽の話を聞いて以来、何が 何でも楽は見たいと思っていたのでとても嬉しかったです。ソワレは本花道すっぽん近く、楽は 仮花道のすっぽん近くと何とも好位置で見ることが出来ました。両方見て思ったことは、「衣装って すっげぇ手がかかってるんだなー」とか、役者の皆さんの細かい表情にもう脱帽したり、堤さんの 顔が小さいなーってこととか、水野さんがすごいきれいで何よりも最後帝に乗り移られた鈴鹿の表情 が最高だと思ったこととか、そして染さまが何とも美しくかっこよく素敵過ぎて失神してしまいそう と思いながらもろ肌脱いだ染さまの脇に注目してしまったこととか。青い瞳に気づきもせず、脇 見る私ってどうよ。だって好きなんだもん。(←理由にもなってない) すっぽんから染さまが 上がってくる時、それに気づいてなかった私は突然横から声が聞こえてきて振り向くと、染さまの アップが!思わず目をそらしてしまったへたれな私。楽もね、「哀愁でぇと」をいっけいさんが 非常に楽しそうに嬉しそうに満足そうに熱唱している間横にいた染さま見たかったんですよ。んで、 染さまが一瞬客席に目を向けた時、目があいそうになった私は思わずそらしてしまいました。 この、このへたれな己が憎い!!しっかし素敵だ。素敵すぎてもうわけわからんくなる。 染さま=アテルイが好きというのはもう私の中では「基本」なので、あえて除外すると、今回の
芝居で最も私の心を捉えて話さなかったのは烏帽子=荒覇吐=西牟田さんです。荒覇吐かっこよすぎ。
最高。泣けた。せつない。せつなすぎるでしょ、あれ・・・。神として、女としてアテルイを愛でて
必要として側にいてほしいと望んで、そして拒絶され殺される。力の衰えを感じ、戦神として、
男としてアテルイを欲したにも関わらず周囲からは「もういいじゃないですか!」と言われてしまう。
「もういいじゃないですか!」=荒覇吐の死だと誰もがわかっていても。最後には孤独なまま死んで
しまう荒覇吐にもう完全にやられた。西牟田さんの低い声がまた迫力があって、アテルイに向かって
「聞けん!」と叫ぶ声には鳥肌立った。迫力あるのに、「私を見捨てるのか?」と言うときだけ
突然か弱い声になるところとか、「・・・口ばっかり・・・」の時とかもうせつなすぎてダメ(涙)。
そんな風に荒覇吐に感情移入して見てしまっていただけに、最後御霊午前が帝に乗り移られた鈴鹿と
戦うアテルイに向かって「欲していた者の姿で現れる」という表現を使った時に苦しくなりました。
アテルイが欲していたのは本当の烏帽子。荒覇吐の化身を殺してでも守りたかった女。最後まで
結局荒覇吐の思いは「神」としてでも「女」としてでもアテルイには届かない。そう思うと非常に
つらくてしょうがなかった。御霊午前が憎くなりましたよ。しくしく。それでもきっとそんな男
でも、荒覇吐はアテルイを守りたかったんだと思った。それは、最後に荒覇吐の紅玉が再び光った
時。「蝦夷の魂?」とアテルイは言ってたけど、私はどうしても荒覇吐の力だと思った。「最後に
もう1度、お前を守ってやろう」という愛なんかな、と。あの時アテルイはもうどんな形にしても
生きて蝦夷の地に戻れるとは思ってなかっただろうし、死は覚悟してたと思う。だからこそ、荒覇吐
の「待ってるからね」って言葉に思えたのだったり。 田村麻呂は素敵でしたが、実はまぁ何ていうか結局アテルイへの思いよりも荒覇吐への思いよりも
気持ち的には下だったので、とりたてて書くことなかったり。いや、かっこよかったの。素敵だった。
あんな人身近にいたら惚れるでしょーってくらい素敵だったんだけど、とにかく!今回はアテルイと
荒覇吐にKOされたのよ、私。でも堤さん上手だよね。蝦夷への思いで常に張り裂けそうな緊張を
保ったアテルイに対し、柔和な感じがする田村麻呂。その対称さが非常に良いバランスだと思った。
だからこそ、最後の最後にアテルイが「人としてな!」と叫ぶ時の笑顔が大好き。(ちなみにこの時の
染さまの声が何よりも大好き) その柔和な感じは堤さんだからこそ出せたような気がする。明るく
前向きな感じっていうのかな。それって堤さん本来の持ち味な気がするんだよね。それが今回は
見事に田村麻呂にマッチしてた気がします。 細かい演出が変わっていき、阿毛斗が最後2人の娘の遺髪を掲げて死んで行くとか、アテルイの刀が
アテルイ死後もそこに残っているとか、ああ、これらの演出がDVDに収録されていないと思うと
悲しい・・・。 語り足りない。語りつくせない。言葉が足りない。これだけ書いておいてなんですが、この芝居の 感想ってこんな感じなのよ。映像化が待ち遠しくてどうしようもない。阿修羅城見終わった後の 感想に非常に近い。夏が終わりました。アテルイを待ち続け、楽しみにして、楽が楽しみででも 楽が非常に悲しくて。あんなにジューダスの音楽聴いただけでせつなくなると思わなかったです。 アテルイの開演を告げるジューダスは今日が最後なんだなー・・・って思うとね。本当に終わって ほしくなかった。アテルイの終演と同時に、私の夏は終わりました。抜け殻のように脱力して、 せつなく、せつなく、ふと恋しい気持ちになります。 まだ、残暑は厳しいけれど。 (8/24 17:00 新橋演舞場)(8/28 13:30 新橋演舞場) |