阿修羅城の瞳
劇団☆新感線+松竹MIX


出門LOVE!!
(あー、すっきり)

2000年に見た「阿修羅城の瞳」(感想はこちら)、そこで 市川染五郎さん演じた出門に心を奪われて早3年。 そうよ、再演(新感染の芝居の)。ふふふふふ。
この8月8日の初日というのをどういう気持ちで迎えたか。落ち着きなかったことよ。 しかも最前列って!ありがとう、ひつぢさん。素敵な席でした。

新橋演舞場が見えた時、ジューダスの音楽が聞こえた時、童歌のメロディーが流れてきた 時、私の感情は「そうだこれよこれよこれよこれよ!」と頂点まで昇りつめ、そして聞こえて きた笑死の声で一気に下がった。何じゃ、ありゃ。事前情報として聞いていたものの、何か 受け入れがたいものがあった。そして、軽い晴命さん登場。うーん。 心底「平田さんカムバック!」とか思ってしまった・・・。そしてそして美惨登場。 うーーん。 「妖しい」という美惨のイメージが、「怪しい」というものに変わったような。一言で 言えば「変人」というか。いかれてるというか。これから変わっていくのかなーとも思うけど、 どっしりとした揺ぎ無いものを抱えてるようには見えなかったなぁ。そして邪空 登場。でかっ!タイトルの幕は圧倒的に前回の方がかっこよかった。今回は正直、 ちゃちい。

基本的に前回と演出も展開も変わっていないなぁと。出門は2度目ということもあってか、 非常に落ち着いた感じ。アテルイの経験もプラスに働いているんだろうけど、特に出門の持つ 色気が恐ろしいほどに増していた。鼻血もんですよ。そして確信犯的に田村正和さまを意識 した登場シーン。確信犯に歌舞伎座を遊んだ鼠小僧の着ぐるみ。まさか着ぐるみとは・・・。 着替えシーンが目の前だったので、非常にかわいかった。前回も魂抜かれた「恨むかよ、この 俺を・・・」等のシーンは全部残ってた。「秘め事なんだよ!」とか。ぞくぞくした。 パンフに染さまが書いていたけど、しばらく現実に戻れない、というくらいの演技をしたい って。どうやって現実に戻るのかをむしろ教えてほしいってくらい、今回も魂抜かれた。 あの長髪はー卑怯ですよー色気すごすぎですよードキドキしたよー。美しさに磨きが かかってた。あとは、前回のように声をからさないでいてほしいなぁと。多分大丈夫だとは 思うんだけど、あの声はやっぱり素敵なので、あのまま突っ走ってほしいな。

天海さんは!つばきの時も良いんだけど阿修羅の時の方がもう!かっこよくて見栄えが良くて うひゃーって感じ。楽しみだったので、その予想以上のかっこよさにくらくらした。ただ、今回 メイクがつばきと阿修羅に全く変化ないのよね。富田さんの時、鬼のメイク好きだった んだけど。これも変わっていくのかしら?
南北は元気なおっちゃんって感じで良かったです。加納さんとは違った腹黒さが。とりあえず 南北の登場シーンは大笑いさせてもらいました。
三界衆は。2人強そうです。そして1人だけ弱そうです。ごめんなさい、河野さん。そして1番 腹黒そうでした。右近さんが五行の封印として出てきたけど、あのメイクは非常に恐いです。 アップで見てドキドキした。そして、あのキャラが見事に生かされていて、まんまとやられた。
じゅんさんは卑怯だ。卑怯すぎて死ぬかと思った。だいたいさー轟天はもう終わったって 言っておきながら轟天ばっかじゃんか!祓刀斎まで轟天かよ!最高です。卑怯でもワンパターン でも何でもいいから、私は今回じゅんさんが祓刀斎をやるって聞いて最高に面白いのを 期待していたので、その期待を遥か彼方まで上回ってくれたので大満足です。
聖子さんはちょと残念。賀茂兄弟が出ないから桜姫の出番が基本的に少ないのが・・・。 も、もったいねー!登場シーンは全部文句なく面白かったけど。桜姫以外でも出てるらしいけど 全くわからなかった。
晴命は今後化けてくれることを祈ります。初日は弱いと思ってしまった。歌が特に「・・・」 って感じなので、尚更。
美惨は背中そりすぎ。不適な笑いしすぎ。恐い。喰われそうだ。邪空と男女の関係っぽい けど、笑死にもちょっかい出してそうだし、わけわからん。あの胸を強調したのはさすが 夏木さんだが、あの高音はやめてほしい・・・。
笑死はむしろ役を削ってほしかった。もー声を大にして言いたい。新谷さん、カムバーック!! あんな重要な役をチョイ役に変えられるのはむしろ才能だと嫌味を言いたい。

で、邪空なわけですよ。伊原さん。実は全然期待してなかった。でも不安もなかった。自分の 中で古田さん以外の邪空が全く想像できなかったので、どっちにも思えなかったのよ。 で、めちゃめちゃかっこよかったわけですよ。なんだろう、古田さんとは全くの別物で、 どっちがより良いって言うんじゃなくて伊原さんの邪空はすごく良かったの。特に2幕。 出門に対する嫉妬というか憎しみというかそういったものがすごくストレートに伝わってきて、 切なくて切なくて。最後の最期に死ぬところとか。「俺は寂しがり屋でな」っていうセリフが、 本当にそう聞こえて切なくて。結局邪空は誰も信じれないままに死んでいったのかな、と。 無理矢理自分を信じようとしていたのかなって。めちゃめちゃ感情移入。
出門対阿修羅っていう構図もかっこよくてきれいで、でも前回はそこが非常に切なかったのに 対して、今回はそれをも上回って出門対邪空が切なかった。だからむしろ出門と邪空の シーンの方が好きだった。
柔らかな色気を持った出門に対して、頑なに1つの道しか進めない剛の邪空。汚れない美しさを 持った出門に対し、汚れてでも生き延びようとする邪空の美しさ。自由に何かを追える出門に 対して、出門しか追えない見えない邪空。はっきりとした明と暗。 今回この2人の対比が非常に非常に非常に私の心にツボでした。ストライクゾーンに直球 ど真ん中でした。つまりは「邪空LOVE」

とにかく、メインの3人が非常に非常に良かったのです。今後どう化けていくのか、楽しみ です!早くDVDにしてくれー!(←気が早すぎ)

ちなみにTAKIの歌は良かったです。でも、全体的に歌に関しては前回の圧勝。
全体的に前回に比べて笑いが控えめなのは、邪空の存在だなと思いました。 古田さんじゃないから、と言った方がぴったりかも。

(8/8 18:30 新橋演舞場)


初日後、3回見た。2回は当初の予定通り、1回は我慢しきれずに3階席からの観劇。 あああああああ、3階で見ると非常にきれいなのね、照明。

上のレポで「邪空ラヴ」と書いたわけですよ。「出門vs阿修羅王」よりも「出門vs邪空」 の方が切なくて好きと書いたわけですよ。でも、残りの3回は「出門vs阿修羅王」の方が 好きでした。特に、阿修羅への転生直後。「恨みまするぞ、出門殿」のとこ。背筋がぞくぞく するほど、阿修羅がかっこいい。転生してからの阿修羅は本当に最高です。
が!が!が!!!!!唯一天海阿修羅と富田阿修羅を比べて、圧倒的に富田阿修羅に 軍配を上げるシーンが1つあります。(他はまぁ双方良い部分ありってことで。そもそも 比較が意味を成さないわけでして) 私にとって ですが、天海阿修羅が逆立ちしたって2000年版には勝てねぇって部分があるのですよ。 これは天海さんってよりも演出だと思いますが、最後の出門との戦いのシーン。「今度こそ 殺してくださいますね?」という阿修羅(つばき)の問いかけに、「約束だからな」と 答える出門。そう、ここなの。ここなのよ!この後の「約束?それだけ?」という このセリフ!富田さんのこのセリフは切なかったの。「阿修羅王としての業」を、「愛する男」 が断ち切ってくれる、その為にこの男は阿修羅城に来たのではないの?私を救ってくれる わけじゃないの?約束?ただそれだけ?という切なさ全開に思えるのですよ。(考え すぎ?) だから、その後の「突き立ててぇんだよ」という出門のセリフが、阿修羅(つばき)の 問いかけに対しての「愛してる」という答えに思えてたのです。そして、その後の「出門」 という阿修羅(つばき)の呼びかけがとても嬉しそうで、更に切ないのです。ああ、切ねぇ。
でもさー・・・天海さんの阿修羅のこのセリフって、 「約束?それだけぇ〜?」って感じなの、文字にすると。ニュアンスとしては、 伝わるか不安ですが「それだけぇ〜?んもう、それだけじゃない くせにっ♪私にはわかってるんだぞ(はぁと)」って言い方なの。言いすぎだけど。
これにはもう、それまで突き上げてた切なさが一気にゴンドラ1番下まで下がりますって くらいに下がってしまうのよ。その後の出門の「突き立ててぇんだよ」のセリフも、 年上のお姉さんに全て見透かされて手練手管でいかされてしまった人の苦し紛れの見栄っ張りに しか思えなくて、「出門」というその後の阿修羅(つばき)の セリフも、「ほーら、やっぱりな」に聞こえてしまうし。なんか切なさに欠けるのです。 言いすぎですが。
だから、キスシーンの切なさも2000年版の方が好きなのよねん、ここは。

とはいえ、2003年版も非常に大好きなわけですが。

夏木@美惨は1度目よりは2度目が良くなり、2度目よりは3度目が良くなり、4度目に いたってはそれまでで1番受け付けなかったという不思議な感想です。近藤@晴明も 特に感想は変わらず。小市@南北も同様に特に感想変わらず。じゅんさん@祓刀斎と 聖子さん@桜姫は見れば見るほど良いお味。笑死は頑張ってたけど、回を重ねるごとに 私の中で存在感が消えて行きました。

伊原邪空は切なさ倍々増し。殺陣の恐ろしさも倍々増し。見るたびに怪我しないか 不安になるのよ。恐いよ、出門vs邪空の殺陣。速すぎ。でもかっこいい。あの切なさが たまりません。

邪空といえば、ぴーとさんがカーテンコールでの邪空の挨拶がかっこいい!と言ってた けど、私もかっこいいと思うんだけど、なぜか私は阿餓羅(だっけ?)の横山さんの スカート(みたいなもん)翻せての挨拶にいつも惚れ惚れしてました。藤家さんの挨拶 だったらごめんなさい。

早くDVDで見たいなぁーって、本当心底そう思うんですけど。

蛇足。意味の無い2000年版との比較します。比較嫌いな人、ごめんなさい。上でも 比較しちゃったけど。2000年版は「悲恋」で、全体的に切なさMAXなんだよね。2003年版は 個々の切なさは非常に高いのだけど、全体的には幸せな感じがあるの。それは、多分2000年 版は染さまも初新感線でいっぱいいっぱいで、新感線も初新橋演舞場で、その上での 「崖っぷち」感がすごくあったと思うの。ある種お祭り。全体的に余裕がなく、それが むしろ切なさを増してた原因だと思ったりなんかしたり。全員必死だったから、そのまま 出門も阿修羅も必死に見えたのかも。
それに対して今回は安定した感じ。崖っぷち感が なくなった為に、大人のラブストーリーに思えたのかも。愛し方がすれ違っ不器用な2000年 版に比べて、愛が成就した2003年版とでも言いましょうか。だから今回、Happy Endみたいな 感じがした。
同じ芝居なのに印象が全然違う、2度美味しい感覚。どっちが好きかは 完全に好みだもんね。私は、どっちもどうしようもなく好きー。

あ、あと1つ2000年版の方がすごく好きな場所。OPのタイトル。あれは2000年版の圧勝。 でも今回の、OPの阿修羅の登場。沈みきる直前の阿修羅の笑みにしびれた。あれ、 かなり好き。

(8/16 17:00 , 8/21 13:30 , 8/30 17:00 新橋演舞場)

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