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九月大歌舞伎 夜の部 ]
1:米百俵 小泉首相も見たという米百俵。仕事の都合で見れませんでした。いきなり、こんな感想で(しかも感想じゃないし)すいません。
2:紅葉狩 私が歌舞伎座に間に合ったのはこの演目からで、真っ先にしたことはお弁当食べたことでした。えへへ。幕間だったんだもんで。で、演目としては。えーと。その。いや、起きてたよ。寝てはないしおもしろかったんですがあんまり印象残ってないなぁ。お付の2人のコミカルな舞がとてもおもしろかったという記憶はありますが。
3:女殺油地獄 これだよ!これが見たかったんだよ!染さまってだけでも十分見たいんだけど、もともとこの演目が見たかったのだよ!何が1番見たかったって、「油まみれになって暗闇の中殺しあう」ラストシーンが見たかったのだー。歌舞伎って形を重視したり動きがとてもキレイに見せるってイメージがあるので(←歌舞伎初心者のため本質理解してません)、そんな歌舞伎でどうやって想像するだけでも凄惨なシーンを演じるのかと思ったら、歌舞伎に興味持ってからずっと見てみたかった演目でした。そしてそれが染さまで見れるなんて!!あうー。
結論としては、その最後のシーンは思わず口をポカーンと開けて見入ってしまった。
染さま演じるどーしよーもないろくでなしの与兵衛は本当にどうしようもないろくでなしで(苦笑)、こんな奴身近にいたら殴ってやりたくなるなーとか、両親本当に大変だろうなーとか、孝太郎さん演じるお吉が思わず見かねて声かけちゃったりするのもわかるような気がするんです。そのろくでなしっぷりだとかそういうのはとてもおもしろくて、結構笑ってしまうんですよね。8月の野田歌舞伎もそうだったけど、笑って笑って笑わせて、最後にドカンと落とすって展開歌舞伎では多いんでしょうかね。今回もまさにそうだったんですが。
とにかく、最後本当に油(水?ゼリー?)まみれになってお吉を殺す与兵衛の顔の豹変と言ったら!刀に気づいた瞬間の一瞬の変化にもぞくぞくとしましたが、何ていうかもう本当ねー。ええ。(何て言っていいのか全然わからん) 2人の動く音だけ。すべる音だけ。物音だけ。悲鳴だけ。息遣いだけ。薄暗い舞台の上で、誰の救いも来ないこともわかってるのにそれでも思わず救いを求めてしまう凄惨なシーン。形を重視してきれいな動きと思っていても、それでも十分恐かった。あの迫力は何て言葉にしていいのか全然わからないのだけれど、あの迫力はもう想像以上のもので、殺人の後お金を盗んでそれこそ逃げ出して幕になるのだがその後も私はしばらく体が動かなかった。
自分も含めて「恐い」と思うのは、あの殺人のシーンで思わず笑いが聞こえてくることだった。私も思わず何度か笑った。それは、与兵衛が豪快にすべるから。お吉を殺そうと追いかけるけれど油にすべって思うように動けない。与兵衛がそうやって豪快にすべって転ぶたびに、思わず小さな笑い声が周囲から聞こえてくる。私の顔も思わずほころぶ。だけどそれって殺人シーンなんだよね。ふと、恐いと思った。
やっぱり歌舞伎っておもしろいなー。つくづくそう思わせてもらったこの演目でした。最高。
(9/21 16:00 歌舞伎座)
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