幸せな孤独な薔薇/クチーナ・ミラノ
(5月14日19時 新宿シアターアプル 1階2列8番席にて観劇)


イギリスとかヨーロッパの絵本を探せばこんな話ありそうだよなぁーって感じの芝居。回想が始まってすぐ、ミサとルカで話す「嘘」についての内容。とりあえずその時点でラストは想像できた。それくらいよく聞く感じの話だと思う。ああ、そうね。ってどこか共感してしまうような感じというか。正直言えばあれほどひねくれるのは好きではない。ああいうひがみは嫌いだ。「あなたはかわいいからいいのよ」とか、「おじい様だってあなたみたいな可愛い子の方が嬉しいに決まっている」って美しいミサに言う主人公のルカ。その言い方も言葉も好きじゃないの。自分も小さい頃使ったことあるからわかるの。(←使ったんかい)「そんなことないよ。君も十分かわいいよ」というその一言を求めているそのひがみ。見ていて「じゃかましいわぁーーーっ!!!」って言いたくなるほど好きではない。

だけど、何でか知らないけどこの芝居に関してはそれでいいんだよなぁー。何でだろう。ラストがみえみえでも、主人公がむかつくほどひねくれていても、薔薇の香りは最初から充満してましたけどって感じがしても、それでもこれはこれでいいのよ。うーん、謎。否定しようと思ったらたくさん浮かんできそうなのに、(←っていうか既に書いている)一言で言ってしまえばそれがこの芝居の魅力だったのかも。前評判でとにかく感動した!!ってのしか聞いてなかったので期待してたんですが。タオルがぐしょぐしょになるほど泣くかと思ったら全然泣かなかった。なのに、おもしろかったんだよね。感動ってんじゃなくて、うーん。この芝居に感動しないのは、私は汚れすぎているのか?とは思ったけど(笑)。(←認めない) 

リラクゼーション。癒し。そんなイメージ。あふぅー、日々の疲れがとれたわいってな感じ。たとえば自分の心にどかんと響いて気づいたらぼろぼろ涙が溢れていて涙で舞台が見えなくて、しょーもないシーンでも泣き笑いしてしまうのが自分でもわからなくて胸が本当に痛くて思い出すと今でも涙が出てきそうなほどの癒しの芝居ではないんですが。癒しの種類が違うんだな、きっと。こう落ちつくっていうか、安らぐっていうか、薔薇の香りが関係してたのかな。アロマテラピー?全く思考を働かせないってのも癒しですなって思った。たとえばラストはどうなるのだろう?っていうどきどきや、犯人は誰?っていうどきどきや、そんな慟哭も憤慨も恐怖も歓喜もない。淡々と流れていく芝居の中で自分の疲れもふひぃーって消えていくっていうか。

良い意味でずば抜けた役者もいなかったし。良い意味で、です。芝居の持つ雰囲気とか空気を壊さない程度でしょ、みんな。だから安心して見ていられた。前述しているように主人公のルカの考え方が根本的に受け入れられないから、それを大前提としている登場人物の心情には共感はしない。話もどこかで聞いたことあるような話だから感動もしない。でも、癒された。温泉入った後みたい。(←失礼かなぁ?)

音楽はまさにつぼだった。すっごい好きかも。いいっ!!加藤さんの選曲は素晴らしいですね。うんうん。つぼだ、つぼ(*^-^*)

小さい頃すごい好きだった絵本とかおとぎ話を、大人になってから偶然見つけ読み返した時のような感じ。それが一番近いかな。だから反発もするしすごい感動するほどでもない。でも、何でか癒されているの。

こんな時代。衝撃的であればあるほど受ける時代。そんな時代に、こんな時代だからこそ、こんな芝居があるのはいい事だと思う。

BACK