燃えよ剣


「求めてたもの」と「与えられていたもの」があまりにもかけ離れていたので消化不良を起こした典型的なパターン って気がする。撃沈した1回目。怒りしか残らなかった観劇は久々だったわ。まさかあれだけ豪華なキャスティングで 上川さんなんか文句ないくらいかっこよかったのに、怒りしか残らないってのもすごいや。で、「コメディーだから」と 割り切って見た2度目。それはそれで面白かった。まあ、2回目見ておいて良かった。でも3回も見る芝居ではない、 私には。なぜなら、長い。長さが全く気にならない!っていうほど入り込むわけではないので、 というか2度目の観劇の時なんか寝たし、長さばっかり気になるので何回も私は見たくない。

それでもかなり色々なエピソードはカットしてるんだよね。さすがに全部はやれないし、そりゃしょうがない。 ただ、その割にはお雪さんとのエピソードは結構しっかり描いておりましたね。富田さんのお雪はイメージに比較的 近かったので全然不満ない。むしろ、いい。
書きたいことは基本的にMEMOでずらずら書いてるので、しょーもない「大河との比較」をやってみようっと。同じ新撰組 だし。

#土方 ... ビジュアル的には明治座>大河。演じた役者の好き度も明治座>大河。でも私の中の土方像の イメージとのぴったり度は大河>明治座。なぜに大河の方がイメージに近いかっていうと、「鬼副長」になれそうだから。 明治座の土方は、最初から最後までやさしかった。
#近藤 ... 年齢的な問題だと大河>明治座なんだろうけど、私にとって大河近藤が明治座近藤に勝ったのはその 「若さ」だけかもしれない。
#お雪 ... 大河出てないし。
#沖田 ... かわいい度大河>明治座。爽やか度明治座>大河。イメージ的なもの明治座>大河。それはつまり、月代 が似合うか似合わないか、の違いな気がする。
#山南 ... びみょー。明治座の山南も良いけど、幽霊になっちゃってからがなぁ。大河はこれから益々期待。どちら も良い。
#原田 ... 大河もいいけど、とりあえず明治座>>>>>大河。
#藤堂 ... 役者の好き度明治座>>>>>>>(省略)>>>大河。(ごめん、勘太郎君) 藤堂に対する演出 大河>>>>(省略)>>>明治座。まあ、大河はこれからだけど。
#永倉・斎藤一 ... 大河。明治座における彼らは平隊士なみ。
#源さん ... 明治座の源さん、嫌い。すいません。
#甲子太郎 ... 比較するまでもない。谷章に勝てると思うか。
#七里 ... 原作>>>>>>>>>>>>>>>(無限大)>>>>>>明治座。(←皆そうだろうよ、原作ファンは)

この芝居の何が嫌いなのかは「MEMO」の「燃えよ剣 2回目」をご覧 ください。(省略しまくり)

ロビーでシュウマイやらせんべいやら「人形焼アイス最中」とか何か食ったり明太子見たりとかしていて、温泉宿に 来てお土産屋のぞいて、その後にホテルの宴会場かなんかでSHOWを見ているような気になってしまった、休憩後。 自分が何しにここに来たのかわからん・・・と思いながら手にはシュウマイ購入済。うまかった。

まあ、「もったいねぇなぁ」っていう感想かな。役者についても題材についても。良い男を見るためだけの芝居にしか 思えん。演出なのか、脚本なのか。それとも明治座ということなのか。動乱の幕末に生きた男たちの、信念のかけらも 感じられない「フーン」という感じの芝居になってたもんね。薄っぺらーい感じの。そこがどうにも肌に合わなかったわぃ。
結局何を描きたかったのかなぁ?新撰組を大河ドラマでやって、新撰組Yearになるから?んー。「燃えよ剣」である 必然性が全然わからんかった。確かにコメディーとしてはそれなりに面白かったけど、原作のエピソードをとりあえず ダイジェスト的に ピックアップしてあるだけなので、土方がどれだけ新撰組を思っていたのか、どれほど近藤を思っていたのか、そういった 物が何も見えなかった。だーれも「新撰組」というものに愛情持ってるように見えなかったんだよなぁ。油小路を許せない のは、結局どうして「伊東甲子太郎を暗殺したのか?」が不明瞭すぎるからだと思う。実際の暗殺の理由なんぞは 私は調べたわけではないのでわからんけど、原作通りの理由だったら「藤堂平助だけは許したい」と思うとは思えない。 それこそ藤堂は土方の信念である"近藤"を裏切った男で、なおかつその信念を殺そうとした男の一味なんだから、 土方としては絶対に許せないような気がするんだけど。あっちにもこっちにも良い顔したい土方に見えてしまう。 嫌われ者になるつもりなんか全然ないような。
どれほどの情熱を注いで「新撰組」を作りそして支えてきたのか、それを全く描いてないので最期に「新撰組副長、 土方歳三」と名乗るあのかっこよさがかけらも生かされていない。

原作そのものの好き嫌いもあるだろうし、この芝居を面白いと思う人が多いのも納得できるんだが、私としては 原作の土方が持っていた"新撰組"へのこだわり、愛情、それゆえに鬼に徹した強い心、隊士との友情、確執。 時代に翻弄されて時代に立ち向かったそれぞれの男たちの生き様。そこにほんのりはさまれるお雪との恋愛。これらが 好きで胸が熱くなっただけに、それらが全然描かれてない(と、感じてしまった)「燃えよ剣」はダメだと思ってしまう。 ましてやそれらのエピソードが笑えるシーンになってるなんて以ての外と思うところがある。 「許せない!」とまでは今は強く思わないけどさ。(若干思う気持ちがあるが)
これが「コメディー火怨でござる」で諸絞が油かぶって燃やして「痛ぇーっ!!!!(涙)」とか叫んで客席から笑いが 起こったり、誰かが死ぬシーンで仲間の幽霊が出てきちゃったり、蝦夷同士の絆はおざなりダイジェストで佳奈との 恋愛がメインに描かれてたり阿弖流為と田村麻呂以外は適当に描かれてたりしてたら血の涙流して怒り狂って そんな芝居を見た自分すら許せないものがあるだろうな。
原作が好きな小説を明治座が上演する場合は、 原作通りのものを期待するなら見に行かないのが賢明だなぁと書いてて思った。見に行くならそれなりの覚悟なり 割り切りが必要だな、予め。

台詞聞き取りづらい人が結構いて、ちょっとつらい感じの時があった。あの大きさの劇場なんだから、マイク 使ってもいいんではないだろうか。

それにしても京さんのやせっぷりが気になる。病気じゃないといいけど。心配。

(5/2,5/9 16:00 明治座)

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