クローズ・ユア・アイズ
(11月25日 19:00 池袋サンシャイン劇場 11列29番にて観劇)


好きじゃないな。すいませんね、冒頭からこれで。
んー、人多すぎ。やっぱりあれだけ出る意味がどうしてもわからない。それが良いという意見も確かにあるけど、ごちゃごちゃしすぎ。で、成井さんはいったい何が言いたいのさ!って感じ。単に私に理解力がないだけのことかもしれんが。

私は今回の岡田達也さん、香取武三はかなり良かった!今までの岡田さんの役の中で2番目(1番目は「嵐に...」再演の波多野)に好きだ。そーれーだーけーにー。香取武三だけにもっともっと焦点を当ててほしかった・・・。だって、武三と幸代さん、そしてお母さん。その2軸だけで十分2時間の話になるじゃないですかっ!っていうか、書きたかったテーマってこれじゃないの?それが何で両方とも数分で終わるの?お母さんなんてラストちょろっと出てきてお終い。最後の最後だからと鳥取に帰ろうとするも、島木茜にお金渡しちゃってあきらめちゃうし。別に島木茜にお金あげるなと言ってるわけじゃない。ただ、10年も実家に帰ってない武三が最後にお母さんに会おうと思ったことにはそれなりの覚悟も葛藤もあったはず。(だからラスト会えて泣き出すんでしょう?) そして、それをあきらめてまで仁太郎の為に、島木茜の為に動いたことについても彼なりの決心があったはずだよ。自分と島木茜を重ねたのかもしれないし、自分には時間はもうないけど島木茜にはあると思ったのかもしれない。どうせ人の心描くなら、それを描いてほしかった。「もう電車間に合わないし」そのセリフもいい。でも、そのセリフを言う彼の気持ちが見えてこないのだ。本当にただそうとしか思ってないように聞こえる。「間に合わないからしょうがない」程度の。

さらに「何じゃ、そりゃ」ってのは幸代さんでしょうよ。生きてはいなかったという事実も別に不満はないけど、いくら何でも軽く扱われすぎなんじゃないのー!?だって武三が結局死んだのって幸代さんが心配で帰国する為に無理して肺炎になって死んじゃったんじゃん。それを、いきなり「幸代さんはもう死んだんです」のセリフって。「え?え?いつそんなシーンとセリフがあった?小学校に避難して死んだかもしれないってのはあったけど?」と焦ったらいきなりそこから回想シーン。そしてあっさり死亡判明。終了。これはないだろーがぁぁぁっ!!武三が泣けなかったというのも既に体が死んでるからだってのも良いと思うよ。でも、泣く泣かないじゃなくて武三の心には葛藤が生じてしまったわけじゃないですか。死んでると思ってたと。そう彼は告白してたじゃないですか。なぜにそこを掘り下げないのだ。そんな森山翠子や芥川龍之介の葛藤とかそんなもん描いてるくらいだったらこっちを描け。

武三が死んで体が腐り果てる前に幸代さんを探すというテーマそのものはすごい好きかもしれない。天使が横であたふたするのも好きだよ。でもね。登場人物に必要以上にエピソード持たせすぎ。武三よりも仁太郎の方が色々描かれてたよ。何をしたいか、何をしてきたか、両親との確執心の葛藤全て。仁太郎主人公じゃあるまいし。(ところで琴江さんを幸せにしたくてロンドンに行ったのにと涙声で訴える位なら2年であきらめちゃいかんだろう。もっと頑張れよ。)

シリウスむちゃくちゃ可愛いー。きゃー。小川江利子さん、いいなぁ。彼女が出てくるとニコニコしてしまったわ、あまりの可愛さに。んー。でもシリウス側の話(米子の話)は別の話でやればー?って感じ。というかそういうのばかり。武三描けー。武三をー。
久松さん良かったですねー。あの「お前の命はお前だけのものじゃない。そんなこともわからん奴はさっさと腐ってしまえ!」ってセリフはじーんときました。そうね、人は1人じゃ生きられないもんなぁ・・・。でもなぜ笑いが起きるのだ。腐ってしまえってセリフだからか?んー、せつなひ。
久々の菅野さん。この人に語り部やらせるとやっぱり上手というか、私は好きだ。「ちっ、またか」とは確かに思ったけど、菅野さんだからOKっ!(←わがまま) 
しかしね。「クローズユアアイズ!」ってあの連発は勘弁・・・。成井さんって唐突にカタカナのセリフ入れるの好きですよね。「彼女は僕のベルなんです!」とか、「僕のノーチラス号が」とか。何でいきなりこのセリフがって感じに耳に飛び込んでくる。

何かねー。あの人にもこの人にもスポットを当てすぎちゃって、誰の心情を理解しようとすればいいのかわからなくてこんがらがってる内に終わってしまいましたがな。泣かせよう、泣かせようとしているのはもう数作前から思ってる。でも今回泣かせ所は多すぎ。多すぎてどれもこれも中途半端で泣けないってばよ。絞ろう、もっと絞れる。(←私のレポもな)

それと1年4回公演の内、3公演のテーマが「家族と死」ってのもどうかと思うが。やりたいのはわかるが、むやみに乱発しすぎるとかえって軽く扱ってるとしか思えなかったり。何かどれもこれも手法が似ているから、手段を変えてじっくり練ってから上演してほしいというか・・・。これだけ近いと前作の影響って必ずあるでしょう、観客も劇団側も。そして何よりも新鮮味がない。
カレッジが何であんなに泣けたのかが今回ようやく理解できた。「ほしみ」と「鉄平」だけの物語で、そこに上手に脇が絡んでくるからだ。MIRAGEと今回は散漫しすぎなのね。

あともう1回行く予定ではあるんだけど・・・・。んー。1回で十分な気もするけど、チケット無駄にはしたくないので多分行く。しかしですな。今回「RED」を見たのだけど、何で次回も「RED」?GREENを取らんか、私ー。

あ、あとあれだけ大勢出しても「医者」とか「妹」とかなんてほんの1シーン。必要あったんか?


(12月22日 19:30 池袋サンシャイン劇場 11列16番にて観劇)

何だかんだ言いながらも2回目見てきました。んとー。やっぱり感想変わんないんです、ごめんなさい。(←誰に謝るというのだ) 何か納得いかないというか疑問というか矛盾というか。そういうのが多いような気がしましてね。「??」となるんだな、これが。今までも「?」となる芝居はたくさん見てきたし、どっちかっていうとそういう見終わった後に「で?」となる芝居は好きなんですよ、私。でーもー。これは何かが違うんだな。緻密のように見えて、適当に見えるというのが私の中での素直な感想かも。

::疑問その1.「死体の武三が、ラスト何故涙は分泌されたのか」::
これは私の疑問だったわけではないんですけど、その疑問を聞いてから見たら「変だよー」と心底思えました。例えば、武三が幸代さんの死に実感がわかず涙が出なかったとか、そういう武三の心情は理解できます。それで泣かないのも、ラストお母さんの時には泣くのも理解できます。でーもー。だったらプロキオンのセリフ変ですよね。「死体だから涙が分泌されなかった」と力説しているのに。でもラスト号泣じゃないですか。「奇跡」っすか?それもこれも「奇跡」っすか!?プロキオンのセリフがなければ何の疑問も感じなかったのに。むしろラスト武三の涙にわしゃぁ感涙してたと思うのに。残念。

::疑問その2.「自分のことしか考えてないのか、自分のことは考えてないのかどっちだよ」::
私がこの芝居ですごく好きなシーンで、久松さんが「こいつは自分のことしか考えてない。お前の命はお前だけのものじゃない。そんなことも分からん奴は腐ってしまえ!」と武三に言い放つシーンがあります。そしてそのシーンのすぐ後くらいに久松さんの奥さん役の坂口さんが武三に「少しは自分のことも考えてね」と言います。どっちですかー。

::疑問その3.「一年後に死ぬ事実で笑ったり落ち着いたりしていいものやら」
結局米子さんは武三の存命中には死にません。翌年死ぬという事実がわかり、自分の早合点だったことに気づいた武三は爆笑します。まぁ、その武三の笑いそのものにはそんなに疑問はないんですが、(自分の早とちり、愚かさに笑っただけだろうから)それにより劇場そのものに「良かったねー」という空気が流れてしまうのはいかがなもんでしょう。いや、本当は周囲の人はそんなこと思ってなく、そんな空気を感じ取ったのは私だけかもしれないけどさ。米子の一年後の死をわからせて、それで何を描きたかったのか私にはその意味が理解できませんでした。

::疑問その4.「で、何を言いたいのさ」
もうこれにつきます。上の疑問たちなんて難癖つけているだけなんで別にどーでもいいっちゃどーでもいいんです。2回見てもどーしても理解できないっ!何が言いたいんだろう、この芝居は。この芝居から何も受け取ろうとは思わずただ目の前で繰り広げられている人間ドラマを見るのだとしたら、私には4,300円は法外な値段に思えます。わかんねぇー。
仁太郎がいかに自分がわがままだったか、それ故どれだけ母親に負担をかけたか自覚し、最後母親の側にいることでちょっとハッピーエンドっぽくなるし、武三が最後の最後に母親と出会えて「良かった×2」でこの芝居は終わります。っつーことは、この芝居で描きたかったのは「死に方」ですか?大切な人、家族に見守られて死ぬということが良いということなんでしょうか。震災でさっさと死んでしまった幸代さんのことは唐突過ぎて心が追いついていかないけど、やっぱり大事な人に見守られて死ぬということが大事なんだよということなのですか??それとも、3日間という時間が限られていることを知ったときに、人はどうあるべきか・・・ということを言いたいわけっすか?それとも、大事な人はいついかなる状況で自分の前から消えていなくなってしまうかわからない。だから、その時その時一瞬を大事にしながら自分には何ができるか考えなさい・・・ということなんすか?

わーかーんーねー。自分がここまで理解力がないとは愕然としちゃうね。それにしてもひねくれた見方していること、私ったら。おほほ。
っつーか上にあげた全てかもしれないんだよね。んー。もしその全てを描こうとした2時間だったら欲張りすぎじゃない・・・?つめこみすぎて中途半パになってる印象になるし。どれかに絞った方がもっと良かったんじゃないかと。っていうか私は武三にもっともっと焦点を当ててほしかった人なんで。仁太郎はもういいー。

ちなみに皆さん、こういう視点で芝居を見ると面白くないですね。多分面白いものも面白くなくなります。ふー。自分でつまんなくしちゃってるわ。

あの、最初の船医者の存在理由と必要性を知りたいです。彼がいなくても芝居には何の支障も影響もなく進んだと思うのですが。彼に必要だったのは「患者はこの人だけじゃない!」みたいなセリフだけじゃないですか?そしてそれすらも代替が利いちゃうわけっすから。劇団員全員出せばいいってもんじゃないかなーと思う今日この頃。次に期待します。エトランゼー。

(ちなみに、何でもかんでも「奇跡」で片付けようとするのは、かえって「奇跡」の大安売りに思えてしまう私って。)

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