燃えよ剣
司馬遼太郎 / 新潮文庫


「新撰組」に関しては中途半端な知識しかなかったの。
隊士の名前は「近藤勇・土方歳三・ 沖田総司・芹沢鴨・永倉新八・斎藤一・原田左之助等々」知っていたし、「池田屋事件」 「蛤御門の変」「伊東甲子太郎暗殺」とかそういうのは知ってたし。それらは全て小さい頃から 現在に至るまで中途半端に映画やマンガやドラマで扱っていたエピソードを端的に覚えた 結果なんだよね。しっかりと時系列で全体の事実を把握していたわけではないっていうか。
だもんだから、この「燃えよ剣」の主人公である「土方歳三」についてもどの程度の知識を 持っていたかというと、「試衛館」からの近藤・沖田らの仲間で、新撰組副長で、函館五稜郭 で戦死したっていう程度というか何ていうか。あと強かった、とか。そんなもんだ。そして 近藤や沖田に関しても板橋で斬首されたとか労咳で死んだとかそんなもんだったし。

全く知らない人に比べれば素地はできてるかもしれないから、すんなりと入っていく・・・と 思いきや。上巻は歳三の若かりし頃から鳥羽・伏見の戦いの前まで描いてたのかな?その、 新撰組前までのエピソードがたるくてダメで、1度挫折した。途中で読むのやめた。
それから しばらく時間が経過して、「火怨」等歴史小説を読んだので「ひょっとして今なら読める?」と 思い再挑戦。読めた。そしてやはり上巻前半はたるかった。あまり土方という人間に興味 ないのか?と思い始めたが、上巻後半、そして下巻にいたれば非常に面白いよ!興奮したさ。 泣くまではしなかったけど、何かジーンとしたよ。
そして、私は新撰組について本当適当に 知ってただけだったんだなぁと実感した。藤堂平助とか名前を知ってたけど、まさかあんな 早いうちに仲違いしてたとは。山南さんもそうだけど。(←何で「さん」づけ?) そして 永倉新八とか原田左之助とかも仲違いっていうんじゃないにしても最後にはすれ違った思いの まま別れていたとは。
そして、何に1番びっくりしたかというと近藤との別れだった。 沖田総司が皆と別れての療養中ひっそりと死んだのは知ってたけど、何でか近藤と歳三は 一緒だったと 思ってたんだよね。でも、「近藤:板橋で斬首」「歳三:函館で戦死」って知ってたわけで、 その距離の違いを全然考えたことなかったわけで。だから、近藤・歳三の別れのシーンは せつなかった。うあーとか思っちゃったよ。

その後の歳三は「せつない」の連続だったんですが。次々と隊士と別れていく(というか、 突き放した)そのやさしさがせつなかった。個人的には市村鉄之助との別れ、そして最後に 彼が位牌に向かって泣いたというエピソードが読んでてつらかった。
最後の最期まで自分を貫き通した歳三はめちゃめちゃかっこよかった。そして、最期まで 明るく無邪気なイメージの沖田総司も。この印象のまま「白虎隊」見たら前半から泣きそうな 自分。いや、泣くんだけど。

で、まぁ上川さんが2004年に舞台化されるわけで。で、どうなんだろう。興味津々。

2003.7.22.Tue.

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