風の陣 立志篇
高橋克彦 / PHP文庫


「火怨」が好きだから読みました。はい。

「火怨」で阿弖流為たちをサポートしていた物部天鈴。名前だけしか出てこなかったけど 蝦夷結束のきっかけを作り、最後まで阿弖流為の心に存在し続けた鮮麻呂。同じく数回名前が 出てくるだけだけど、蝦夷ではその名を口にするのも憚られる存在になった道嶋嶋足。 若かりし頃のその3人 が主人公(というより、嶋足)と知れば興味津々。どうして嶋足が蝦夷に嫌われたのか 知りたくてしょうがなかったよ。

で、実際読んでみると未だに何で嫌われたのかわからなかったりする。少なくとも「誤解」 はされているものの、「名前を口にするのも憚られる」ほどの存在ではない。まぁ、まだ 嶋足も若いからなのかしら。どちらかというと、阿弖流為に近いものがあるんだけど、嶋足 には・・・。うーん、わからん。
「火怨」であんだけどっしりとした落ち着いた存在の天鈴だけど、この本ではまぁー 「やんちゃ」な感じが。先を見据える力はさすがって感じでそういうところは相変わらず なんだけど、やっぱり口調とか態度とかがどうしても「若い」。なので、「この先ああ なるのだね、ふむふむ・・・」と感慨深いものがあったりするわけですよ。(おかしいよ)
あとは鮮麻呂なんだけど、彼にいたっては本当に子供。子供のくせに鋭かったり、並の男 ではないことが少しずつ読み取れるわけで。
ちなみに田村麻呂の父親、苅田麻呂も出てくるんだけど、なかなかに策士に描かれてる。 潔癖で清らかで汚れのない、そしてどこか抜けている「火怨」の田村麻呂とは違い、やはり 都の貴族なんだなーって思わされる苅田麻呂。どこかあくどい。まあ、今後どうなるのか が楽しみっちゃ楽しみなんだけど。
そして水鈴(天鈴の妹)という存在も楽しみ。多分嶋足の妻になるんだろうけど、火怨では 名前も出てこなかったし・・・。

この「風の陣」は全部で4部作らしい。第2弾がつい先日発売されたばかり。完結するのは いつなんだー!そして、完結する頃には超蝦夷側の私も「嶋足め!!」と思ったりする のだろうか。この若い嶋足を見る限りでは、少しもそんなこと思えそうにないんだけど。 やはり、「丸子嶋足」が「道嶋嶋足」になることにより何かが変わるのかしら。

とにかく、楽しみ。

2003.8.8.Fri.

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