時宗
高橋克彦 / 講談社文庫


・巻の壱「乱星」 ・巻の弐「連星」 ・巻の参「震星」 ・巻の四「戦星」

全4巻。やはり文体が好きなんだろうな、と思えるほど、あっという間に読み終わる。 これも2001年大河ドラマ「時宗」の原作。ちょこちょこ見ていたので、読む前から イメージとして「時頼」は渡辺謙さんで、「時輔」が渡部さん。とか思ってたんだけど、 どうしても肝心の「時宗」が和泉さんのイメージではない。うーん。あと時宗の周りとかの イメージもどうも一致しない。多分これは原作と大河がだいぶ違うせいだ。

私は「ちょこちょこ見てた」けど、ある意味「全然見ていない」ので違う部分がそう 多く比較できないんだけど、とりあえず大河ドラマでの時頼から時宗への遺言「時輔を 殺せ」、これってドラマではすごく大きく扱われていたけど、原作ではそんなこと少しも 言っていない。時宗同様に時輔を愛し、時宗の補佐に回ってくれるよう必死に説いている。 次。大河ではどうやら時宗は桐子と浮気してたっぽい。原作では桐子と時宗って会ってない と思うんだけど・・・。ついでに桐子は時輔に一途だった。時輔と両思いでしたよ。次。 大河では時輔を暗殺(実際は生きてたが)した時宗が散々悔やんでたけど、原作は時輔暗殺は 時輔自身が考えた策。時宗たちも知ってのこと。あと大河では日蓮と時宗のお母さんが会ったり してなかったっけ?気のせい?間違い??原作では会ってないっす。
という感じで、まぁ決定的に「時頼の遺言」が違うわけで、これって結構私の中では 大きい。時輔のことを考えて泣いていた時頼を何とする!!って感じで。あと、後半時輔が 生きていたことに「史実に反する!」という声もあったみたいで(時輔人気がすごかったから 生かしておいたのか?)、でも「策」とするなら結構納得なんだよね。まぁ史実通りって しちゃうとダメなんだろうけどさ。

あとこれって「時宗」ってタイトルなんだし、時宗が主役なんだよね?そうだよね? ・・・壱と弐の主役は時頼。参は誰が主役なんだよ、何か時宗っぽい?でも猛烈にかっこいい のは時輔だ!ってくらいで、四の主役 は完全に時輔。四はまさに元寇なんだけど時輔と時宗の名前が出る比率が9:1くらいだよ。 私のラブリー「火怨」に例えれば、時宗が阿弖流為。いるだけで全てが違う存在。で、実時が 母礼になるかな?時輔は飛良手。田村麻呂は不在。 そして、四は阿弖流為の策を実現して阿弖流為が率いる国を 作るために前線で命を懸けて戦う飛良手の物語って感じ。時輔ファンは読まなくちゃダメな 気がするんだが。
あ、あと散々大河で出演していた謝国明も原作ではちょろっと。息子の 太郎は大活躍だったけどね。高橋克彦作品には必ずいるね、太郎みたいな位置づけの人。 裏に精通し商売も出来て主人公をサポートして事実を後世に伝える、みたいな。まぁ他の 作品では主人公のサポートだったのに対し、今回はほぼ時輔のサポートだったけどね。

おもしろかったけど、泣けなかった。何でだろう。

2003.6.29.Sun.

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