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目指せダウニング街10番地 父親のオススメで読んでみた。イギリスの下院を舞台にした話なんだけど、政治なんて自分の国の 日本ですらチンプンカンプンなのに、何で私はイギリスの政治を題材にした小説読んどんねん。と、し みじみと思いながら読んでみた。きっとわからんんだろうなーとか、途中で意味がわからなすぎて挫折 するんだろうなーとか、とにかく途中でリタイアすること大前提。そんなことなら読まなきゃいいのに 。だけどなぜか律儀に読む私。 そして。はまる私(笑)。政治なんて全然わからなくても読めるんだ、これが。下院 のしくみなんてわからないの。今でも。途中抜け出すなんてありなの?って思わず思うくらい、全然わ からんかったっす。でもね、おもしろかったわん。 ようは同じ年に下院に当選したチャールズ、サイモン、レイモンドの3人 のうちの誰が首相になるかって話なんだよね。で、その3人の長い長い人生を追っていくんだわ。その 間いろんな政治的策略だの、功績だの、色々あるんだけど。チャールズとサイモンが保守党、レイモン ドが労働党で、まぁ首相になるとしたら当然サイモンかチャールズのどちらかが途中で脱落していない と話にはならんわな。どっちだろう。わくわく。 っつーか。チャールズ、うざい。もう読んでてむかつくことこの上なし。 「お前だけは絶対に首相になるな」とそれだけを思いながら読み進める私。3人とも話の中心人物だか らそれなりに功績残しているんだわ。労働党にレイモンドあり、保守党にチャールズとサイモンあり、 と。で、チャールズは自分のライバルになるサイモンをあの手この手で破滅させようとするのよね。サ イモンはお人好しだからチャールズは本当に好意でしてくれていると信じているんだけど。(当然後で そうでなかったとわかるんだけど。) もうねー。そのサイモンを破滅させようとする手段が本当にむか つくし、奥さんの不倫現場見つけてストーカーしちゃうし、ああ、もううざすぎ、この男。絶対お前が 破滅しろ!とか思っていたというか、願っていたんだけど。 破滅したわ(笑)。うふふふ。(←何て奴) 泣きすがる奥さんを殴って別居 するけど離婚させなくて(復讐のためらしい)、でも頭もお尻も軽いモデルを奥さんにしちゃって、後 で当然のようにゆすられるし、サイモンを破滅させようとした手段で自分が破滅するし、党首選では見 事にサイモンに負けるしで、さっさと首相選から脱落。しかしその後改心したのか、良い人になるとい う結果付。んー。良い人になったとしてもねー。んー。んー。んー・・・・・・・・・。何か気に食わ ないわん。 サイモンの良いところは、奥さんに対して一途。レイモンドは散々浮気す るが、最後奥さんの所に戻る。戻るやり方はクサイ!クサイが、憎い。このっ、このっ。抱えるほどの 薔薇の花束を持って、「あなたが望むなら離婚しましょう」と自分は身を引く宣言をした健気な奥さん の所に、「君を取り返しに来た。まだ、間に合うかい?」ってさーーーーーーーーー。ああああああ ああああああああああああああ、もう、憎いっ!日本人には、これはやれねぇな。やれないだけに、何だか背筋がもぞもぞするの。まぁ、でも奥さんの所に戻ったのを良しとしてやろう。(←偉そう) しかし。サイモンの話で私は思わず泣いた。その瞬間から、私の心は「サ イモン、首相に決定」と決心された。そうじゃなかったら暴れようとまで固く心に誓った。っつーか、 レイモンドが首相ならまだしも、チャールズだったらマジでこの本燃やすと思いました。まぁ、チャー ルズはその後脱落しましたが。何があったかというとね。サイモンはサッチャー政権時に閣僚になるん だけど。北アイルランド担当になるのさ。IRA対策というか。んで、狙われるのね。当然。んでね、 サッカーでゴールを決めた!と喜ぶ息子と車に乗った瞬間に車大爆発。護衛の警官はばらばらになって 死亡。息子とサイモン危篤状態。実際狙われたのは奥さんだけに(爆発したのは奥さんの車)奥さん 必死に祈るんだけど。奥さんがね、帰宅を勧める担当医に一言 こう言うの。「私 はサッカーのゴールの話を聞きたいだけなんです。」これにはねー。これにはねー。 ダーダー泣きだよ、あたしゃ。頼む、生かして くれよ医者!!と私まで祈ってしまったわ。結果。サイモンはかろうじて一命を取り留めたけど、 息子死亡。奥さんは永久にサッカーのゴールの話は聞けないの。泣き崩れる奥さん。そして、泣く私。 そんなこんなでまぁ人生色々だね、っつー3人3様の人生が展開されて、 保守党党首になったサイモン、労働党党首になったレイモンド。総選挙したら保守党・労働党が同数で 国王が首相を決めるという結果になるのね。んで、チャールズが国王に助言するんだけどさー。で、 レイモンドが国王の部屋に呼ばれるのね。当然マスコミも「レイモンドが首相!」として写真を とって、レイモンドも自分の人生を振り返り、手を振りながら「自分は首相になるんだ」と しみじみと思い国王に面会するんだけど。最後国王の言葉で終わるのね。まぁ、 こんなようなことを。 「あなたを首相に任命しなかった 理由を、まず1番にあなたに説明すべきだと思いまして。」 その後のレイモンドの人生を考えると泣けてくるよ、あたしゃ(笑)。(←笑ってんじゃねーか) それにしてもシュールやね。シュールなラストだわ。そんなオチがまさかラストのラストに 待っているとはさすがに思わなかったっすよ。レイモンドの功績はでかいし、どっちが首相になっても おかしくない描写の中でやっぱり「そうかー。レイモンドが首相になったか。サイモンは ダメだったか。しくしく。」と思ってしまったもの。しかしその一言はねーだろーよ(笑)。 それにしても。きついわー。人生って、厳しいものね。しみじみ。でもサイモンが首相になって 良かった。息子も天国で喜んでいることだろう。ううっ。泣けるぜ。 まぁそんなわけで、予想外に面白かった小説でした。満足。 2000.8.15 |