介子推
宮城谷昌光 / 講談社文庫


中国では伝説となっている臣下の鑑、「介子推」についての伝記小説。重公子に仕えるまでと 仕えてから見限るまでの話なわけですが、んー何ていうかそのーあのー微妙。介推が山の神(仙 人?)に愛され、超人的な力を手にしたりそういうのはいかにも 「歴史っぽーい」(わけわからん)のでいいんだけど、そしてそれ以降も面白かったし一気に 読めるんだけどね。うーん、何がどう微妙ってラストが。ラストの展開が。最後10数ページが。 何ていうか、その、・・・「あんなんってあり!?」という展開なのよ。私だけかも しれないけど。

だいたいスパイが誰だ?って話も、結局「こいつかよ!」みたいな展開だったし、しかも それも最後数行で判明してるだけだし、何で裏切っていたかも全然わからないままなわけで。 恋人にしても全然出会えなかったのが最後のページにはなぜか一緒にいたりするし。介推は きれいな心を持っていたけど、潔癖すぎたのでは?と思うくらいだし。まぁそれが良いところ なのかもしれないけどね。ただ、山にこもる理由としては潔癖すぎたんじゃないだろうか。 結局、偉大なる重公子だって普通な人間だったっていうだけだし。
何か盛り上げるだけ盛り上げて最後にしゅーってしぼんだって感じなんだよね。

だいたい、山にこもった介推を探し出そうと山狩りをする重公子。小説ではそこで 終わるけど、実際の伝説では何とかして介推を見つけ出そうと山に火をつけるそうじゃない ですか!殺す気か!そうして命からがら逃げて山から下りてきた臣下を「君は命の恩人だ」って 迎える気だったってわけでしょ?おかしいよ、おかしいよ重公子ー。激しく間違っている。
そして実際に介推はそのせいで山で焼け死んだという伝説が残っているそうですが。もう、 何やらわけわからん。

まぁ、でも今も昔も利権争いは常にあって誰もがその恩恵に預かろうと画策してもおかしく ないそんな世の中で、ただただ汚れなくひたむきな介推みたいな存在がいたらなぁと思わない わけでもないのですよ。だからこそ、介推は伝説になっているんだろうし。
まぁ、面白かったわけですよ。最後のつっこみ所が用意されている所も含めて。

2003.8.8.Fri.

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