隊長の酩酊日記

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NEW%20bikabika.gif (2700 バイト)5月28日

風が無い尾根上で春蝉が盛んに鳴いている。
予報に反して雨は早朝にあがり、広葉樹の緑の鮮やかさが青空に映え、なんとも気分が良い。

大菩薩から東に延びる尾根上に目指す森はある。
釣り人にはお馴染みの”目潰し”がうるさいので蚊取り線香に火をつける。

蚊取り線香の匂いが好きだ。
夏の匂い。
暫しの間ノスタルジックな気分に浸る。

ブタの口から立ち昇る蚊取り線香の煙。
夕立。
風鈴。
スイカ。
葦簾。
蜩の鳴き声。
隣の家から聞こえるナイター中継。
水泳のあとの午睡。
花火。

幼少の記憶がめぐる。
黄金の時間。
いい歳をして野山を駆けずり回り遊ぶのは、原風景への懐古なのか。
とするならば、いい歳をして野山で遊んでいられる感性を養ってくれた「原風景」が、如何に大切であることか。

懐古ついでに、もうひとつ。
小学校の夏休みの自由課題といえば昆虫採集がお決まりだった。
あのピンクと緑色の2種類の液体と注射器が入った”昆虫採集セット”は今もあるのだろうか。

2月19日

満点の星である。遠く稲光もする。
焚き火が燃えあがると、ひととき星の数が少なくなる。
美しい闇のただなかに、沢音がたしかなリズムをきざむ。
みんなちさこの思うがままさ。
月もだしてみせると有言してしまったさ。
多分、私たちが寝静まった頃
なんといっていいかわからないお月様が
静かに静かにめぐるのだろう。
          〜池田知沙子 「みんなちさこの思うがままさ」 冒頭より〜

以前、ナルミズ沢の報告でも少し書いたが、超硬派沢屋集団・浦和浪漫山岳会の顔、池田知沙子さんが急逝してから1年が経った。
そして、この1年、浦和浪漫山岳会は、池田さんの遺稿集「みんなちさこの思うがままさ」をまとめることに全力を注いできたという。
その出版記念会・偲ぶ会が19日、浦和のワシントンホテルで開かれた。
招待されたのは、浪漫のOB、会員を除けば20名にも満たない。
ただ一人を除けば、本当に生前の池田さんと親しかったひとばかりだ。
次第の出席者名簿には錚々たるメンバーが並ぶ。
岳人編集部・山本さん。釣り人社「渓流」・元編集長若杉さん。同・現編集長小島さん。渓語りの翁・瀬畑雄三さん。沢屋界の巨匠・吉川栄一さん。ACCJ茨城・本図一統さん。山登魂代表・治田敬人さん。
そこに、ぽつり。ちさこfan 尾崎文彦。


話は少し遡るが、「遺稿集ができました」というメールを14日に浦和浪漫山岳会代表・高桑さん(現在は代表を降りた)からいただき、15日に郵便小為替というもので本代を郵送しようと思ったのだが扱いがよくわからず、結局”もみ”のマスターに手渡してもらおうと、”もみ”に顔を出した。
店のドアを開けた瞬間、俺は極度に緊張した。
高桑さんが奥の席で飲んでいるではないか!メールだけは何度かやり取りはしていたものの、本物に会うのは初めて。沢の世界で、知らない人はいないと言いきれる、あの高桑信一さんだ。
もちろん俺は、「どうも!カヌ沈のオザキでーす」。などと死んでも言えない。
目線を合わせることなく、カサカサとカウンターに座り、背中を丸め、「マスター。焼酎ください」と蚊が鳴くほどの声で注文したのだった。
どう言うわけか、何人かいた客は、まだ7時だというのに店を後にした。マスターと高桑さんだけを残して・・・。
その時、俺の頭の中で缶コーヒー”BOSS”のテーマソングが流れていたことは言うまでも無い。
「高桑さあ〜。あのさ〜。昔、カヌ沈とかいう変な団体からさあ〜、メール行ったよな〜。あれ、どうなった?」とマスター。
(な、な、何をいってるんだあ!ま、ま、ますたー!)と心の中の俺。
「ああ、あれね。・・・・」と高桑さん。
(・・・・にはどういう意味が?)と心の中の俺。
「じつはさあ〜、この人が、本人なんだよね〜」とマスター。
(中略)
「それで、君は一体ナニモノなのだ?」と高桑さん。
「えっ?あっ、そ、その、え〜っとですね。あの〜。わ、わたくし、こ、こうはやえいしゅうだん、か、かぬちんたいのたいちょう、オザキであります。」
「どわはははは。なっ!高桑、おもしれーだろ!硬派だって硬派。いまどき硬派だぞ。」
「・・・・・」
その時俺はきっと、顔に何本も縦線の入った”ちびまるこちゃん”状態だったに違いない。

その後、なんとか持ち直し、池田さんの話になった。
偶然にも高桑さんに会ったこの日、これまた偶然にも池田さんの命日だった。
高桑さんとマスターにとって特別な日であることを知った俺は、すぐに退散しようと思ったが、引き留められるがままに、その後も飲み続けた。

もちろん、俺は池田さんに会ったことはない。
ただ、池田さんの書いたものは何度となく読み返しており、そのちょっとしたオタクぶりに、2人からはここで書くにはもったいない言葉を頂いた。

「ちょっと急だけど、今週末、池田を偲ぶ会があるから来るか?」
突然の言葉に俺は言葉が出せなかった。
「いいじゃん、ちさこも喜ぶよ、きっと。」と、マスターまでが言う。
高桑さんは、俺の目を直視している。
俄かに信じがたいが、「参加させてください」と俺は言った。


左手で頬杖をつき右手にロングピースの池田さんを残雪期の山で撮った写真が、壇上に飾ってある。
そして、手前に使いこまれた木製のピッケル。これほど年季の入ったピッケルをみるのは初めてだ。
高桑さんが献本し、会員の松木恵子さんが、「みんなちさこの思うがままさ」を朗読する。
池田さんは岳人ではない。もっと文学的な人だ。ブナの森を自由に跋扈する旅人、そんなイメージ。


    『凶々し
    人の恋しきこのこころ
    ときはなちたる
    山の神なる』

    
    『蠢いて
    輝いて
    つまづいて
    流されて
    はぐれてしまおうか』


池田さんの声が録音されたテープが流れる。
チェロで生演奏された”モルダウ”に感動し、グスグスしながら
「もう、一回弾いてぇ〜、お願い。」と甘えている。(驚いたことに山にチェロを持ち込んで渓で演奏したそうだ。恐るべし浦和浪漫)
おもわず言葉に詰まる。声を聞くことなど到底無理な話とあきらめていたからだ。
出席者はみんなそれぞれに池田知沙子という人を愛し、それぞれに思い出を語る。
陳腐な言い方しか出来ないが、これほど多くの人に、これほど愛された池田さんは幸せなひとだ。
そして、こんなに素敵な会を催した浦和浪漫山岳会のなんと素敵なことか。

池田さんは必ず沢屋にとって”伝説の人”になる。(既になっているが)その”伝説の人”に僅かではあるが、繋がりが持てたことが、なんとも嬉しい。
今まで手にしたどの本よりも、「みんなちさこの思うがままさ」は特別な本となり、それを大事に鞄にしまい家路についた。

とても素敵な夜だった。

 

2月13日

久々に焚火をした。
場所は河原ではなく、雑木林。今日は所沢・三富地区での雑木林の手入れ。暖をとる
ために焚火は不可欠なのだ。
杉の枯れ枝がたくさんあるので、焚き付けには苦労しない。
地下タビに作業服といったいでたちで気分は植木職人だ。

所沢・三富地区の雑木林の歴史は古い。確か、柳沢吉保が川越城主の時代に開拓され
たはずで、今でも「畑一反、山ひとつ」という言葉を耳にする。つまり、畑に蒔く肥料には、コナラ、クヌギの腐葉土を用い、そのための雑木林もきちんと手入れしなくてはならなかったのだ。
幼少のころ、俺はその雑木林を駆けずり回ってクワガタやカブトムシを捕まえていたのだが、手の入った雑木林のなかに、腐葉土が積み上げられていて、そこをほじくるとカブトムシの幼虫やさなぎが取れたことを、今でも鮮明に思い出すことが出来る。

三富地区の雑木林は全国的にも有名で、NHKなどで特集されているのを見ることがあるが、実際には手入れの行き届いた林は少なく、ほとんどが崩壊状態にあるらしい。今いる場所は、4年かけて手入れをしているらしいので、全体としてはスッキリとしているが、見渡せば、スギ・ヒノキ・アカマツ・リョウブ・エゴノキなどが目立ち、コナラ・クヌギは僅かだ。
コナラ・クヌギ林を再生することが目的なので、スギ・ヒノキ・アカマツ・リョウブ・エゴノキなどは除伐し、林床に陽を入れ、コナラ・クヌギの苗の保育を意図的に助ける。下草の成長は苗木よりも早いので、放っておくと苗木は育たないので、夏場には下草を刈らなくてはならない。
石油燃料が普及する前は、間、除伐した木は薪炭として用い、作物が不作の時に備え、片隅には栗の大木があったのだそうだ。400年近い年月を先人達が苦労しながらも持続させてきた、歴史を思いながら、秋にはきのこなども顔を出すのだろうか。
アカマツがあるので、松茸が出ても不思議はない。焚火であぶったらさぞ美味いだろうなんて、すけべ根性丸出しだ。

この林で落ち葉掻きが出来るようになるまで、最低でも10年はかかるのだろう。
そんなことを考えながら、焚火で焼いたウインナーをぱくついた。

雑木林に春の気配はまだ無かった。

2000年 2月1日

久しぶり、なのである。今日は、おすすめの本を一冊紹介。
最近は、仕事と睡眠時間を除くと1日3時間ほどしかない自由な時間。その3時間で飯食ったり、風呂入ったり、インターネットしたりしているわけだが、寝る前に必ず酒をちびり、ちびりと飲りながら読書をする。まあ、よく眠る為の”おまじない”のようなもの。
ところが、逆に読み出すと眠れなくなる本に出合うことが、時としてある。そういった本を週末に時間を気にせずに読むことは、最高の贅沢であるが、そううまくはいかない。大抵は時計を気にしながら、「あと一章だけ」と呟き、ズルズルと睡眠時間を削ってゆくことになる。

今回、ハマッたのは「未だ下山せず!」(泉庸子著/宝島社文庫)。

『天空に聳え立つ白い「槍」。その姿に魅せられて厳冬の北アルプスへ登った3人の男達が行方不明に。猛吹雪の中、彼らはどこに消えたのか。聞き集めた他のパーティーの証言から3人の軌跡を追い、推理を重ねて行く山仲間と家族は、苦悩のうちに、やがて大きな謎に直面する・・・・3人は最も危険な”冬の沢”を下ったのか?
・・・・ミステリアスな「事実」を積み重ねて真実を追うヒューマン・ドキュメント』
巻末の解説で評論家がレイモンド・チャンドラーの作品と重ねるが、実際ミステリーとして読める。
「3人はどこに消えたのか?」
東鎌尾根から槍に登ることが出来たのか?大天井から常念にエスケープしたのか?
数多くの証言を拠り合わせ、様々な討論を繰返し、季節は冬から春へ。やがて仲間たちの推理は”一の沢下降”説に至る。
ここから読者は「3人は何故一の沢を下ったのか?」という登山者の心理を模索してゆくことになる。
『出発前、三枝は妻の「槍沢を下りるの?」の問いに答えて「冬、沢を下りるやつがあるか!」と語気を強めている。しかし、”冬、下ってはならない沢”に、下山路がしぼられていこうとすることへの逡巡が、三枝の歩調に、滲み出ていたのではないだろうか。』
三百を越える山行をこなし、冬の沢下降の危険を充分に理解しながらも、何故に沢を下り、そして消えたのか。
ある時は風雪の中、”冬の槍”を目指す登山者の気持ちになり、また、ある時は地図を拡げ遭難した仲間を思う捜索者になりながら、俺は明け方まで頁をめくり続けた。


是非、一読あれ。

 

11月10日

せーいちが良いことを言った。
「私の思う“硬派”とは、体力のあるなしではなく、精神的向上心を持ち、それを実行できる人だと思います。」
「目標があり、その目標に向かって努力し続ける人は“修験者”であり、“修験者”こそが“硬派人”であると思っています。」
その通りだと思う。
では各人に問う。各人の目標は何か。1年後、3年後にはどういう状態になっていると思うか。
その目標を達成するためにどういった計画をたて、どのような行動をしているのか。
せーいちの言葉を借りると、「私を例にとって見れば、釣りが好きで、特にフライフィッシングに関しては常に上を見て、レベルの向上をはかっています。」とあるが、上とはどこか。デカイの釣ることなのか、数をあげるのことなのか、または両方なのか。
誤解しないで欲しいが、せーいちを問い詰めている訳ではない。
実を言えば、日々、こういった感じで自問自答しているのだ。

先日の幹部酩酊会議で以下のようなことを言ったとおもう。
「カヌ沈の行動を”趣味”のレベルから”思想”のレベルにまで昇華させたい。
その為に、2つの柱を考えている。
ひとつは”ハードな源流遡行”をこなせる技術と体力そして精神力を培うこと。
もうひとつは”瀬音の森”の活動。瀬音の森の活動を重要視しているのは、そこから非常に多くの事が学べるからだ。つまり、山や森、川、そしてその周辺の生物などの知識や思想を身につける為には欠かせない。
また、瀬音もカヌ沈を必要としていると考える。俺達の最大の売りは、”若さ”。10年後、瀬音の活動や思想を受け継ぎ、中心となってやっていく存在なのだ。実際にそうなりたいのではなく、それくらいの気概を持って参加しなければならないということだ。
このことは源流遡行も同じ。若手が育っていない世界だと思う。カヌ沈の今後の行動次第では、当然、社会的影響力(ハイカーや釣り人、キャンパーなどの狭い世界だが)を持つ集団となってゆくだろう。その自覚をメンバー全員に持って欲しい。
”遊びなんだから”、という言い訳だけはしたくない。
”遊びだからこそ”真剣にやるのだ。
”遊び”なんだから、そこまで・・・・・ではなく、そこまでやりながら”遊び心”を忘れず、心底楽しむのがカヌ沈隊なのだ。」

言いたいことは、まだまだ山のようにある。
とりあえず、今日はここまで。

10月27日

10月16、17日に、秩父・東大演習林の見学と勉強会に行ってきた。
俺がお世話になっている、”瀬音の森”のイベントだ。
本当に内容の濃い、充実した2日間だった。

技官の大村さんは、30代半ば。秩父生まれの秩父育ち。若いながらも、森についての博覧強記ぶりに、瀬音のメンバーは一同唸りっぱなし。机の上でモノを考えるより、現場を歩き回るタイプの人だ。イワナのペアリングを見るために、川に潜ることもある、と言うから驚く。ちなみに、フライもやるそうで、エルクヘア・カディス1本だそうだ。そういえば我が隊にも、カディスだけしか使わない奴がいたっけな。

その大村さん、笑顔を絶やさず、解り易く、丁寧に森のことを解説してくれる。ヒノキとサワラの区別の仕方、リョウブとナツツバキの違い、ブナとイヌブナの更新の仕方。ミズメの樹皮を削り匂いを嗅がせてくれたり、種類の多いカエデ類は葉を手に取り、名前の由来まで教えてくれる。
名前の由来と言えば、芋の木ドッケ(雲取山から北に延びる尾根上、長沢背稜分岐)。登山地図を眺め”芋の木ドッケ”という地名を不思議に思ったことがある。秩父では、コシアブラの木が非常に柔らかいことから、芋の木と呼んでいて、ドッケとは峠の意。つまり、芋の木ドッケはコシアブラが多い峠らしい。コシアブラの新芽は、タラの芽よりも美味いと言う人も多く、その時分になったら是非、雲取避難小屋・山菜合宿でもやりたいところだ。

演習林・樹木園の樹木の種類の多さには驚いた。いったい、何種類の樹木があるのだろうか。途中、きのこを採りながら歩く。ブナハリタケ、クリタケ、ハナビラニカワタケ、マスタケ、ヒラタケ、ブナシメジ、ムキタケ、ナラタケ、天然のナメコも少々。ドクツルタケ、ツキヨタケといった毒きのこも多い。きのこ博士・安谷さんの解説に耳を傾ける。滝川を渡り、尾根に登る。高木層にツガ・モミ。亜高木層にミズメ・アカシデ。低木層にアセビ、リョウブ、ネジキがみられる。これらは尾根部に見られる樹木なのだが、なるほど言われて見れば・・・といった始末。普段、如何に漠然としか森を見ていないかを物語っている。我ながら、とても残念なことだ。
尾根部に対し、沢筋の樹木は、カツラ、サワグルミ、シオジ、サワシバ、オオモミジなど。サワグルミとシオジは似ているが、小葉の数で見分けることが出来る。
そのシオジとサワグルミの原生林が印象深かった。極相林ということになるのか質問すると、大村さんは、「そうですね。ここは、ここで遷移のクライマックスをむかえます」と答えてくれた。”遷移のクライマックス”という言葉が、持続低音として心に残る。あと何十年かすると、この巨大なシオジ達の命も終わる。しかし、朽ちてゆく巨木からはまた、無数の生命が生まれ、更新されていくのだろう。そんなことを考えながら宿舎に戻る。
夜学は安谷さんの”秩父イワナをめぐって”と東大演習林のビデオ上映。
スライドを見ていると、安谷さんの”秩父イワナ”への思いがヒシヒシと伝わってきた。そして、釣り上げることが目的ではなく、あくまでも渓を巡る環境を知る、ひとつの手段であるような気がしてならない。釣ることだけに汲々としている釣り師が多いなかで、瀬音の人達は、渓とそれを巡る環境を愛し、その地域の先人達に思いをよせる。末席をけがす俺としては、少しでも多くのことを吸収したいところだ。

翌日。様々な試験地を見学。それぞれの森林ごとに適切な管理方法や、育林方法、木材生産方法などを試みているそうだ。樹齢70年近い杉、1本の値段が2万、ヒノキは3万と聞き驚く。ちなみに、手入れをする人の賃金が日当・1万5千円。森林が荒れていくのも無理はない。
とかく人は極相を好む。だから「自然を保護しろ」だとか、「木を切るな」と口にする。しかし、慣れ親しんだ森や林は、先人達が手を入れながら、同時に森林から糧を得た二次的自然。昔、京都・嵐山にあった見事な松林は、それを守ろうとして、保護した為に、枯れてしまったという(松は、腐葉土などの栄養のある土地では枯れてしまう)。「自然を保護すること」は「木を伐らないこと」では決してない。「今本当に必要とされているのは「木を伐ること」。つまり除伐や間伐をして、森林を整備することだという。

ともあれ、まずは正しい知識を身につけることが大事。

大事なことが、もう一つ。
帰路の途中、建設中の滝沢ダム脇を通る。山を崩し、木々はことごとく伐採され、土砂が渓を埋めている。その余りにも無残な姿に、一同言葉を失う。長い時を経て、先人達から受け継いできたものが、いとも容易く断絶されてゆく姿。コンクリートで固められてゆく山肌は、森の未来を奪うばかりでなく、人間の未来さえも奪っているような気がしてならない。

7月4日

7月の17〜20日の4日間、まとまった休みがとれた。
当初、先走り奴隷・フカマチを連れ南ア・甲斐駒、仙丈に行こうと予定していたが、フカマチのバックレによって計画を練り直すことになった。しかし、俺もガキではないので、奴が来れないからと言って、別に落胆している訳ではない。誰かと一緒でなければ、行動できないのではカヌ沈隊隊長はつとまらない。
単独行も悪くは無い。
以前、単独で北岳に行った時のことは、未だに印象深く、忘れることが出来ない良い山行だった。深夜の夜叉神峠越えに少々怯えながら車をひた走りに走らせ、広河原で仮眠をとり、ややバテ気味ながらも予定どうり、北岳・肩ノ小屋でテント泊。草燃ゆる3000Mの大パノラマ。吸いこまれそうな大カールの美しさに氷河期の太古を想い、初のブロッケン現象に、人間を惑わす自然のいたずらを体感。ザックに忍ばせてきた”山崎”を呷れば、心地よい疲労感を優しく癒してくれる。つまみは、お気に入りの本。隣のテントから微かに聞こえてくるラジオをBGMに、ヘッドランプで活字を読む贅沢は単独行ならでは。普段、なかなか自分と向き合えないだけに、一人用のテントの隔離された世界は貴重なのだ。ただし、残念なことに単独行は、どんなに素晴らしい景色を見ても、その感動を誰とも分かち合えない。

さて。当初予定していた、北沢峠をベースに甲斐駒と仙丈をそれぞれピストンするのは、少々面白みに欠ける。甲斐駒は信仰の山。やはり古くから登られてきた黒戸尾根を登ってこその甲斐駒、という気がしてならない。となると車では不便で電車とバスを使うことになる。前夜発で初日に頑張り、7丈小屋でテント泊し、翌日北沢峠に降り、余裕があれば、さらにその翌日仙丈にピストンで登るのも悪くは無い。が、しかし。甲斐駒、仙丈はそれぞれ別々に登れば、いつでも行けるのだ。ならば、最低でも3日は必要な南ア・南部の聖岳や、荒川三山に行くべきか。古の道、転付峠にも興味がある。う〜ん。難しい。さっきから、あーでもない、こーでもないと地図と睨めっこが続いている。やすか横澤が一緒なら沢からのバリエーションルートが幾らでもあるのだが・・・・単独でのクライミングは無理だ(俺の実力では)。しかし、単独のクライミングって、どうやって確保するのか、疑問だ。今度、奥多摩で山野井夫妻に会ったら聞いてみよう。

う〜む。まあ、こうやって悩んでいるのも楽しみのひとつ。
梅雨さえ空けてくれれば、よし、としよう。

6月25日

先週の大菩薩嶺・小室川谷を終えた翌日から、肉体的疲労が回復しないまま、月末尻上がり生産追い込み週間に突入した。(どこかの誰かさんは、翌日、ちゃっかり有給なるものを使っていたようだが、その辺の甘さが、山で空腹に耐えられるかどうかという時に、忍耐力の欠如として露呈されるわけだ。そこが数多くの辛酸を舐めてきた
俺様と決定的に違うところだな。要するに、人間力の厚みと深みが違うってことだ。
(今度、”硬派!!断食合宿”でもやてみっか。ケケケ)


話を戻す。

確かに肉体的な疲労はあった。が、精神的なアクと言うか、澱と言うか 
━例えば、住宅ローンを抱え、まったく覇気もなく満員電車に揺られる冴えないオヤジ達。「こんなはずじゃなかった」と呟き、昨日と同じ今日。今日と変わらない明日を義務感だけで只、生き延びている。あきらめ、嘆き、転嫁。そういう人々の心に宿る病巣。膿。そういった、ネガティブなもの━ が完全に浄化されていることに気付く。再生の森、とでも言うべきか。ひどい宿酔いでも、1時間もしないうちに、霧が晴れるように頭がすっきりとする。これには訳がある。
馥郁とした森の匂い ━例えば、木や水や苔の匂いなどが混ざり合ったような、清々しい匂い━ といえば、解ってもらえるだろうか。都内ではなかなか難しいかもしれないが、雨上がりの夜などには、ちょっと木々が多ければ森の匂いは嗅ぐことが出来る。この森の植物が放出する芳香性の物質は、植物自体の自然免疫で、「フィトン・チッド」と呼ばれている。植物たちは、この免疫物質を放出しながら、互いに抑制し合ったりして、森全体を絶妙なバランスで維持しているのだ。「フィトン・チッド」は人間にとっては非常に有益であり、古来から暮らしのなかで活用され、自然療法としても応用されてきた。昨今、森林浴と言う言葉をよく耳にするが、それにはこういった背景があるのだ。少し詳しく書くと、お香にも、植物の芳香の元であるテルペン系の物質が含まれていて、精神集中や安静を保つのに効果があるし、宿酔いが治るのは、松や杉の樹脂の成分で空気が殺菌され、気分がすっきりとし、清々しい気持ちになるからだろう。檜の油も宿酔いに効く。山で暮らす人は、少々の風邪なら森に入って治したそうだ。春から夏にかけ、樹木は活動期に入り大量の芳香を放つ。


抑圧から解放へ。濃密な大気を吸いに森へ。嗚呼、次が待ちどうしい。

6月7日

カヌ沈隊先走り奴隷候補・フカマチ、という男はラムネの中のビー玉のような男である。
ラムネの中のビー玉というのは、あっても、無くても、ラムネの味を変えるものではないし、ゴクゴクと一気に飲み干したいのに、ビー玉が邪魔をして、非常に人をイライラさせる時さえある。人をおちょくっているのだ。にも関わらず、ビー玉無しのラ
ムネなど飲む気にもならないのは何故なのか。

炎天下、重いザックに耐えながら黙々と稜線を歩き続け、やっと山小屋に着いた時、氷水で冷やされたラムネのなんとおいしそうなことか!その涼しげな容姿のなかに、キラリとビー玉が俺を魅了する。涼しげな容姿といえば、浴衣姿の中山美穂。
嗚呼、浴衣姿の中山美穂が俺を誘惑している。
我慢できずに手を伸ばし、”ラムネ”の横の”一番搾り”をいとおしげに掬い上げ、一気に喉に流し込む。ザマァミロ、ラムネめ。(へへへ。脱線、脱線)

話をフカマチに戻す。奴は、別に俺をイライラさせるわけでも、おちょくっているわけでもない。唯、なんとなく気になるのだ。「別に俺は大人だし、ビー玉なんか・・・」と思いつつも、カラコロロと淋しげな存在が憐れみを感じさせるのだ。
こう書くと、すぐに調子に乗るから、釘を刺しておくが、「ビー玉あってのラムネ」ということを言いたいのではない。べつに「喉に刺さった、魚の小骨」でも良かったのだ。要は、なんとな〜く、気になる存在だということ。(う〜む。やはり、奴のニヤッとする顔が浮ぶ。まずいなァ。)
ちッ。おもしろくねー。もう寝よう。
ワレ酩酊セリ。

5月25日

昼間の暑さもおさまり、窓からの涼しい風が心地よい。
静かな夜だ。

角瓶をロックで飲る(やる、と読んでくれ)。体の奥底の不純物質が浄化されてゆく。
こういった状態を、つまらなく表現すると「アルコール依存症候群」ということになるのだろう。まったく色気も風情もありゃしない。酒が不味くなる。

ウイスキーと言えば、俺は”水割り”が飲めない。飲むと気持ち悪くなるのだ。
二十歳頃までは、ウイスキー=水割り=不味いもの。という絶対的な公式が成り立っ
ていて、ウイスキーというものが苦手だった。その俺のメールアドレスが何故にカクビンなのか。

今から、10年前。
カヌ沈隊・第3回真夏の耐久強化合宿IN那珂川のことだった。思い起こせば、この時、
始めて狩猟班長のやすさんと対面したのだった。
(この時からカヌ沈隊の近代化が始まり、また衰退が始まったと言える。それは、文明が発展する上での、”物質至上主義”、もしくは飽食の時代における成人病、に似ている。なんのこっちゃ。)
合宿最終日の大宴会。水割りに使う水など、とうの昔に無くなり、仕方なくマイナスドライバーで1貫匁の氷をかき割って、コッヘルにごろりと巨大な氷片を放り込み、ナミナミとバーボンを注ぎ入れた。酔った勢い、一気に呑み干すと、これが旨い。
水っぽくない(当たり前だつぅーの)。
以来、カヌ沈では、いっさい”水割り”という呑み方はしない。最近は氷さえ無いので、大概”生(き)”で飲る。焚火を前に呷る一杯は、穢れを浄化させること、請け負い。ただし、効き過ぎると、冬季丹波川合宿の横澤の様になってしまうので、多少の注意が必要だ。

あの真夏の那珂川合宿から、はや10年。
もうすぐ、暑い夏がやって来る。

5月9日

黄金週間の余韻が残っている。
秋田遠征は、後になってジンワリと効能がでてくる、そういう合宿だった。
芽吹き始めたブナの巨木。少し冷たい風。キラキラと涌き出る水の美味さ。
鄙びた温泉。刹那、俺の針に掛かったイワナの感触。
はあっ。
気がつくと、源流遡行の本を読み、深い溜息をつきながら、焦点の定まらぬ眼で天井を仰ぐ、そういった日々が続いている。

たぶん狩猟班長のやすも同じ思いをしているはずである。
ただし、狩猟班長には家庭というものがあるので、俺とは少し事情が違うはずだ。
例えば、週末の金曜日。
仕事をしているフリをしながら、カタカタとPCをいじくり、やれカヌ沈だ、それ東スポだ。掲示板で女子高生と名乗りカサカサ。会議室でコソコソ。プレハブの事務所の壁時計が5時を過ぎると、思いっきり背伸びをし「はあっ〜〜〜。今日も良く働いたなあっ〜」などとわざとらしい言葉を残し、部下に後を任し帰宅。と、おもいきや。自宅に電話を入れ、「今日、これから打ち合わせが入ったから・・・」と偽りオネーチャン達とキャッキャ言いながら猿遊び。鼻の下を伸ばしたまま、夜10時帰宅。
またまた、わざとらしく「はあっ〜。ったく、部長には参るぜ」とか言いながらも、右手は本棚の別冊・渓流に。すべての猿芝居を見抜いている頭の良いカミサンは、つまみなど作りながらも、やすの伸ばしかけた右手を微かに視界に捉え、
「まったく、あんたっていう人は遊ぶことしか考えてないんだからガミガミ○×△□・・・・」、
伸ばしかけた右手をそっと戻し、カサカサと風呂に逃げ込む。
全く疲れていない身体を湯船に浸しながら、「はあっ。黄金週間よ、何故に終わってしまったのだ。
嗚呼、打当温泉がなつかしい。源流イワナちゃんに会いたいよお」
といった感じで水滴のついた天井を仰ぐのである。風呂から出ても、カミサンの執拗
な攻撃は続く。当然の報いだ。
しかし、狡猾さにかけては、この男の右にでるものはいない。ダウン寸前のやすはクリンチに逃げた後、あの巨大なベットに倒れ込み、得意の寝技で逆転勝利。
(これにオチがついたら、週間文春の”淑女の雑誌から”みたいで非常に遺憾である、が自分で書いているので仕方あるまい。)
翌日、家族サービスの為何処にも行けず、おんぶ紐をつけ子供をあやしながら、掃除の邪魔にならぬようウロウロと部屋の中を徘徊し、背中の子供を50リットルのザックと仮定し「う〜む、休日もしっかりとトレーニングしている俺ってなんて硬派」と独りごちているはずである。

しまった。秋田遠征補足的外伝を書こうと思っていたのに・・・。
夜も更けてまいりました。この続きは、またの機会にお話することにいたしましょう。

4月27日

先日の”秩父40”に惨敗してからというもの、どうも寝付きが悪い。
自分の歯軋りで目が覚めるのだ。
おまけに、やすさんと深町に好き放題書かれる始末。
おもしろくねぇ!!!

こういう時は、ハライセ企画が一番だ。犠牲者は深町。
ではなくて、このところ”軟弱ぶり”が際立ってる炊事班長のヨコサワ。
”秩父40”をばっくれただけでなく、掲示板さえ覗いていないことも判明した。


と、言う訳で 6月上旬、横沢ボッカ大会決定!!!
トップン、トップン、と背負ってもらいましょう。
ビール、1ケース。みなさんに振舞います。
さらに、参加した人は炊事班長の料理まで食えるぞ!!!
参加希望者は、カヌ沈掲示板まで。

ところで。
確かに俺は、腕時計をしないし、財布も持たない。
が、しかーし。一度たりとも、腕時計を”軟弱”と言ったことなどない。
どうやら、”カヌ沈隊隊長オザキ”の虚像がやすさんと深町によって創られつつあるようだ。
あまり鵜呑みにされても困るが、面白そうだから暫く静観することにしよう。
それにしても、耳がレーダーのようになっていて、時々そこから酒粕が流れ出し、
どんぐりを拾いながら黄色い笑みを浮かべる人間が本当にいたら会ってみたい。
完全にSFだな。

明日の夜から黄金週間が始まる。さっそく秋田遠征に行って来ます。
”横沢ボッカ大会”で会いましょう。

4月11日

黄金週間が近づいてきた。
今年は、東北遠征を考えている。ちょうど桜が良い頃。温泉も無数にある。
具体的には、秋田県・森吉山。ノロ川・桃洞沢あたりが濃厚だ。
今日は25000分の1の地図を探したが、川越のICIにはなかった。
「森吉山」「玉川温泉」「サンケ森」「太平湖」の4個所の地図、やすさん、探しといて。
装備の問題としては、ウエットかウエーダーが必要だろう。俺が調べたところでは、”泳ぎ”の沢ではなさそうなので、ウエーダーでもいけそうだ。一応、イワナの渓らしい。狩猟班長の腕の見せ所だが・・・。
もうひとつ、ザイルの問題。どうも、1個所、懸垂下降が必要の場所がある。ロープは50M必要。俺がクライミングで使っているロープは50Mだが11ミリ。沢で使うのは、目的にもよるが、7〜9ミリ。登攀的要素が多ければ9ミリ。懸垂下
降があるくらいなら7ミリでも可能。ここはひとつ、7ミリか8ミリの50メートルロープを1本購入してはどうか。やすさんはハーネスも必要。
こう考えると、装備的に結構必要な物が出てきそうだ。財布の中身が厳しくなりそうなので、交通手段として車を使いたい。電車に比べて、3分の1位下ですむ。週末は、秩父縦走前夜祭と兼ねて作戦会議を我が家で行う。
う〜む。完全に業務連絡状態だ。

ところで。
カヌ沈隊が硬派集団であることは事実だが、4速番長が考える程、ハードではない。ついでに言えば、山が専門でもない。確かに、最近は山に行くことが多いが、もともとは横沢曰く、”川の王様”。本来の姿は”河原乞食”なのだ。
最近、ちらっと、「興味があるし、参加してみたいんだけど、体力的に心配」とか、「寒いのは嫌だけど、炊事班長の飯は食ってみたい」なんて話を聞く。心配ありません。ノープロブレム。楽勝です。
是非、参加してくださいまし。ホーム・グラウンド奥多摩、もしくは調査中の奥秩父あたりで、感動的に美味い飯と美味い酒を堪能しませう。
ケッ!なにがカヌ沈だ。ぶっつぶしてやる!なんていってるアナタ。先走り奴隷候補兼RAFw隊隊長の深町が、お相手仕る。のぞきオヤジと化してる、そこのアナタ。BBQでは物足りないけど、でも・・・なんて思ってるアナタ。ヨロズ世話人兼炊事班長の横沢がまとめて面倒みようではないか。
参加希望者は、管理人、もしくはカヌ沈隊掲示板まで。

とか言っても、反応無いだろうな。哀しい独り言だ。

3月29日

俺の文章がスグレモノとおだてる奴がいるが、先日の大洞川合宿に参加すれば、誰だってあんな、クソ文章くらい書ける。いいネタを使って、ヘタクソが握る鮨のようなものだ。
つまりは、ネタがいいだけのこと。実際、大洞川合宿はそれほど内容が濃かった。外気、匂い、風景、色彩、味覚、酒、仲間、会話、等。
どれも、欠くことはできない要素だ。ある意味で、カヌ沈の理想に近づいた合宿であった。

くだらない与太を飛ばしながらも、ちょっぴり社会派。小便ネタで盛り上がりながらも、木々の伐採が進む、中津川の現場を怒りをもって嘆き、只々、野営地の周辺のモクを拾う。実を言えば、あのインチキ管理人・狩猟班長のやすは、モク拾い班長でもある。三頭山合宿の帰り道、足を引りずりながらも、捨てられた吸殻や、空き缶を、せっせと拾い集めていたし、渓流にテントを張れば、必ず釣り人の捨てて行ったテグスなどを回収するエライ人なのだ。集めたモクをばらし、一本の煙草にするわけでは,決してない。

ところで。
俺は自然保護団体というものを少々、疑問視しているところがある。もちろん、全部の団体を否定しているわけではない。例えば、クソ。頭ごなしに「山でウンチをしてはいけません」なんて言う団体は、即刻お役所的似非自然保護と位置づける。もちろん田部井淳子(日本人女性初のエベレスト登頂者)のように、山での排泄物をすべて持ちかえる人は、認める。
「山でクソをする時は、30センチ程の穴を掘り、紙はその場で燃やすか、持ちかえる。掘った穴は、必ず埋め戻すこと。この場合、クソはひと月程で、バクテリアによって分解され、土の栄養成分の○○○は、以前より増すことになる。
以上のことから、一概に野クソが自然環境を破壊する、とは言えない」
こんなことを掲げる自然保護団体があったら、俺は、一目置く。(そんな自然保護団体あるわけないっーの)
一度、この件に関して、JNA 日本野糞協会会長と、じっくり会談したいものだ。

 

3月某日

先日、めでたく?酩酊日記の最終回をむかえたわけですが、まったくと言っていいほど反応が無いので、哀しい思いでイッパイの今日この頃、みなさま如何お過ごしでありましょうか。
RYOさん、正直に反応してくれ、ありがとうございます。あなただけです、酩酊日記の最終回を悲しんでくれたのは・・・。《涙》

そう。
哀れ、カヌ沈隊隊長ことオザキは、狩猟班長兼管理人のやすの掌で弄ばれ、もはや”東スポとカヌ沈隊”なしでは生きて行けないのであります。どうか、今後とも、このHPの端っこで結構で御座いますのでどうか、わたくしの生きる場所を提供しておくんなまし。

って、悲しーじゃねぇーか!ええっ!”ど”の字よ!
嘘でもいいから、「隊長〜!たいちょおおお〜!!戻ってきてくださいぃぃぃぃぃ〜」
くらい、言えないもんかね。ったく。こう書くと、掲示板に、「隊長〜!たいちょおおお〜!!
隊長が戻ってきたぁぁぁぁぁぁ〜」とかわざとらしく書きこむんだな、きっと。やな奴だよ、まったく。
まあ、いいや。
我慢できません。ちょっと復活させていただきます。

悔しいので、ちょっと、おいしい話をしてあげよう。
わたくし、先日秋田に出張した際、大皿に盛られた”フグ刺し”なるものを、長嶋監督ばりに、箸で、こうガバァッ〜と円弧状にこそげる、バブリーな頂き方をして参りました。
フグと言えば、下関。だが、最近、秋田も隠れた”フグの産地”として、一部では話
題になっているらしい。まあ、その味たるや。ええ、なんとも・・・、いいもんですわ。ふふふ。
酒は地元の銘酒”飛良泉”。これがまた、いいんです。(川平慈英ふうに)ちなみに、どちらかといえば俺は、白身党。鮨で食うならトロもいい。が、酒のつまみなら、断然、白身。しこたま飲んで、締めは”石焼き”なるもの。“石焼き”とは、あらゆる海の幸が入ってる
味噌汁なのだが、焼けた石が放り込まれグツグツいってるところが他と異なるところ。
どうも焼けた石を放り込むあたりに、縁を感じる。この”石焼き”、あらゆる海の幸が渾然一体となり、うまいのなんの。できれば、「寒いー」とか言いながら、外で食いたいものだ。
ああ、キャンプに行きたくなってきた。

雪解けの畦道に、春の使者、蕗の董が顔を出していた。
とはいえ、「春は名のみの風の寒さよ♪」
秋田の春は、まだ遠い

3月14日(最終回)

とほほ・・・なのである。

秋田出張から戻り、「東スポとカヌ沈隊」が気になり、早速アクセス。
ところが、エラーが出てしまう。んっ?なんで?
と疑問に思いながらも、9時間のドライブで疲れていた事もあり、睡魔には勝てず。
翌朝、再びリベンジしたが、つなげない。10時を待ってMSNに電話したところ、「カードの有効期限は?」と聞かれ「11月までは・・・」と言いいかけ、ハッとした。
まったく、迂闊だった。
基本的に俺はカードを使わない。カードの引き落としは、昔の口座なのであった。
給料はそこには払い込まれない。速攻、金を払いに行ったが、時すでに遅し。
茫然自失。あまりのショックで所沢から川越に帰るまでの記憶が無い。
瞳孔拡大。脳波フラット状態。これほど落ち込んだのは、二十歳のころ、パチスロで8万やられて以来だ。その時はクソにもならない設定に怒り、放火も考えたほど。
(その後、様々な不正がバレ、店長以下、店員全員クビになり、新装した。当たり前だ)
しかし、今回は120%俺が悪い。弁解の余地無し。
アクセスできないPCを目前に沈む隊長、オザキ。ここでは俺の存在など鼻クソ同然。
(どこかで見たセリフだ)しかし、そのことを自覚しても、”畏れ”という感情は沸いてこない。
”ダメ人間”になるのは簡単だった。無言のPCを前に昼間から酒。酔うのは早い。
部屋は”堕落論の坂口安吾”並の散らばり様。
「あぁ、嗚呼、アァ。今、東スポとカヌ沈隊はどういう状態になっているのか。
3ヶ月もの間、音沙汰無しでは、全国の隊長ファンに申し訳無い。いや、きっと俺のことなどみんな忘れてしまうだろう。そうだ、きっとそうなるのだ。そうなると、幹部3人衆はどうなるのだろう。
隊長は、やす。横沢はそのまま炊事班長だろうが、奴隷の深町が広報部長なんかになって、調子に乗る。
見える。見えるぞ。隊長となり悪辣代官ぶりを発揮しまくる、やすさんの姿が。RAFwのメンバーを何人か
引き込み、権力基盤を築く深町の不気味の笑いが。隊員メンバーの一番下に、元隊長・オザキ
”惜しい人をなくした。合掌”なんて書かれ、いつのまにか”カヌ沈隊第3期”突入
!!!なんてことに・・・なるだろう。

2月24日

番外編

人は、心の奥底に、ある種の”渇き”を持っている。少なくとも、俺には、ある。かつて、八ヶ岳合宿の報告でも書いたが、日常ではない非日常、ってやつだ。酔ってくると、俺は、張り詰めた空気を思い出す。

”張り詰めた空気”=”カミサンとの修羅場=”不倫がばれた時”


という方程式が成り立つ人は、今すぐ”淫虐懺悔教会”に行き給え。
確かに不倫も非日常の愉しみ。日常になったら、ジ・エンドだが・・・。
ここは、硬派アウトドア集団”カヌ沈隊隊長室”、硬派が売り物。

俺もバック・パッカーの端くれ。(バック・ファッカーは官能談話室へ)不安、恐怖、淋しさ、孤独。そういった感情にどっぷりと浸るべく、2年前、”神々の領域”、憧れのヒマラヤに旅立った。道に迷い、言葉も通じず、迷子になったガキのように、やみくもにオロオロと恐れおののく。そういう状況で自分はいったい、どういった行動をとるのか興味があった。頼れるのは己のみ。殺られたら、それまで。今考えれば、あまりにも浸り過ぎでアホくさいが、なにしろ当時の俺は、「天竺を目指す、玄奘三蔵」を意識していたのだから・・・。

ところが、天竺はあった。

”神々の領域” ヒマラヤ。厳冬期の崇高。入り口は、シェルパの里、ナムチェ・バザール。山門の変わりに白い峰コンデ・リ。
高度順応をしてタンボチェへ。ここは富士山の標高よりさらに高い、雲上。張り詰めた空気。息をのむ世界。透き通った”群青”の中に6000メートル級の山々。
早暁なのか宵なのか、はたまた深夜なのか。未体験の青白い瞬間。空に浮かぶタムセルク、カンテガ、アマ・ダブラム。
ガスが晴れ、世界第4位の高峰、ローツェが姿をあらわす。そして。そのさらに奥に鎮座する世界最高峰サガルマータ(チョモランマ・エベレスト)。

ここは此岸(しがん)なのか彼岸なのか。ゴンパ(チベット仏教の僧院)から、”オン・マニ・ペメ・フン”と低い読経が聞こえてくる。不思議な感覚をおぼえる。俺はすでに日本で死に、輪廻転生する旅の途中なのではないのか、と。

小屋に戻り、ヤクのクソが燃える匂いで、現(うつつ)であることを実感する。ランプの下で、イギリス人は静かに読書し、オージーはトランプで賭け事。
俺はウオッカを呷り、焚き木は爆ぜる。窓の外の神々の山嶺は、悠久の時を物語る様に、いつまでもその色を失うことなく、青白く浮んでいた。

さらに奥地、チュクンへ。標高4800メートル。森林限界を超え、荒涼とした風景が広がる。高山病の症状が出てきた。頭痛、吐き気、食欲不振、疲労感。首都カトマンズから、ロシア軍用払い下げヘリでルクラ。ルクラからここまで5日。日本からだと7日。いやでも”果て”を実感させられる。不安、淋しさ、孤独。そういった感情に支配される。情けない。


翌朝、高山病が悪化しパンパンに顔がむくむ。大量のお湯とダイナモックス(利尿剤)を飲み、高度を下げる。飯が喉を通らず、早々に寝袋に入る。ここに来るまでに、多くのケルンを見た。高山病で命を落したトレッカー達の墓だ。
正直、このまま死ぬのだろうか、なんて考えた。いい年して恥ずかしいが、俺は風邪をひいても弱気になる程、大げさなのだ。しかも、熱に弱い。

ダイナモックスが効いて、膀胱がパンパンになる。我慢出来なくなり、表に飛び出しウマ並の放尿。病的なほどの星の数。無性に悲しくなる。ここでは人間の存在など”鼻クソ”同然なのだ。鼻クソであること、を自覚した時、”恐れ”は”畏れ”に変わる。

“畏れる”ことを忘れ、文明の力で”恐れ”を排除しようとする人間の傲慢さ。

かく言う俺は、その後高山病から回復し、文明の所産である熱いシャワーと冷たいビール、ジュウジュウと焼けるステーキと真っ白なシーツをただひたすら頭に想い描く、煩悩の権化と化していたのだった。    

つづく       
                                      
                 

2月11日

先日の酩酊日記はなかなか評判がよかったのだが・・・。
またもや、横沢に異変が起こったせいで、くだらねー文章をお書きにならねばならない。

昨年、松戸の”七人のこびと”という、いかがわしい場所で、急性黄白濁色毒性体液噴出中毒症候群を院内感染して以来、リハビリ中だった炊事班長はPCを購入し、まっとうな道を歩み始めた。と、思いきや。幾ばくかの潜伏期間を経て再びエロウイルスが暴れ出した。いや、これは呪いだ。現代医学では解明できない奇病―突発性ダッチワ○フ症候群―。
”呪い”は存在するのか?一体誰の?今、売出し中の官能作家M氏の呪いなのか?早急に空気を抜いてやらねばなるまい。

と、いうわけで週末は奥日光で極秘裏に、亀頭、もとい祈祷の儀式を行うのだ。

2月3日


愚者は食べ物の話をし、
賢者は旅の話をする。
    ―蒙古古諺―
で、あるならば、
私は愚かな旅人であろうか。
    ―開高 健―
と、するならば、
私達は単なる愚か者であろうか。
    ―カヌ沈隊隊長―

うまいもの。
これは、カヌ沈隊にとって、十分目的になり得るのだ。
例えば、この時期。
アオリイカのソーメン。寒鰤の刺身に鰤大根。カワハギの肝の味噌汁、酒のつまみなら、肝あえ。
多少の寒さがあるからこそ、”うまい”ってもんだ。
酒は冷でやるもよし、焚き火の中から焼けた小石を拾い、シェラカップに放り込み、熱燗にするもよし。焼酎を生(き)でやるのも、漁師気取りでいい。
つまみ、としての話題は”遊び”に限る。仕事の苦労話なんか、決してしない。
”いい遊び”が出来ない奴が”いい仕事”など、できる訳が無い!
去勢されてしまった大人の、なんと多いことか!(奴隷の深町と炊事班長は去勢したほうがいい)
”遊びの王様”と自他ともに言える大人になりたいものだ。

何が書きたかったのか、今となっては忘却の彼方。何故なら、俺は酩酊中。

1月31日
 
だっ、誰かあぁ。俺を助けてくれぇ。やすさんが仕掛けた”活字ネット中毒地獄”に、ズブズブと嵌りこんで行くぅ〜。気がつくとカタカタやっているのだ。やばい。やばすぎる。ちっと前までは、「けっ。電脳野朗め!やだやだ、オタッキーは」なんて言ってたのだが・・・。
  ところで。調子に乗って、気に入ったHPにメールを送ったらきっちり返事が帰ってくるものなのね。先日、おもしろ本を探していて見つけたHPにメールを送ったら、返事が返ってきた。そのHPは、ものすごい情報量で、おもしろ本や、おすすめ映画、CDが紹介されている他、日本全国のおいしいお店が満載。あとで知ったことだが、最近ちょっぴり話題になっている「うまひゃひゃ さぬきうどん」という本の著者のHPなのだ。そんでもって、あの本がどうとか、あの映画はどうというメールを書いたわけだけど、”98年のおもしろ本”に、サラリーマン転覆隊の本が紹介されていたこともあり、以下のように締めくくった。 

私はオザキと申します。
メールアドレスは、以下の通り。
kakubin@email.msn.com
ちなみに、硬派アウトドア集団”カヌー沈没隊”略して
”カヌ沈隊”http://www2.plala.or.jp/tankentai/の隊長でもあります。
最近、サラリーマン転覆隊という似た集団が世間で話題になっていますが、我隊は奴らの真似では決してありませんので。

そしたら、帰ってきた返事は以下。

こんにちは。
サラリーマン転覆隊の面々と同じ会社にいるさとなおです。面識はまったくないし、特に贔屓にしているわけでもないのですが。

ちょっとした偶然ってやつだ。
ちょうど転覆隊との事ノ顛末中だったので、むむむ、またも転覆隊が・・・、ひつこい奴だ!纏わりつきやがって、といったところか。(どっちがや!)

隊長室の「顛末概略」にも書いたが、和解メールを送って1件落着。と思いきやまたまた返事が来た。たいした内容ではないが、秋田の阿仁川がオススメだそうだ。今、転覆隊隊長はCM撮影のため、ロスに出張中らしく、「さきほど、現地よりメッセージがとどきましたので」ときやがった。小癪なまねを.

ついでに書いとくと、転覆隊も沢登りを始める計画があるそうだ。
しかし、結構ヒマなのか、カヌ沈のことを意識しているのか、メールを返してくる
なぁ。「お気に入り」に載ってたりして。こっそりチェックしてたら怖い。

平成11年1月28日

PCを購入し、興味の趣くまま、あっちでカキカキこっちでカキカキしているうちに、転覆隊のHPを発見し、いきおい、挑戦状を叩きつけてしまった。実を言えば、カヌ沈は誰も某雑誌を購読している者はなく、立ち読みで、「ふ〜ん。サラリーマン転覆隊ねえ〜」程度しか知らなかったのだ。
渋谷で女子高生にバッタモン扱いされたとは言え、いかにも、”勇み足”的行為であったと反省している。と言うのは、転覆隊に、カヌ沈の”売名行為”と誤解された可能性があるからだ。
ここは、あくまで地下組織。これっぽちも日の目を見ようなどとは、考えてはいけないのである。太陽に向かって飛んだイカロスよろしく、必ずや
地に落ちる。堕天使。それもまた一興かもしれぬ。いや、ダメだ!カヌ沈に、成金的行為は許されないのだ。
横沢の”松戸エピキュリアンの会”を見よ!おのれの欲に目が眩み、エロ事師化した奴のあの顔!yokozawa inakaoyaji2.jpg (27099 バイト)
まてよ。”松戸エピキュリアンの会”も限りなくアンダーグラウンドだし・・・。う〜ん、とするとぉ、あれが、ああなって、これがこうで、いやいや、それじゃ
だめだなぁ。とするとぉ・・・。
やめた。とにかく、カヌ沈はまた地下で潜行することに決めたのだっ!とりあえず、礼義というものは大事にしなければならない。それが、道ってぇもんだっ。というわけでメールの公開。だれだっ!媚と言ったやつは!


サラリーマン転覆隊に送った果し状


サラリーマン転覆隊から来たカヌ沈隊隊長様


隊長が出した転覆隊殿


平成11年1月23日

うっ〜。眠たい。疲れた。

が、しかーし!
再び怒髪衝天、なのだ!!!!といっても、カヌ沈とは関係ない。

ヘロヘロで家に帰りつくと、アパートの管理会社、”エ○ブル”からこんな通知が・・・。

「貴殿は以下物件の賃貸人に対し度々と家賃滞納行為を繰り返し、重大なる債務不履行を犯し、信用失墜行為を
行っております。(中略)
今後この様な支払い金員の遅延等の重過失行為が一度でも生じた場合は、貴殿に対し、いかなる事由等が発生したとしても、本書通知文にもとずき家財強制執行等及び契約の解除を講ずる事になりますので、承知願います。(後略)」

なめんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁああぁぁぁぁぁあ!!!!
重大なる債務不履行だとぉ!信用失墜行為だあぁ!
重過失行為?家財強制執行ぅぅぅぅぅぅぅだあぁぁぁ?
”エ○ブル”よ!俺様を誰だと思ってんだ!
今まで、1週間以上滞納したことなどない、この俺になんという暴言!金が無いわけじゃあ、ねえェんだぞ。こちとら忙しくって
銀行に行く暇もねえェんだ!ケッ!ふざけんな!言われ無くったて もう、こ〜んなクソ アパート」出ていくってェの!家財強制執行?やれるもんならやってみろっ、つーの!
BUT、PCだけは隠さねば・・・。
ちきしょう!畜生!子供でも人質にとって、「”エイブル”の責任者出てこんかい。こらぁ〜っ!」とか、言っちゃおうかなぁ。
ふんっ!後で後悔しても知らねェかんな!
失礼いたしました。
少々、言葉が乱暴及び不適切であったことを、お詫びいたします。気をとり直して、あすは”あなたのカヌ沈度は何パーセント?”をやりたいと思っております。ハイ。


平成11年1月20日

俺が転覆隊に挑戦状を叩きつけてやったことで、広報部長が心配しているようだ。実を言えば、俺自身、もしも”その挑戦、受けた!!おまんらを、再び浮かび上がることのないよう、こてんぱんに沈没させたるわい!!!”なんて言ってきたら、どうやって勝負しようかと、ここ2、3日考えていたのだ。
 カヌ沈が、奴らに勝っているものはなにか。しかも、奴らが乗ってきそうなもの。
そうなると、やはり”水もの関係”しかあるまい。水もの関係と言っても、「あらぁ〜、社長、いらっしゃい!お久しぶり〜。ビール、それともお酒?」ってやつではない。ずばり、”潜り”である。炊事班長、広報部長ともに、その分野のスペシャリストだ
し、俺だってハイパー ベンチレーションぐらいできるのだ!。ただ挑戦状を叩きつけたのではなく、ちゃんと考えてのこと。ふふふ。
 では、その”水もの関係”でどう勝負するのか?勝負は”鯉の掴み取り競争”しかあるまい。(なんか運動会みたいだ)この勝負は厳寒期限定だが、四万十川クラスの清流で動きの鈍くなったメートル級の鯉を、抱きかかえ漁法で捕まえるものだ。どっちが大きな鯉を捕獲できるかで勝敗を
決める。これなら、勝ったも同然。ケケケ。
広報部長どうであろうか。あとは転覆隊が乗ってくるのを、てぐすね引いて待つのみ。もしも、奴らが何も言ってこなかったら、カヌ沈のHPをこっそりとみて、”これは、やばい!転覆させられる。逃げろ!!”と思った、と考えていいだろう。

平成11年1月19日


以下 サラリーマン転覆隊に叩きつけた挑戦状である!
むむむ!”サラリーマン転覆隊”は知っていた。
けっ!俺達の方が歴史は古い。と、思っていたら2年ほど貴隊のほうが、古かった。むむむ、なのである。
俺は、1988年結成の”カヌー沈没隊”略して”カヌ沈隊”の隊長なのだ。この名前は、1990年の”真夏の耐久強化合宿IN那珂川”の時、茂木の魚屋のおやじさんが名付けた由緒正しい名前なのであるが、”サラリーマン転覆隊”のパクリだ、と最近、巷で噂され、なにおぉ、と、怒髪衝天していた。そこに、このHPが・・・。勝負だっ!”サラリーマン転覆隊”。とりあえず、カヌ沈のHPに乱入を・・・。下記まで!
     http://www2.plala.or.jp/tankentai/
隊長のメ−ルアドレスは、
     kakubin@email.msn.com 
  お待ちしております。  


平成11年1月18日


怒髪衝天!!!!!
おのれェ サラリーマン転覆隊め。奴らのせいで、俺達カヌ沈隊はバッタモン扱いなのだ。
先日、渋谷で女子高生が「カヌ沈隊って、なんかぁ〜、偽者っていうかぁ〜、転覆隊
の真似だよねぇ。」なんて、話をモスで聞いたのだ。
なめやがって!
と言うわけで、”サラリーマン転覆隊http://www.tenpukutai.com/”に果たし状を送ったのである。
が!しか〜し!(なんだか、広報部長が書いてるみたいだ。誤字は少ないけど。)奴らのほうが、歴史は古かった。ちぇっ!ただの、ポッとでかと、思った。しかも、流氷の下でダイビング。う〜ん。

流氷の下でダイビング VS 水泳登山
フェザークラフトのファルトボート VS アキレスのゴムボート
広告代理店 VS 製造業もしくは建設業
つまり
ホワイトカラー VS ブルーカラー(けっ!こちとら職人、文句あっか!)
ユーコン川 VS ガンガー支流
豊富な資金 VS 豊富な借金

う〜っ。
なめやがって!山賭魂(BY 松山高校)を見せたるわい!
西欧物質文明 絶対反対!

”カヌ沈、転覆隊を転覆させる!”よしっ!これで 行こう!
というわけで、横沢はボッカの練習しとけよ!



平成11年1月15日

寒い。かなり寒い。
なにせ、広報部長曰く、「カヌ沈でなにが厳しいかって、尾崎の家に泊まることが一番厳しいね」だってさ。
みんな家に来るときは、羽毛のシュラフ持ってくるからね。(笑)本当の話です。ちなみに、俺の布団は、モンベルのダウンハガー#0です。羽毛は900グラム。そうです、寝袋で寝ています。暖房といえば、800ワットのおなさけ電気ストーブのみ。給湯器も無し。朝、顔を洗うのがつらいのよ。とっても。
 寒いといえば、一昨年の南ア・鳳凰三山に年越しで行ったときは寒かった。隊員リストの左の写真<覆面して、頭にヘッドランプつけてる>はその時のものなのだ。
 邪魔だからマットなしで行ったのがいけなかった。雪の上にテント張って、ペラペラのシート一枚。シュラフとシュラフカバーを通して、その冷たさが伝わる。我慢できなくって、80リットルのザックを下に敷いて寝たけど、それでも背中が冷たかった。横沢はザックを敷いたら「おぉ。快適だぁ」と言って速攻寝てしまった。なんという強者。横沢って異常に寒さに強いんだよね。丹波川キャンプのとき、俺なんかウ
エット着ても泳ぎたくないのに、ビキニ1枚で5分くらい楽勝だもんな。ちなみに、異常に寒さに弱いのは広報部長兼狩猟班長のやすさん。丹波川の時は5ミリのウエットだ。卑怯者め。だけど5ミリのウエットだと、その浮力のため潜れないらしく、腰におもりを巻いていた。そこまでやるか!馬鹿だな。
 奥多摩のさらに奥、山梨との県境でウエット3人衆は好奇の目にさらされつつ、国道411号を30分も歩いたのだ。馬鹿すぎる。
 
 カヌ沈のHPの<過去の活動>も少しずつ書いていかねば・・・。


平成11年1月11日


横沢がワルイのである。

カヌ沈を忘れ、”欲”の趣くままに、
最近、奴は”7人のこびと”という怪しい店にいりびたっているらしい。
それはまるで、オナニーを覚えた猿が死ぬまで自慰行為をし続けるように・・・。
まさにエロ事師だ。

 

yokozawa inakaoyaji2.jpg (27099 バイト)

エロ事師こと 炊事班長のヨコザワ


エロ事師は、年末の雲取で大量の汗とともに”誇り”や“自尊心”をも体外に
放出してしまい、”恍惚の人”となってしまったのだ。(写真は後日管理人がUPして
くれる)
あまり公表したくはなかったが、責任の所在を明確にするためにも、断腸の思いで語
ろう。

奴は突然、ほっかむりをすると、なにやらブツブツと独り言をいいだした。
「おらの村では□○▲×♀♪・・・いつになったらメシがでてくる□○△♂・・近頃
の若い奴
は♪煤Z○?・・・」
んんん、な、なんだ、ど、どうしたんだ。おれは、うろたえつつもカメラを向けると
奴は腕を組み
左に首を傾げ「ほへっ」と笑った。

おれは、すぐに背を向け何も言わずに歩き出した。そして、こう考えた。
「おれさえ黙っていればこの事実は永久に葬られる。そうだ!。見なかったことにし
よう。
それが友情ってもんだ。」

が、事は意外な展開を見せ始めた。
奴はその後、“恍惚の人”から”エロ事師”へと豹変したのだ。
痴呆老人が、ものを食べ続けることがあるそうだが、エロ事師は食欲ではなく、性
欲、つまり
下半身の飢えを訴えるようだ。おれが思うに、奴は頭が縞枯る程、男性ホルモンの割
合が
強く、そのことが奴を”エロ事師”化させた理由ではなかろうか?
”エロ事師”DNA、おそるべし。

その後、”エロ事師”は、カヌ沈の危機も省みずに松戸で不埒な悪行三昧。
フリーセックスを推進する宗教団体”松戸エピキュリアンの会”を、自らが
教祖となり、発足させようと地下活動計画を企ていた。

そのため、とりあえず応急処置として、”酒”という聖水を飲ませ、一時的に沈静さ
せた。

こうして、今回の”カヌ沈緊急討論”でカヌ沈の危機の原因がはっきりした訳だが、
今度は
”緊急課題 エロ事師を正常化させよ!”というテーマが与えられたのだ。
この難題を解決すべく、”エロ事師からの脱出 横沢を救え! 贖罪の旅企画”を提
案する。

いい企画があったら隊長まで。

隊長へのメールはkakubin@ma3.justnet.ne.jpまで

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硬派夜営集団カヌ沈隊