甲斐駒・黒戸尾根

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平成11年10月2日〜3日

★★

硬派者:隊長、ユウ奴隷候補

 

ユウ奴隷候補 記

 今回、わたくしユウ奴隷候補は隊長にお誘いを受け、甲斐駒ヶ岳山行を行った。甲斐駒ヶ岳は標高2967メートル、南アルプス最北端の山で、日本百名山にも選ばれている、

女人禁制の修験の山である。「南アルプスの天然水」でも有名である。今回の山行は、

日本三大急登として知られる黒戸尾根からの山行になる。急な斜面を6〜8時間。標高差2200メートルを誇る急登である。途中、刃渡りという両端が断崖の所もあり、非常に硬派な山行になる事が期待された。予定では・・・黒戸尾根・七丈小屋(一泊)・山頂・仙水峠・北沢峠という行程をとる。わたくしは初の山行である。いきなり、日本三大急登なる、かなり硬派な山行を無事なし得る事が出来るかっ!そして2967メートルの甲斐駒ヶ岳を制覇する事が出来るかっ!出発前、かなり不安であったが、逆にいい知れぬ興奮が全身を包み込んでいた・・・。出発は6:30である。

 はぁ〜はぁ〜はぁ〜・・・うぉーーーー!

刃渡りだぁ−!!(10:55)いままで来た樹林帯が開け、ゴツゴツした岩が出現した。なんとも言えない解放感だ。しかし良く見るとホントに刃渡りである。というのは、両端はまさに断崖。刃物の刃を渡るという意味が理解出来た。しかし、遠く甲府盆地を望み、その向こうの大菩薩嶺の峰々、右に転じて富士山、そしてその手前の鳳凰三山(左から地蔵ヶ岳、観音岳、薬師岳)。さらに後ろに転じて、八ヶ岳・・・。それらが綺麗なシルエットを作り出していた。なんと言う絶景っ!初めての山行という事もあり、普段見なれた山々も、自分の足で登って来た山から見る景色は、また格別。天気も良好だっ!少し水蒸気が多く、澄んでいるという感じではないが、わたくしにとっては、充分過ぎる絶景であった。

 「ビールゥ・・・ビールゥ・・・」(13:57) はぁ〜はぁ〜はぁ〜・・・うぉりゃ!・・・着いたぁ〜・・・。

七丈小屋だぁ〜・・・。途中、非常に硬派な急登を登りつつ、やっとの思いで辿り着いた。七丈小屋は僕から見てかなり立派な建物である。「ビール・・・ビール・・・」と譫言の様に隊長と二人でビールを購入。普段ビールはあまり飲まないのだが、無性に飲みたい。なんと贅沢なのであろう。こんな所でもビールが売っているなんて・・・。近くにいたおじさんに頼み、「パシリッ」と記念撮影。わたくしの顔は腑抜けである。しばし休息し、早速テン場でお店を開こうと向かった。先ほど飲んだビールが重い身体をより一層重くする。途中、迷いながらも無事到着。お店を開いた。

 さぁー飯の準備でもすっかぁ?(17:37)との隊長の声で飯の準備に取り掛かった。飯はレトルトカレーである。しかしわたくしは、余りにも腹が減っていたため、野営店で買ったお湯を入れるだけで出来る乾燥食(?)の「きのこリゾット」を既に食していた。乾燥食(?)は隊長に不味いと言われたが、一度どんなに不味いのか経験してみたかったので、購入しておいたのだ。しかし、日頃貧困でろくな飯を食っていないわたくしにとってなかなかの味であった。隊長も一口・・・。「こりゃーまだマシだなっ!」レトルトカレーの話に戻るが、御飯はレンジもしくはお湯で出来るパックの御飯をコンビニで二人して購入。レトルトカレーも隊長と仲良く同じものを選んでいた。その御飯が問題であった!わたくしは何の疑いもなく、隊長が御飯とカレーにしようと言ったので、じゃー俺も・・・と思い購入したが・・・。コッヘルは隊長とわたくしの小さなもののみ・・・普段は横沢さんが大きいものを用意してくれるので、そんな事は頭になかったらしい・・・。僕も同じく・・・。既に御想像頂けたかと思うが・・・コッヘルが小さくパックの御飯を湯に浸す事が出来ず、 先っぽの1/3くらいしかお湯に入らないのだっ!!(変な想像はしない様に!) 頑張って入れようとしても当然入らない。(変な想像はお止め下さい!)それでは挿入角度が行けないのだっ!と角度を変えるが入らない。(やすさん!変な想像はお止め下さい!)とこんな事をやっていたが、しばらく齦側をお湯に浸してから、今度は逆という様にやる事にした。無事ホカホカ御飯が出来上がった。続いてレトルトカレーをお湯に浸し、カレーを食する事が出来た。山で食うカレーはんまいっ!

 「ん?何だこの音は?」「・・・・・?」一瞬、普段聞き慣れたこの音が何の音か全然解らなかった。七丈小屋に着く前に一度この音は聞いたのだが・・・。「あっ!また携帯だっ!」携帯の画面を見ると・・・やすさんからである。隊長は横で「またか・・・」と不機嫌そうに呟いている。「ユウ大丈夫かぁー?」この時わたくしは、電話の向こうのやすさんの顔を思い浮かべた。ニヤけている・・・・。

やられたっ!!これでは隊長と二人きりのムードが台無しで・・・いやっ!標高2000メートル近くのテントの中のムードが台無しである。おまけに狩猟班長は最後に

呪の言葉を吐いて、この場から去っていった。

狩猟班長恐るべしっ!言い訳だが不覚にも携帯を目覚まし代わりにしようと電源を入れておいたままだったのがいけなかった。以後、狩猟班長の参加しない合宿等は注意しようと心に決めた。

 ん〜なんか天気が悪くなって来たぞぉ〜。と二人で顔を見合わせる。酒を飲みながら、カヌ沈隊の将来に付いて赤ら顔の隊長から説教を聞いていた所だった。んっ?テントにポツポツ何かが当たる音がする。とうとう降り出してしまった・・・。ここからの甲府の夜景と満天の星空を期待していたのに・・・。しかし、今降ってもらった方が良いのである。今は夜である。テントの中にいれば何の問題もない。明日の出発時に降っていなければ良い事なのである。猛烈な風、雨の音を聞きながら、なおもカヌ沈隊、山、釣り、茸、人生、職・・・等に付いて隊長と語り明かした。合宿と違い、こういう少人数の山行もかなり良いものだと思った。

 「うんぅ〜ん・・・・んっ?」(

たったっ隊長ぉ〜〜〜!)(それはマズいっすっ!いやっそれは・・・マズっ・・・マズいっす・・・心の準備が・・・)寝ていたわたくしは近づくシュラフのスリ音と、身体に何かのっかっている感覚があり、目を覚ました。気付くと隊長はしっかり、このわたくしを抱き締めているではありませんかっ! ぐぅぉ〜〜〜!知らんかったぁ−!!隊長にこっちの趣味があるとは・・・。こうやってカヌ沈隊に入ってくる奴隷候補を山へ誘い辱めて来たのか・・・。とそんな事を考えていたら、更に・・・・

足が絡まってくるぅ〜〜〜・・・・。やっやばい・・・これは・・・奴隷候補の人達はこの試練をかいくぐって、立派な奴隷候補になっているのかっ!なんて凄い人達だっ!しっしかし・・・俺は・・・この試練には・・・耐えられぇ〜〜〜んっ!! と振り解くと・・・隊長は赤ら顔で(暗かったので想像で)

ニヤニヤしながら寝返りを打った・・・。ふぅ〜・・・ビビったぁ・・・。カヌ沈隊隊長恐るべしっ! 翌朝、この事を隊長に問い正してみると「ユウは二人目。最初の餌食は横沢だっ!」と笑顔で答えてくれた。横沢さん、お気持ちお察しします。お気持ちは痛い程よく解りました。これで同じ棒のムジナです。(笑)

 夜の

「甲斐駒テン場強姦事件」の後、悪夢に魘されながら寝ていたわたくしは・・・・「・・・・・はっ!」と目を覚ました。(6:00)外は風が強い。テントごと飛ばされそうだ。隊長はというと・・・起きていた。 不覚にも隊長より早く起きる事が出来なかった。寝る前に、明日は先に起きてコーヒーでも入れて隊長を起こそうと思っていたのだが・・・。「出発の時間過ぎてますよぉ−」「いやっ!風が強いからもう少し待とう」確かに猛烈な風が吹いている。「7時半くらいにはここを出よう」しかし一向に風は止まない。外を見るとどうやらここは

分厚い雲の中らしい。時たま、隣の鳳凰三山が顔を覗かせるが、すぐ見えなくなる。昨日の晴れた空からは誰も想像出来ないであろう、この天気である。これでは・・・山頂も雲の中である・・・。

 やはり雲は晴れない・・・。(7:40頃出発)ここが晴れていれば、物凄い絶景なのであろう。今思い出したっ!狩猟班長のの言葉を・・・。絶対あの呪のせいだっ!なんという事を・・・・僕は狩猟班長を呪った。それにしてもなんというパワーなのだっ!さすがはカヌ沈隊幹部っ!!敵にまわすものではない・・・。この呪は奴隷候補の力ではどうする事も出来ないっ!なおも

物凄い突風が軟弱な奴隷候補を吹き飛ばそうとする。突風が来る度、狩猟班長の嘲笑が僕の頭に木霊する・・・。「くっそぉー!!かかってこいっ!まだまだぁー!!」と気合いを入れれば入れる程、風は猛烈に吹き、嘲笑う。隊長はというと・・・変な顔をして余裕でいる。さすがだ・・・こんな時でも・・・。山頂も晴れていなかった・・・。一面ガスで被われていた。(9:40)

 絶対もう一度・・・。北沢峠からなら一人で日帰りピストンも出来るはずだっ!やってやる・・・。とリベンジを心に誓いつつ、足早に北沢峠へ下っていった・・・。途中、勢いを増していく突風に「かかってこいっ!」と叫びつつ・・・。山頂〜北沢峠までは5時間を要した。今回の山行でまた少し硬派に成れたような気がする。過信せずに、今後も精進して行こう・・・。

  隊長殿。今回はお誘い頂き感謝のしようがありませんっ!ホントに貴重な経験をさせて頂きました。ありがとうございます。

注:わたくしは「ゲイ」ではありません・・・。

 

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  硬派夜営集団カヌ沈隊

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