奥多摩三頭山非難小屋合宿

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平成11年 3月6日〜7日

硬派者:隊長  狩猟班長


パンパンだ!これほどまでに”ふくらはぎ”が張ったのは、俺の肉体強化ヒストリーにおいて、どれほど久しいだろうか!思わず口元から

「チキショウ!」という言葉が漏れてしまった。
うかつだった・・・シッカリとあの男の耳には届いていたのだった。
へ?いま・・・チクショウっていったぁ?
クソ!聞いてやがったか!カヌ沈隊隊長オザキが、数メートル先でドングリを拾いながら振返り、にやりと黄色い笑いを浮かべた。
なんていやな野郎だ!あの野郎には疲労の文字はないのか!この数時間つま先がすねに当たるほどの急登をひたすら直登しているというのに。
そう ここは泣く子も黙る”奥多摩 三頭山 糠指山ひたすら直登しようよ登山道”にいるのだ!上も下も果てしなく急な登山道が続いている。(上の写真は下山風景である。この急勾配が延々1000m近く続くのだ)自分が斜めに突っ立っている錯覚に陥るほどだ!俺達のほかに登山者はいない そりゃそうだ!頂上へ行きたけりゃ、山の反対っ側の”都民の森”から1時間足らずで登頂してしまうので、こんなアホ臭くも無謀極まりないコースは誰も通らないの!しかも俺の60gザックには水と日本酒とビールがずっと

「休もうぜぇ〜休もうって言っちまいなよぉ♪」と”トップントップン”囁いているのだ。そこをぐっとこらえ男狩猟班長ここにアリ!とばかりに言わずにいるのが唯一の意地だった。しかし 奴も十分疲れているはずだ。足取りを見れば解る。ペースもダウンしてるじゃねーか!む?まさか俺を気遣ってるのか!?余計なお世話だ!しっかし・・・はあはあ・・・キッツイぜっ!はあはあはあ・・・・。



 当日12時に奥多摩駅で、隊長オザキと待ち合わせをした。今回は隊長とワタクシ狩猟班長と二人の教化合宿だ。まあ 4月の”奥秩父縦走40キロ”出場の足慣らし程度に考えて企画されたのだ。しかし出発直前まで、どちらのコースを選択するかは決定していなかったが、やはり”硬派カヌ沈隊”としては、

軟弱”都民の森コース”から行こう♪とは二人とも口が裂けても言えなかったのだ。当日の非難小屋での夕食メニューは隊長特製のおでんだということもあり、水もそうだが、隊長はおでんの具となべ、俺は酒を担いで登っていった。普通の登山道は、登りあり下りあり、絶景ありで非常に楽しませてくれるものであるが、今回は苦行極まりなかった。しかしそれゆえに、三頭山の非難小屋に到着したときのビールは格別であった。唯一残念であったのは、非難小屋では隊長と二人っきりでしっぽり♪と行くはずだったのが、先客がいたことでる。しかしながら、そんな中でもロウソクの灯火とともに、カヌ沈隊の今後はどうあるべきか討論するはずであったが、酒が入るにつれ、疲労の色を隠せなくなった隊長は、寝るな!という声も聞いてか聞かずか、さっさと一人で死んだように眠ってしまったのだった。

<記 狩猟班長>


今回の合宿はテントではなく、避難小屋を利用した。
場所は奥多摩・三頭山(みとうさん)避難小屋。
三頭山は1500メートルほどの低山で、普通ならば当然日帰り。
その三頭山に、丸太作りのきれいな避難小屋がある。
そこに目をつけた。
日帰りの山に、わざわざシュラフを持って泊まる物好きは、そう居ないはず。
とすれば、小屋を貸し切り状態にできる。
騒から逃れ、森の静寂に包まれ、蝋燭の明かりで酒を飲む。
どうだ!これこそカヌ沈的硬派合宿。

と思いきや。
トホホ・・・。なのであった。

先客アリ。
箸が転がっても笑いころげる酔っ払いオバサン二人+イビキ親父。最悪。
酔っ払いオバサンは、「みのもんたの おもいっきりテレビ」の電話相談的なグチだか悩みだか判らない、”男と女の色話”を赤裸々に語っていた。
俺達に聞こえないように話してるようだが、まる聞こえなのが哀しい。
はああっ。書くのが嫌になってきた。

<記 隊長>


合宿報告 その二

隊員達が苦しんでいる姿を見るのは、隊長として、断腸の思いなのである。その辛さを、どう表現すればわかってもらえるだろうか。

八ヶ岳主峰・赤岳で苦しむ炊事班長横沢には、「もう、歩けない」と言う奴に対し、「そうか、ゆっくり休むといい」と言って、ザックを担いだまま、座ることなく見守ってやった。

先日の丹波川合宿で寒さに打ちのめされてグッタリとうなだれる先走り奴隷・深町には、肩を揉んでやりながら「そうかぁ〜♪そんなに寒かったかぁ♪可哀相に♪」 と、やさ〜しく微笑ながら慰めてやった。

そして、今回。三頭山避難小屋合宿においては、ペースが落ちていく狩猟班長を傷つけないよう、どんぐりだの、動物の糞だのに関心を寄せるふりをして、そっとペースを合わせてやった。

なんという隊員想いの隊長であろうか。

ひとつ、狩猟班長の名誉の為に書かせてもらえば、奴は硬派である。男のなかの男である。決して「休ませてくれ〜」とは言わなかった。奴が呪文のように囁いていた言葉は「ちくしょう!古傷さえなければ、俺だって・・・」である。

<記 隊長>

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硬派夜営集団カヌ沈隊

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