少量のコーヒーは脂肪を分解しストレスを解消させる。
岐阜大学医学部教授 森秀樹

ストレスをため込まない秘けつはいくつかありますが、その一つがうまく気分転換を図ることでしょう。
 その一つに嗜好品が挙げられますが、なかでもコーヒーを飲むと得られるリラックス感は、
「コーヒーブレイク」という言葉があるように気分転換に有効です。
 コーヒーにはこうしたリラックス効果がある一方で、眠気を覚ます作用が知られています。
気分をリラックスさせる精神安定効果と眠気を取る覚醒作用(脳神経を興奮させる作用)は相反する作用のようですが、
どちらもコーヒーに含まれるカフェインによる作用なのです。

 カフェインは医学的な治療にもよく用いられる成分ですが、量によって当然その作用が異なってきます。
すなわち、カフェインを多童に投与すると、興奮効果が現れ、覚醒作用や利尿作用(尿の出を促進する作用)をもたらします。
逆に少量だと、鎮痛効果となり、精神を安定させたり、頭痛をおさえたりする作用をもたらすのです。
 また、独特の香りやコーヒーに含まれているたんばく質や脂肪をはじめとする多くの成分が、
カフェインとともに自律神経(意志とは無関係に内臓などの働きを調節している神経)のバランスを保つ働きをし、
精神を安定させるのに効果があります。
 また、適量のカフェインは胃液の分泌を促し、脂肪を分解します。
 リラックス効果をもたらす量のカフェインは、コーヒー二、三杯分に含まれています。
気分転換やストレスを感じたときに飲むコーヒーは、一日に二、三杯がよいでしょう。




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