ゴールデンリング
ニルギリをいれた。ジャンピングが起こるのを見届けて、ティーコジーを被せる。さらさらと落ちてゆく砂時計の砂が、時間は繋がっている事を教える
私はどうもデジタルの、時間をピシッと決めてくれるようなところが好きなので、本当はあまり砂時計は好みでは無いのだが・・・。ただの習慣である。
使わない砂糖を出そうとして気付く。要らない事に。 カップを暖めていたお湯を捨てる。優しく扱わねば壊れてしまいそうな華奢なカップは彼女の好みであった。私は大振りのマグカップを愛用していたはずなのだが。
ティーコジーを外し、ストレーナーを持ち上げて気付く。
紅茶の入れ方から、道具まで。全ては今はいない女性のものであったと・・・・。