このページの横幅を花と花にあわせると
小道がゆっくりと下に続いていきます。
ちょうど大きな手のひらくらい......。

見たくないときには手を広げて隠してしまいましょ。
大事にしたかったら手を重ねて吸い込みましょ。
ふた手が重なる時には。。。

やさしいあさにはかなしいよるをゆるしてあげたくなる

とじこめていたいものにかわってしまうまえに

さいごにだきしめたらゆっくりとてをひろげよう

ゆるりととけてきんいろのひかりといっしょになる

とりおえられたじかんのふいるむはもうしまわれて

ここにつくられたせかいはかえることができなくても

わたしのえがおはちゃんともどってきた  おはよう



光はいつまでもきえないのだと
だれかが言っていた

そしてまた星は光をはねかえし
光は増えながら永遠に旅を続けるのだと

ならば 消えずに跳ね返りあう光で
なぜ宇宙は永遠の昼にならないのだろう

それを考えると
神様はやっぱり闇のなかにいる気がする

 

祈りのように 時を過ごしたい
うれしいときも かなしいときも
すこやかなるときも やめるときも

祈りのように 時を愛したい
求め 充たされ 努め 許される
出来事と出会いに 感謝をささげながら

ただ、祈りのように

夢を見ないで眠る人がほんとうはいないように
夢を見ないで生きている人だっていはしない

ただ、覚えていないだけ

目をあける前に何を見ていたか
光を浴びる前に何を見ていたか

そして一度忘れると
はるかかなたへかすんでしまう

もう一度、目を閉じて
もう一度、生まれて
..
....


いつも日曜日には
庭の木々たちと一緒に
お食事をします

私はまだ上手じゃなくて
両手をひろげて
受け止めるのがせいいっぱいだけど

あめのひはきらきらで
はれのひはぽかぽかで
かぜのひはさらさらで

あの子たちと
おそろいになれるんです
すこしだけ
おしゃべりもできるんです



「手紙」

私が知らないときに
私のことを考えていてくれたんだなあって
すごくうれしくなって

あなたに返事を書いたけど
あなたのまねしたみたいだなって
出さずにしまってしまった

だから、あなたはしらない
あなたが考えるより
ずうっと思っているってこと
あなたはぜんぜん知らないのに

そんなことおかまいなしで
やっぱりおくり続けてくれるので
もっともっとうれしくなって

読んでいないときでも
あなたをおもいうかべるようになった

書いていないときでも
あなたに心が流れていくようになった


十字架が雨に洗われながら
時に隠れてくちてゆく

油絵がいっぱいの光をあびて
目には見えずにあせてゆく

今一瞬の幸福のなかでは気付けない
私たちの真ん中にある大事なもの

同じ運命をたどる大事なもの



本の頁をめくるよりはやく
彼女は世界を先読みして

大地にこぼれてしまわぬように
小さなため息を風に乗せる

軽やかに笑う小さな花たちは
日だまりよりほかの関心はなく

涙にきづかれないように
彼女は眠るふりで樹木にもたれる

おまえたちのいのちよ
わたしたちのいのちよ
とわであらんとしたものを

壊さんとするものたちの
無知をうつした鏡をもち
それでも彼女は祈っている

彼等に 幸い あれ と



まりあさまがあかごをだいて
あかごがまりあさまをだく

おとなをいやせるひとみを
こどもをまもれるうでを

ふたりのおすがたを
こころにつよくだきしめる



「雲」

めぐりめぐって
めぐみをめぐむ

いきとしいけるもの
すべてをまもるために

空がたえまなくみまもり
大地がのびやかに願い

かなえられかたどられた
空と大地の羽のごとき白




重なりあう木々の枝の向こう
微かに見える空から
降り注ぐ

地の上の全ての声を
ただ一つに寄り合わせたような
静寂

雄弁な沈黙に
人はただ立ちすくみながら
胸いっぱいにそれを受け

そして
沸き上がるものは
祈り



ふと不安にかられて周りを見渡すと
いつだって目が合うんだ

手がさしのべられたわけでもない
ましてやぜったい助けてなんてくれない

ただ目が合う 目の合う距離にいる

.......なぜか大丈夫だって思うんだ



何も手にしない
そのままでいい

あなたは水

透明になるほど
豊かになっていく
あなたになっていく




私たちはもともと一緒(ひとつ)
だから泣かないで

目に見えるものに
目隠しされないで

私たちはずっと一緒(ひとつ)
たとえ形をうしなっても

出会う前から一緒(ひとつ)のまま
何も変わってはいないのだから



はるにきえた
はなたちのざんぞうが

なつたちのぼるにわのつちから
そらへとかえってゆく

おもいでもみれんもこうかいも
それだけうつくしかったせいだとおもえば

だきしめてかかえていたものを
てばなすことができるかもしれない

このときをのがさないで

たくましいみどりにうもれて
いまこのりょうてをひらこう

おまえたちがどこへかえるのか
わたしはきかないままにしよう

いまをのがさないために


はねがゆっくりと
ちじょうにおりてきた

みあげれば
とりのかげも
くものかげもなく

ただいちまい
わたしのてのなかに

うつむいていたわたしに
まぶしいあおぞら


あさはやく
まだたいようが
のぼらないような

そんなじかんに

ふきわたるかぜが
ないしょのいのりを
まちじゅうにはこぶ

きょうもいいひで
ありますように



何も出来ない私だったけれど
だれよりも早く学校に来た

用務員さんがくるまで
ぼんやりとただたっていた

もうすぐ 門が あく

勉強もできない
友達もすくない

そんな私の何かに開かれる
ただその瞬間を待ち焦がれた

きょうも 扉が あく

そして毎日毎日 許されていたのだ
 


空き地の真ん中に座り込む少年
とりかこむ木々たちが笑う

どうして笑ってるの?
切られちゃうんだよ?

少年はなみだをこぼし続ける
とりかこむ木々たちは笑う

どうして泣くんだい
それはとても自然なこと

風が私たちを倒すことがあるように
土が私たちを埋めることもあるように

運命はまるで寿命のようなもの
私たちにはそれが人の形をとってきただけだ

切られることでなく別れを悲しむために
私たちの涙をおまえにこぼそう

そして 見上げれば こもれ日
少年の涙は きらきらと 輝く




暗闇がこわくて
いっそ目を閉じる
本当の闇をさがそうとしてみる

なぜ...みつからないの?

そして
まぶたの向こう
私のまわりにはいつでも

光があること...

はじめて
きづく



いとしいものと
であえるだけでいい

そのときの
やさしいおどろきは

そのこだけがもつ
とびらをあけてくれる

おもいだすたびに
そこにある

てにいれてしまうより
もっとたしかな

けしてなくすことのない
えいえんのこころ

:
いま
じぶんを
すきになれなくても

いつか
すきなじぶんが
またでてくるよ

それまでは
いまのじぶんを
ただこころにきざもう

そして
げんきになったら
そのときのじぶんを
だきしめてあげよう

もうじぶんは
だいじょうぶだよってなったら

そのときのじぶんみたいな
だれかをだきしめるちからにしよう




すうっと
いきがふかくなって

わたしばかり
しゃべっていたのを
ちょっととめて

ひとこきゅう

あなたのくちびるが
かすかにうごく

おとがでる
みみにはいる
こころのなにかが
ゆれた

きこえた

 

赤ちゃんの指は
魔法使いよりも
大きな力を秘めて
母親を笑顔にし

母親は人さし指を
握らせては
それを封じて
眠りの魔法をかける

部屋には魔法が満ちあふれて
そしてとぎれることがない

ていと あ ていと  さらえるへのお手紙